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弁護士・元ロースクール教授宮武嶺の社会派リベラルブログです。

【憲法記念日】私権=「市民の権利」を制限するのではなく、日本国憲法が保障する基本的人権をより充実させることで、コロナも防げて、市民はより幸せになる。

2021年05月03日 | 日本国憲法の先進性

もっと輝け、日本国憲法。

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 菅総理が憲法記念日にあたって、次の総選挙では改憲を自民党の公約にすると明言しました。

 麻生副総理は、憲法に緊急事態条項を入れる必要があると言い出しています。

人権感覚のかけらもない。

 

 

 しかし、日本で今、新型コロナの感染爆発が起きているのは、政府や自治体の権限が弱いからではなく、その使い道を間違っている、つまり、ありていに言えば、政治が無策無能だからです。

 そんな権力者たちに、憲法をいじらせたり、ましてや国会を開かないで国民の権利を制限し義務を課する緊急事態条項など創設させてしまったら、まさに〇チ〇〇に刃物で、市民生活はさらにどん底になるだけです。

憲法に緊急事態条項は必要か (岩波ブックレット)

永井 幸寿

 

 

 さらに、慶応大学の研究で、全都道府県知事でワースト1に選ばれた日本維新の会副代表の吉村大阪府知事(笑)。

 維新の会代表の松井大阪市長ともども、コロナに対処するには私権=国民の権利をより制限することが必要だと言い始めました。

 維新の会は与党でもない野党でもないからユ党、などと言うのもおこがましく、実際には与党が口に出して言えないようなことをお先棒を担いで言う役割の、クズ政党です。

 そもそも、あなた方が住民投票だのイソジンだの雨がっぱだのに明け暮れているから、大阪はまた全国ダントツ一位の感染者と死者を出しているのでしょうが。

 大阪府民・市民の権利より、あなたがたの権力を制限する方が、よほど人々のためになるというものです。

 

 さて、表題にあるように、日本国憲法が保障する基本的人権を制限するより、より確実に保障した方が、コロナに対してさえ有効で感染を防げるとはどういうことか。

 たとえば、菅政権も小池都知事も吉村府知事たちも、時短要請や休業要請までして、補償は頑として認めずに、わずかな涙金程度の協力金でお茶を濁しています。

 これでは、憲法22条1項が保障する営業の自由や29条が保障する財産権が制限されっぱなしで、違憲状態と言えます。

 憲法29条3項には、財産権を制限するときには正当な補償をしないといけないと明記されているのですから、その趣旨を生かして、事業規模や損失額に合わせて、国や自治体が保障をするのが当たり前です。

 

 そういう正当な損失補償がなければ、これからの緊急事態宣言やまん延防止措置で、だんだんお店の人が要請に従わなくなるのは当然。

 その際に、要請に従わない事業者の名前を公表したり過料などの罰を加えるというのは、まさに国民の権利を制限し新たな義務を課する、「北風と太陽」で言うと北風政策です。

 しかし、本当にやるべき政策は、時短や休業を求める前に、お客さんが安心してお店に行けるように、換気やアクリル板の設置を行政が全額負担で代行し、さらにコロナ対策ができているお店にはむしろ助成金を出す。

 そうすれば、どの店も喜んで協力して、結果として全市民の安全が確保できるのです。

コロナ禍で生きていくには、むしろ人権尊重の感覚が何より大切。



 いま、感染経路不明の感染者が半分以上になっていますが、そのうちのかなりの部分が通勤途中での感染と思われます。

 通勤ラッシュを減らさないことには、コロナの抑え込みは無理です。

 ところが、菅政権も小池都知事も吉村府知事も、ステイホームだのリモートワークだのと口で言うだけで、ちっとも「政治」をしないのです。

 企業がリモートワークを推進するために必要なネット環境など態勢をそろえるための助成金を出す。

 もし、リモートワークを実現したらその程度に応じて、むしろ報奨金を企業に出す。

 このように、生存権や経済的自由権など国民中心の人権保障の拡充でこそ、リモートワークの推進も成功するのです。

 これこそが政治です。

「政治家」のフリップ芸にはみんな飽き飽きしてるんですよ。

 

 今、日本に暮らす人の多くが苦境に立たされているのは事実です。

 だから、良識ある市民の方々でさえ、日本国憲法を変えるような大変革が必要だという気持ちになるのも無理はありません。

 しかし、真に必要なのは、生存権を筆頭にまだ憲法に書かれているだけで十分には実現していない基本的人権を文字通りに保障すること。

 この発想の転換こそ、社会がひっくり返るほどの大改革です。

 私たち一人ひとりが幸せになるために、まず、日本国憲法を実現することを考えませんか。

 

吉村府知事の私権制限発言に対して、兵庫県明石市の名物市長泉さんが猛反発したのは痛快でしたね!

あらためて別の記事で書きたいと思いますが、泉さんとは兵庫県弁護士会で一緒で、ほぼ同年齢なんです。

向こうがずっとえらくなっちゃったけど(笑)。

あんなに真っ白になるまで市民のために働いてくれて、本当に頭が下がります。

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菅首相:自衛隊「憲法9条に位置付ける」、改憲を衆院選公約-報道

配信

 

 

 

麻生氏、緊急事態条項の必要性改めて言及

「志公会と語る夕べ」で挨拶する麻生太郎財務相=13日午後、東京都千代田区(川口良介撮影)
「志公会と語る夕べ」で挨拶する麻生太郎財務相=13日午後、東京都千代田区(川口良介撮影)

 麻生氏は、自民の二階俊博、立民の福山哲郎両幹事長が憲法改正手続きを定めた国民投票法改正案に関し、今国会で「何らかの結論を得る」ことを確認したことを挙げ「憲法(改正)も議論としてしっかり進めていくことが、立法府に身を置くわれわれに与えられた責務と強く思っている」と語った。

 

 

記者団の質問に答える大阪府の吉村洋文知事=27日午後、同府庁

記者団の質問に答える大阪府の吉村洋文知事=27日午後、同府庁

大阪、大規模施設の休業調整 飲食店は「酒なし営業」案―緊急事態宣言要請

 吉村氏は府への緊急事態宣言の発令が決まった23日、感染症対策のために個人の自由を一定程度制限する法整備を国が議論すべきだと言及。これに対し、泉市長は26日の記者会見で病床確保を優先させるべきだとした上で、「政治家の責任放棄で失格だ」「吉村知事は有害で早く辞めてほしい」などと述べていた。
 吉村氏は27日、「諸外国では個人の自由を法令で制限している。日本で反対意見が強いのは分かるが、医療資源に限界がある中で議論せずに終わらせていいか疑問がある」との考えを重ねて示した。

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2 コメント

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国民投票法改正に抗議する (ml)
2021-05-04 18:07:40
自民党は憲法改正(悪)と緊急事態条項への前段階、国民投票法改正案の採決を5月6日にやる予定。既に自公維新、国民民主も賛成。立民は広告規制等で保留?明確に反対示しているのは共産党だけ。多数決で通過してしまう。
又最近の調査で「コロナ対策に緊急事態条項が必要57% 共同」という。この結果は驚異である。 
 元々これまで憲法を散々踏み躙り国会もウソ八百。憲法99条義務違反常習の政権。このコロナ禍でナゼ
憲法改正なのか。憲法記念日に「ピンチはチャンス」の下村博文発言。コロナで一万人死者、生活苦の国民が増えているのが自民党の改憲にはチャンスなのか。
 この状況は一言で言えば火事場泥棒、「惨事便乗型資本主義 ショックドクトリン」に類するものではないかと思われる。
 戦争や自然災害等につけ込んで政変を起こしたり、市場原理支配を持ち込むやり方。
 自民党としては、コロナ対策を無作為でやり過ごし意図的にl混乱を大きくして、非常時で正常な判断能力が欠如した国民を狙う方がやりやすいというわけなのか。そしてこの状況を千載一遇のチャンスと捉え、
法と民主主義の基本法憲法を無力化して、内閣が憲法の上に立つ事を目論む。想像を超える悪辣さだ。
 これは法治国家の統治機構を変える国家によるクーデターそのもの。安倍菅自民党政権で現在事実上三権分立は破壊されているが、緊急事態条項で合法的に内閣が独裁権力を持ってしまう。
 多くのメディアは こういう国民に重要な情報は殆ど報道しない。心ある国民は黙っている時ではない。

 
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議論から逃亡する維新 (ゴメンテイター)
2021-05-05 01:03:49
 大阪府の医療は、とっくに壊滅しています。大阪府下の病院に勤務する医療関係者によると、報道されている数字と、病院で報告を受ける数字が違うということです。
つまり、重症病床の使用率は、報告ではすでに130%を超えているのに、報道では100%だというのです。都合の悪い数字は隠蔽、改ざんする。これが詐欺集団「維新」の手口なのです。
維新は「重症病床にいる重症者を重症病床数で割れば100%だから嘘ではない」と言うでしょう。200㏄のコップに水を注ぎ続けて溢れさせても、コップの中の水は200㏄です。あふれた水のことを忘れている、いや、無視しているのですね。つまり重症なのに重症病床で診ることができない患者さんのことを無視しているのです。

 吉村大阪府知事が元々公衆衛生と医療を蔑ろにし、重症病床の確保をこの1年さぼっておきながら、医療壊滅をあたかも府民の責任であるかのように「私権制限」を言い出すことに、明石市長は「許せない」と言っているのです。「私権制限」を軽々しく言い出したことを、責任逃れ、責任転嫁に過ぎないと指摘しているのです。
そのことに、正面からの反論も、意見を述べることもせずに「タブー視されているが逃げずに議論すべきだ」と言うのは、反論ではなくごまかしでしょう。
維新の手下、吉村は、尻尾を巻いて逃げているのです。

3日にNHKで憲法記念日特集「新型コロナと憲法~問われる“個人の自由”~」が放送されていました。最初はコメンテイターがそれぞれ意見を述べ、終盤で各政党から意見が述べられるという構成でした。予想通り「新型コロナウイルスの感染が収束しないのは、私権を強力に制限しないからだ。」という意見も登場させ、全体として、原憲法下では収束させるのは難しいかのような論調になっていました。
そもそも、自由の制限を目指すことよりも、いかにして国民の生存権を守るのかを議論すべきなのに、生存権について、それに関する意見を述べるコメンテイターはいませんでした。一部の政党だけですね。

 国民の命を守る気概もなく、只々私利私欲を満たすことしか考えていない自公とそれを補完している維新らに、国民の命を守る政策を期待することが間違っているのでしょう。そんな連中が提案する改憲は、ろくでもないものですね。
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