村上新宿の高層ホテルで地震に遭遇した作家の村上龍さんのNYタイムスへの寄稿文が、「ぜひ読んでみて」と高校の同級生から回ってきました。
簡潔で、実に力強い、今はこういうメッセージが必要なんでしょう。
『(前略)…「このホテルは最強度の耐震構造で建設されており、建物が損傷することはありません。ホテルを出ないでください」という放送が、何度かにわたって流された。最初は私も多少懐疑的だった。ホテル側がゲストを安心させようとしているだけではないのかと。
だが、このとき私は直感的に、この地震に対する根本的なスタンスを決めた。少なくとも今この時点では、私よりも状況に通じている人々や機関からの情報を信頼すべきだ。だからこの建物も崩壊しないと信じる、と。そして、建物は崩壊しなかった。
日本人は元来“集団”のルールを信頼し、逆境においては、速やかに協力体制を組織することに優れているといわれてきた。それがいま証明されている。勇猛果敢な復興および救助活動は休みなく続けられ、略奪も起きていない。
しかし集団の目の届かないところでは、我々は自己中心になる。まるで体制に反逆するかのように。そしてそれは実際に起こっている。米やパン、水といった必需品がスーパーの棚から消えた。ガソリンスタンドは枯渇状態だ。品薄状態へのパニックが一時的な買いだめを引き起こしている。集団への忠誠心は試練のときを迎えている。
現時点での最大の不安は福島の原発だ。情報は混乱し、相違している。スリーマイル島の事故より悪い状態だがチェルノブイリよりはましだという説もあれば、放射線ヨードを含んだ風が東京に飛んできているので屋内退避してヨウ素を含む海藻を食べれば放射能の吸収度が抑えられるという説もある。そして、アメリカの友人は西へ逃げろと忠告してきた。
私の両親は東京より西にある九州にいるが、私はそこに避難するつもりはない。家族や友人、被災した人々とここに残りたい。残って、彼らを勇気づけたい。彼らが私に勇気をくれているように。
今この時点で、私は新宿のホテルの一室で決心したスタンスを守るつもりでいる。私よりも専門知識の高いソースからの発表、特にインターネットで読んだ科学者や医者、技術者の情報を信じる。彼らの意見や分析はニュースではあまり取り上げられないが、情報は冷静かつ客観的で、正確であり、なによりも信じるに値する。
私が10年前に書いた小説には、中学生が国会でスピーチする場面がある。「この国には何でもある。本当にいろいろなものがあります。だが、希望だけがない」と。
今は逆のことが起きている。避難所では食料、水、薬品不足が深刻化している。東京も物や電力が不足している。生活そのものが脅かされており、政府や電力会社は対応が遅れている。
だが、全てを失った日本が得たものは、希望だ。大地震と津波は、私たちの仲間と資源を根こそぎ奪っていった。だが、富に心を奪われていた我々のなかに希望の種を植え付けた。だから私は信じていく。』
一方で、批判が集中した石原都知事の天罰発言です。
「去年一番ショックだったのは、おじいさんが30年前に死んだのを隠して年金詐取する、こんな国民は世界中に日本人しかいない。日本人のアイデンティティーは我欲になっちゃった」「残念ながら無能な内閣ができるとこういうことが起きる。(95年の阪神大震災の際の)村山内閣もそうだった」「我欲に縛られ政治もポピュリズムでやっている。それが一気に押し流されて、この津波をうまく利用してだね、我欲を一回洗い落とす必要がある。積年たまった日本人の心のあかをね。これはやっぱり天罰だと思う。被災者の方々、かわいそうですよ」
言わんとしていることは、村上龍さんの後段と同じことです。
天罰部分のみを強調され、さすがの石原さんも一転謝罪したけど、私は石原さんの気持、すごく分かります。
民主党のマニフェスト、私もポピュリズムと思いました。「米百俵」の小泉さんとえらい違いです。
子ども手当て、一気に押し流されそうです。
仙台で被災された方のブログで、「仙台港近くのアウトレットモールの商品が盗まれて何もない」という話を読みました。被災された方が、やむにやまれず生活必需品を持っていったというなら分かりますけど、ブランド品ですから、どう考えても持ち去ったのはギリギリ生きることに精一杯の方じゃないですよね。
商店街の人の家に泥棒が入ってお金を盗まれたとか、信用金庫の金庫のロックが津波ではずれ、4000万盗まれたとか、そんな話も・・・・
週刊誌で、「善意で被災者を境内だけでなく自宅の中までも受け容れたお寺の住職さんの、家族の衣類がごっそり盗まれた。」なんて話も読みました。
被災地だけじゃないです。
義捐金詐欺する人。
買いだめする人。
政府発表の情報よりもインターネットやチェーンメールのデマに惑わされる人。
そして平常心を失い、東京から逃げる人、福島県産だというだけで食べ物を捨ててしまう人。
国民みんなが一斉に自分のような行動を取ったら、社会はどうなってしまうのか、そういうように考えられない、この非常時に、自分さえ良ければって人がたくさんいることも、分かってしまいました。
災い転じて福となすことができるのか、復興は、日本人一人ひとりのハートにかかっています。
簡潔で、実に力強い、今はこういうメッセージが必要なんでしょう。
『(前略)…「このホテルは最強度の耐震構造で建設されており、建物が損傷することはありません。ホテルを出ないでください」という放送が、何度かにわたって流された。最初は私も多少懐疑的だった。ホテル側がゲストを安心させようとしているだけではないのかと。
だが、このとき私は直感的に、この地震に対する根本的なスタンスを決めた。少なくとも今この時点では、私よりも状況に通じている人々や機関からの情報を信頼すべきだ。だからこの建物も崩壊しないと信じる、と。そして、建物は崩壊しなかった。
日本人は元来“集団”のルールを信頼し、逆境においては、速やかに協力体制を組織することに優れているといわれてきた。それがいま証明されている。勇猛果敢な復興および救助活動は休みなく続けられ、略奪も起きていない。
しかし集団の目の届かないところでは、我々は自己中心になる。まるで体制に反逆するかのように。そしてそれは実際に起こっている。米やパン、水といった必需品がスーパーの棚から消えた。ガソリンスタンドは枯渇状態だ。品薄状態へのパニックが一時的な買いだめを引き起こしている。集団への忠誠心は試練のときを迎えている。
現時点での最大の不安は福島の原発だ。情報は混乱し、相違している。スリーマイル島の事故より悪い状態だがチェルノブイリよりはましだという説もあれば、放射線ヨードを含んだ風が東京に飛んできているので屋内退避してヨウ素を含む海藻を食べれば放射能の吸収度が抑えられるという説もある。そして、アメリカの友人は西へ逃げろと忠告してきた。
私の両親は東京より西にある九州にいるが、私はそこに避難するつもりはない。家族や友人、被災した人々とここに残りたい。残って、彼らを勇気づけたい。彼らが私に勇気をくれているように。
今この時点で、私は新宿のホテルの一室で決心したスタンスを守るつもりでいる。私よりも専門知識の高いソースからの発表、特にインターネットで読んだ科学者や医者、技術者の情報を信じる。彼らの意見や分析はニュースではあまり取り上げられないが、情報は冷静かつ客観的で、正確であり、なによりも信じるに値する。
私が10年前に書いた小説には、中学生が国会でスピーチする場面がある。「この国には何でもある。本当にいろいろなものがあります。だが、希望だけがない」と。
今は逆のことが起きている。避難所では食料、水、薬品不足が深刻化している。東京も物や電力が不足している。生活そのものが脅かされており、政府や電力会社は対応が遅れている。
だが、全てを失った日本が得たものは、希望だ。大地震と津波は、私たちの仲間と資源を根こそぎ奪っていった。だが、富に心を奪われていた我々のなかに希望の種を植え付けた。だから私は信じていく。』
一方で、批判が集中した石原都知事の天罰発言です。
「去年一番ショックだったのは、おじいさんが30年前に死んだのを隠して年金詐取する、こんな国民は世界中に日本人しかいない。日本人のアイデンティティーは我欲になっちゃった」「残念ながら無能な内閣ができるとこういうことが起きる。(95年の阪神大震災の際の)村山内閣もそうだった」「我欲に縛られ政治もポピュリズムでやっている。それが一気に押し流されて、この津波をうまく利用してだね、我欲を一回洗い落とす必要がある。積年たまった日本人の心のあかをね。これはやっぱり天罰だと思う。被災者の方々、かわいそうですよ」
言わんとしていることは、村上龍さんの後段と同じことです。
天罰部分のみを強調され、さすがの石原さんも一転謝罪したけど、私は石原さんの気持、すごく分かります。
民主党のマニフェスト、私もポピュリズムと思いました。「米百俵」の小泉さんとえらい違いです。
子ども手当て、一気に押し流されそうです。
仙台で被災された方のブログで、「仙台港近くのアウトレットモールの商品が盗まれて何もない」という話を読みました。被災された方が、やむにやまれず生活必需品を持っていったというなら分かりますけど、ブランド品ですから、どう考えても持ち去ったのはギリギリ生きることに精一杯の方じゃないですよね。
商店街の人の家に泥棒が入ってお金を盗まれたとか、信用金庫の金庫のロックが津波ではずれ、4000万盗まれたとか、そんな話も・・・・
週刊誌で、「善意で被災者を境内だけでなく自宅の中までも受け容れたお寺の住職さんの、家族の衣類がごっそり盗まれた。」なんて話も読みました。
被災地だけじゃないです。
義捐金詐欺する人。
買いだめする人。
政府発表の情報よりもインターネットやチェーンメールのデマに惑わされる人。
そして平常心を失い、東京から逃げる人、福島県産だというだけで食べ物を捨ててしまう人。
国民みんなが一斉に自分のような行動を取ったら、社会はどうなってしまうのか、そういうように考えられない、この非常時に、自分さえ良ければって人がたくさんいることも、分かってしまいました。
災い転じて福となすことができるのか、復興は、日本人一人ひとりのハートにかかっています。
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