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弁護士・元ロースクール教授宮武嶺の社会派リベラルブログです。

憲法記念日1 日本国憲法はなぜ成立したか

2009年05月03日 | 人権保障と平和
日本国憲法
第九十七条  この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であつて、これらの権利は、過去幾多の試錬に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである。



 憲法については、数え切れないくらい講演もし授業もしてきました。講演や授業をするにあたって勉強していく中で最も強く感じたのは、日本国憲法は世界の歴史と日本の歴史を背負って生まれた人権保障のための極めて優れた憲法であるということです。

 イギリスの時間をかけた王制のもとでの民主化。イギリス議会の圧制を打ち破って成し遂げられ高らかに謳いあげられたアメリカ独立宣言。そして、ブルボン王朝という絶対王政を倒したフランス市民革命とフランス人権宣言。
 
 これら欧米の近代立憲主義の思想を着実に受け継いでいます。

 さらに19世紀末から20世紀初頭の貧富の差の拡大、社会不安の激化を受けて社会権などを取り入れ憲法を制定した現代立憲主義憲法の先駆者的な憲法が日本国憲法です。


 と同時に、戦争放棄や政教分離原則の厳格化など、先の大戦における日本の侵略・植民地支配・人権抑圧を反省した日本ならではの条項も多々観られます。


 最近の研究では明治の自由民権運動の影響も指摘されており、戦争直後も国民の圧倒的支持を受けました。「憲法はGHQに押し付けられた」という一面だけを主張する憲法学者は2、3の例を除いて絶滅寸前です。


 この日本と世界の歴史の合作とも言うべき、数多の血を流して獲得された日本国憲法を立派なお題目にしておくだけではなく、つまり、護憲に甘んじず、実現していくのが、日本と世界の市民に対する素晴らしい貢献となると思います。



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