韓リフの過疎日記

経済学者田中秀臣のサブカルチャー、備忘録のための日記。韓リフとは「韓流好きなリフレ派」の略称。

佐藤忠男『映画から見えてくるアジア』

2008-02-08 09:35:00 | Weblog
 少し前に購入し、韓国映画関連だけ読んでいたもの。これを読んで大島渚の『絞死刑』を購入したのだがそういえばまだ見ていないままで積読ならぬ積視。

 今回、通読してみてモンゴル映画、ベトナム映画、イラン映画の話題がやはり面白く、最近のわが本務校での留学生の多国籍化が急激なのもうけて、ネパールやパキスタン、バングラデシュなどの映画事情はどうなっているのか、とか自然と関心を抱いた。

 福岡の映画祭にいったり、または都内でも23区の南か中央近くにいないとなかなかアジア諸国の映画を見る機会というのは得るのが難しい。自然とDVDやビデオ頼みとなるが、韓国、中国圏などは比較的充実しているし、イランやインドもまあまあ、しかしモンゴルやベトナム、タイなどはほとんど見ることができない。こういう映画狂ではない、怠け者映画鑑賞者からみると、この本は蒲焼のいい匂いだけがしてくる狂おしい書物ともいえる。


 韓国映画も00年代のものはわりと容易に見ることができるが、90年代前半以前はかなり難しいだろう。シネマコリアなどの情報をまめに見てそれでそれなりの時間と手間を犠牲にしないとなかなか難しい。


 本書を読んで最も視聴意欲を刺激したのは、やはりイラン映画である。キアロスタミ、マフマルバフ、サドレアメリなどの作品をまとめてみてみたい。


 本書への異論というのは、やはりアジア諸国の映画vsアメリカ映画、という図式で、後者がグローバル化の掛け声で世界の文化を侵略する、かのような描き方には少しいただけないし、さらに規制への評価や消費者主権の軽視も本書の端々から感じてこれもいただけない。そういう点は瑣末な点なのだがやはり目を引いてしまう。


 なお佐藤忠男氏→原田泰氏→田中秀臣 という影響関係があるということをここで記しておきたい。

http://d.hatena.ne.jp/asin/4896919017/econlovelive-22
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