20歳で夭折したラディゲが16~18歳の時に書いたと言われる作品。
Amazon作品紹介より
第一次大戦下のフランス。パリの学校に通う15歳の「僕」は、ある日、19歳の美しい人妻マルトと出会う。二人は年齢の差を超えて愛し合い、マルトの新居でともに過ごすようになる。やがてマルトの妊娠が判明したことから、二人の愛は破滅に向かって進んでい
く……。
“年齢の差を越えて”とありますが、今の時代であれば4つくらいどうってことないでしょう。
最低13は違わないと。(←ル○子基準)
20歳くらい違えば悪魔レベルはもっとアップ(←鬼)
これを初めて読んだのは定価320円当時です。
気付けば値段で時代を推し量る年齢になってしまいました。
あと数十年後には『本が紙だった時代』なんて言っているのでしょうか?
年代を感じさせる表紙がクラシカルでレトロで、
背表紙が程良く日焼けして当然文字も小さくて。
最近、寝ころんで読む腕の距離ではピントが合わず動揺しております。
さて、当時の感想は確か、
『この人妻ってあまりにも短絡的。信じる方が悪いよね。だって結末は目に見えてるもん』
こんな身も蓋もない言い草に、自分の感想でありながら、若いって冷たいな…と今にして思うのです。
ところが今回は私が人妻ということが関係しているのかどうか謎ですが、
『この15歳の少年の冷めた観察眼のそら恐ろしいこと!純粋に愛を与える人妻が全くいじらしい』
という人妻援護射撃を任務とする兵隊になってしまいました。
私は作者に言いたい。
ラディゲくん…キミは悪魔だ。
こんな身の毛もよだつ精神的ホラー恋愛小説を書けるのは悪魔に違いない。
(あとがきより)
『少年から青年になろうとする最も動揺定めない過渡期の魂を、冷厳な目で凝視して、これに呵責ない解剖をしている。まさに恐るべき作家であり、恐るべき作品である』
淀川センセイ風に言うならば、
『作者は15歳の少年のエゴイズムにメスを入れて、恐ろしい本音を暴いてしまいましたね~。私には心当たりはありませんが、叩けばホコリの出る男性の皆さん、決して表に出せない暗部にドキリとしませんか?清らかなそこのお嬢さん、騙されてはいけませんよ。信じてはいけませんよ。愛を語る言葉の裏側の、氷よりももっともっと冷たい心があなたをズタズタに切り裂くはずですよ。知らぬが仏ってホントなんですね~。皆さんも人を愛する時は十分気をつけましょうね(さよなら省略)』
『呵責ない解剖』という言葉、まさにその通り。
少年のエゴイズムを描ききった手腕は“恐るべき”という形容以外に無いと思われます。
15歳の少年を前にしてわずか19歳の人妻が、
『だって私はこんなにおばあさんなんですもの』と嘆く悲劇。
時代が時代とは言え、19歳と言えばこの世の春を謳歌して蝶よ花よと愛でられる年齢ではありませんか。
19歳の彼女を嘆かせるものは何でしょうか?
《19-15=4》というたったそれだけの引き算であるわけもなく。
でも確かに15歳と19歳の開きはキツイかもしれません。
それが例えば23歳と27歳であればいくらか緩和される感じ?
32歳と36歳ならまあまあいい感じだし、
41歳と45歳であれば見た目で十分逆転もあり得るし。
大きく飛んで73歳と77歳なら髪の毛のある方が若く見えるだろうし、
84歳と88歳になるともう歳の差なんて誰も聞かないと思うし。
105歳と109歳では年齢どころか性別さえもどうでもいいかと。
つまり、若いほど歳の差が気になるということですが、本の内容とは全く関係ないことでした。
感想に戻ります。
人妻の絶望は年齢差ではなく、
その胸に(掴めない)愛を掻き抱きたい、差し出された(幻の)手にしがみ付きたいという渇望にあります。
真実は目に見えない部分にあると知りつつ、それでも希望を捨てきれない人妻の自爆は想定内です。
15歳の悪魔に囚われた人妻が見たものは恋の業火に燃える地獄。
“身を焦がす”とはまさにこのことでしょうか。
命の輝きって、きっと恋の炎から発せられる熱と光なのね…なんて、
人ごと&作り話による対岸の火事見物みたいに呑気な想いもチラホラと。
彼女の恋をかき立てているものは悪の魅力とも言えます。
純粋な愛の天使だったら彼女はここまで溺れはしなかったのではないかと、
薄ら寒い想いになんだか数珠を握りしめたくなるのでした。
くわばらくわばら。
ラスト4行、若干15歳の少年の心の内にあるものを知り、
読者は人妻に代わって奈落の底へ突き落とされる感覚に見舞われます。
心情的に落ちて行きながら見えるもは何の変哲もない一人の少年の顔でした。
重ね重ねくわばらくわばらです。
作者ラディゲは当時16~18歳。
この薄っぺらな文庫本の中に漲る残酷な痛み、加えて、少年の胸の内に宿る悪徳の暴露、
早熟の天才の筆による解剖学的心理描写に恐れおののくばかりです。
こうして見るとアクセルくんやギルバートくんは天使ですね。
ケンヤくんのことは分かりませんが。
死んでもこういう目には遭いたくないと思いつつ感想を終わります。
杞憂に終わる、は百も承知でございますが。
でも、年々年下の男の子が可愛く見えるのはなぜでしょう?
無いものねだりの一環でしょうか?
ところでアクセルくんって何歳の設定だったんだろう?
Amazon作品紹介より
第一次大戦下のフランス。パリの学校に通う15歳の「僕」は、ある日、19歳の美しい人妻マルトと出会う。二人は年齢の差を超えて愛し合い、マルトの新居でともに過ごすようになる。やがてマルトの妊娠が判明したことから、二人の愛は破滅に向かって進んでい
く……。
“年齢の差を越えて”とありますが、今の時代であれば4つくらいどうってことないでしょう。
最低13は違わないと。(←ル○子基準)
20歳くらい違えば悪魔レベルはもっとアップ(←鬼)
これを初めて読んだのは定価320円当時です。
気付けば値段で時代を推し量る年齢になってしまいました。
あと数十年後には『本が紙だった時代』なんて言っているのでしょうか?
年代を感じさせる表紙がクラシカルでレトロで、
背表紙が程良く日焼けして当然文字も小さくて。
最近、寝ころんで読む腕の距離ではピントが合わず動揺しております。
さて、当時の感想は確か、
『この人妻ってあまりにも短絡的。信じる方が悪いよね。だって結末は目に見えてるもん』
こんな身も蓋もない言い草に、自分の感想でありながら、若いって冷たいな…と今にして思うのです。
ところが今回は私が人妻ということが関係しているのかどうか謎ですが、
『この15歳の少年の冷めた観察眼のそら恐ろしいこと!純粋に愛を与える人妻が全くいじらしい』
という人妻援護射撃を任務とする兵隊になってしまいました。
私は作者に言いたい。
ラディゲくん…キミは悪魔だ。
こんな身の毛もよだつ精神的ホラー恋愛小説を書けるのは悪魔に違いない。
(あとがきより)
『少年から青年になろうとする最も動揺定めない過渡期の魂を、冷厳な目で凝視して、これに呵責ない解剖をしている。まさに恐るべき作家であり、恐るべき作品である』
淀川センセイ風に言うならば、
『作者は15歳の少年のエゴイズムにメスを入れて、恐ろしい本音を暴いてしまいましたね~。私には心当たりはありませんが、叩けばホコリの出る男性の皆さん、決して表に出せない暗部にドキリとしませんか?清らかなそこのお嬢さん、騙されてはいけませんよ。信じてはいけませんよ。愛を語る言葉の裏側の、氷よりももっともっと冷たい心があなたをズタズタに切り裂くはずですよ。知らぬが仏ってホントなんですね~。皆さんも人を愛する時は十分気をつけましょうね(さよなら省略)』
『呵責ない解剖』という言葉、まさにその通り。
少年のエゴイズムを描ききった手腕は“恐るべき”という形容以外に無いと思われます。
15歳の少年を前にしてわずか19歳の人妻が、
『だって私はこんなにおばあさんなんですもの』と嘆く悲劇。
時代が時代とは言え、19歳と言えばこの世の春を謳歌して蝶よ花よと愛でられる年齢ではありませんか。
19歳の彼女を嘆かせるものは何でしょうか?
《19-15=4》というたったそれだけの引き算であるわけもなく。
でも確かに15歳と19歳の開きはキツイかもしれません。
それが例えば23歳と27歳であればいくらか緩和される感じ?
32歳と36歳ならまあまあいい感じだし、
41歳と45歳であれば見た目で十分逆転もあり得るし。
大きく飛んで73歳と77歳なら髪の毛のある方が若く見えるだろうし、
84歳と88歳になるともう歳の差なんて誰も聞かないと思うし。
105歳と109歳では年齢どころか性別さえもどうでもいいかと。
つまり、若いほど歳の差が気になるということですが、本の内容とは全く関係ないことでした。
感想に戻ります。
人妻の絶望は年齢差ではなく、
その胸に(掴めない)愛を掻き抱きたい、差し出された(幻の)手にしがみ付きたいという渇望にあります。
真実は目に見えない部分にあると知りつつ、それでも希望を捨てきれない人妻の自爆は想定内です。
15歳の悪魔に囚われた人妻が見たものは恋の業火に燃える地獄。
“身を焦がす”とはまさにこのことでしょうか。
命の輝きって、きっと恋の炎から発せられる熱と光なのね…なんて、
人ごと&作り話による対岸の火事見物みたいに呑気な想いもチラホラと。
彼女の恋をかき立てているものは悪の魅力とも言えます。
純粋な愛の天使だったら彼女はここまで溺れはしなかったのではないかと、
薄ら寒い想いになんだか数珠を握りしめたくなるのでした。
くわばらくわばら。
ラスト4行、若干15歳の少年の心の内にあるものを知り、
読者は人妻に代わって奈落の底へ突き落とされる感覚に見舞われます。
心情的に落ちて行きながら見えるもは何の変哲もない一人の少年の顔でした。
重ね重ねくわばらくわばらです。
作者ラディゲは当時16~18歳。
この薄っぺらな文庫本の中に漲る残酷な痛み、加えて、少年の胸の内に宿る悪徳の暴露、
早熟の天才の筆による解剖学的心理描写に恐れおののくばかりです。
こうして見るとアクセルくんやギルバートくんは天使ですね。
ケンヤくんのことは分かりませんが。
死んでもこういう目には遭いたくないと思いつつ感想を終わります。
杞憂に終わる、は百も承知でございますが。
でも、年々年下の男の子が可愛く見えるのはなぜでしょう?
無いものねだりの一環でしょうか?
ところでアクセルくんって何歳の設定だったんだろう?
Reiさんの話術にはまった感のある私は
すでに本屋に走りたい衝動にかられております
怖いもの見たさ?
いや、読みたさ?
私は、どうも年上が好みでして
同じ年でもイヤだと思ってきたわけですが、
このごろのハンソン君病を鑑みるに
これは、危険な年代に達してしまったのかも・・・
もし目の前にあんなかわいくて色っぽい子が
超絶笑顔で現れてしまったら
すべて与えて地獄を見るのでせうか?
あああ
くわばらくわばら
アクセル君・・・
確かに何歳だろうね?
彼の年齢制限なしのところは
かなりの魅力だったりしますけどね
>私は、どうも年上が好みでして
そうなんだ!
私も弟がいるから年下はナシだったよ~。
>これは、危険な年代に達してしまったのかも・・・
ハハハそういうことかしら~?
私もアクセル君の可愛さに目覚めた辺りから…
>彼の年齢制限なしのところは
>かなりの魅力だったりしますけどね
“年齢制限なし”って!!(爆)
ホントその通りよねぇ。。
15は違っているように見えたわね。
で、私から逆算すると…ふむふむ。。良いのではないでしょうか?(笑)
全部消えちゃったぁ
気を取り直して、もう一度
これ、すごーく読んでみたいっ
最初、人妻が、カワイイ彼を誘惑し翻弄するのかと思いましたが・・、違うのね
逆ですか~
>ラスト4行、若干15歳の少年の心の内にあるものを知り、
読者は人妻に代わって奈落の底へ突き落とされる感覚に見舞われます。
こ、怖いよぉ
でも。。。突き落される感覚、味わってみたい(笑)
これ、映画にもなったみたいですね
姑さんに対しても、いろいろ気遣いを
しなくちゃならなくて大変そう…って、
某野球選手夫婦なんか見ていて思っちゃうんですが~(あ、全然関係ないですかぁ?)
勝手な想像ですが、
年齢をひけめに感じちゃうと辛いかも…って…><
(やっぱり、関係ないですね?)
『肉体の悪魔』って、タイトルしか知りませんでした。
ラディゲって、早熟だったんですね!
Reiさんの文から、いろいろ内容を妄想しちゃいます~
やっぱ、若い恋に、妊娠は障害なのですね!
(妄想といっても、お粗末ですね…笑)
あーー!全部消えちゃったのにもう一度
お手数お掛けしました
>最初、人妻が、カワイイ彼を誘惑し翻弄するのかと思いましたが・・、違うのね
違うのよ~。
それくらい技アリの人妻なら大丈夫なんだけどね(笑)
純粋な人間が不幸になるってホント可哀想
でもそれが恋愛の怖さよね~なんて(笑)
ラストはね、ミステリーのオチみたいに終わります。
最後のピースがはまる感じ。
それが悪魔のパズルなんだけどさ~(爆)
>これ、映画にもなったみたいですね
そうなんだ!知らなかった~
短編並みの薄い文庫なので機会があったら是非どうぞ♪
うまくいってる姉さん女房ってご主人の方がよけいに愛してるんじゃないかな。
そうじゃないと気苦労が大変そうですよね
>某野球選手夫婦なんか見ていて思っちゃうんですが
あ~、、(笑)
あのお宅は奥様のコントロールが監督並みかも(爆)
『あなたは出来る!』って信じて言い続けたそうですね。
見習いたいです(笑)
>やっぱ、若い恋に、妊娠は障害なのですね!
若い男の子にとって、人妻+妊婦は最悪じゃないかしら?(爆)
身から出たサビとはいえ…
でもこの子の場合、同じことを繰り返しそうな怖さがあって。。
悪魔は一生悪魔かもしれません
タイトルもすごいけど…
これは変えなくてもイイかも、スゴすぎて・笑
薄い本と聞いてなおさら読んでみようかと・・・(^^;)
Reiさんが書店の店頭に置く紹介文書いたら
その本は即ベストセラーだよ
>なんかスッゴイお話デスね…
だよね。。昼メロなんかだと面白そう(笑)
この手はわりと良くある話だと思うんだよね。
『アドルフ』っていう本と内容が良く似てて、
そっちは年齢がもうちょっと上だったような…。
どちらも“男の本音”で突っ走る感じ?
キレイごとじゃないのがいいです(爆)
>これは変えなくてもイイかも、スゴすぎて・笑
私もそう思います(笑)
というか、これを超えるタイトルが思い浮かびません
かな~り昔の本ですが、生き残っているのは理由があるんですよね。
しかもこれを書いたのが10代の少年だということが何よりの驚きです。
若さゆえの残酷さってあるのよね。。
紹介文なんて
読者に怒られるだけだと思います