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自然を参考に作られた10の科学技術(バイオミメティックス)

2016年05月04日 | ニュース

 

 35億年に及ぶ試行錯誤を繰り返した結果、大自然はくっついて重力に逆らう方法や糖質を使用して1世紀もの乾燥に耐える方法など、様々な発明品を作り出してきた。そうした自然のシステムからヒントを得て考案された科学技術は意外なほど多い。

 バイオミメティクス(biomimetics)とは、生体のもつ優れた機能や形状を模倣し技術開発やものづかりに生かすという言葉だが、ここでは自然を参考に生み出された10の科学技術を見ていくことにしよう。

1. マジックテープ / ゴボウの実

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 1941年、スイスの電気技師ジョルジュ・デ・メストラルは犬を連れてアルプスに狩りに出かけた。そして帰宅してみると服や犬の毛皮に野生ゴボウの実が張り付いているのを発見する。この植物は通過する生き物に張り付いて、種を遠くまで運んでいた。これを顕微鏡で覗き込んだメストラルは、単純な作りのフックが繊維や毛皮の輪に引っかかっていることを発見する。

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 このヒントを得てから10年後、様々な素材で無数の実験を経た末に、マジックテープという新型のファスナーの特許が生み出された。


2. ゲッコーシール / ヤモリ

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 ヤモリが重力に逆らい壁に張り付いていられるヒミツは、指先のシーティーという極小の毛にある。ここに極小スケールでしか効かない、ファンデルワールス力が働き、張り付くことができるのだ。これは接着剤がなくともぴったりと張り付き、しかも剥がすこともできるという優れものだ。

 近年では、シリコンを使ってシーティーを模倣することに成功し、様々なヤモリ技術が開発されてきた。切り立ったガラスの壁を登れるガジェットや自重の数百倍もの重量の物体を持ち上げるロボットなどがその一例である。

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 また宇宙で修理を行うロボットもある。これはLEMUR(Limbed Excursion Mechanical Utility Robot = 四肢移動式メカニカル・ユーティリティ・ロボット)といい、国際宇宙ステーションの保守管理を担当する。その姿もヤモリそっくりだ。


3. 風力発電タービン / クジラの尾びれ

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 ボストンの土産物屋で、フランク・フィッシュという生物学者はザトウクジラの像の尾びれにコブが並んでいることに気がつき、像の製作者のミスに違いないと想像した。尾びれの後ろの縁ではなく、前側に突起が並んでいたからだ。しかし、それは制作者の間違えではなかった。尾びれの前にあるコブの列は小さな渦を作り、水中で尾びれを素早く動かせるよう助ける。これがザトウクジラが驚くほど機敏な理由だ。
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 この”小コブ効果”を研究したフィッシュは風力発電のタービンにコブの列を加えることで、ドラッグとノイズを減らし、効率を上げられることを発見した。ちなみにクジラは新型タービンブレードの形状のヒントを与えただけでなく、それを制作するカナダの会社の名前にまでなった。ホエールパワー・コーポレーションのことだ。


4. サメ肌 / サメ 

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 NASAが開発した船のドラッグ低減コーティングは、サメの皮に並ぶ極小の鱗を参考にして生み出された。これは1987年開催のヨットレースのアメリカズ・カップで星条旗号が優勝する原動力となった。その効果は不公平という批判が浮上するほど絶大なもので、一時的にだが使用が禁止されてしまった。鱗は常に動いているため、船体への微生物の付着を防ぎ、防汚剤の使用も減らすことができる。

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5. 新幹線 / カワセミ

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 高速鉄道がトンネルから脱出する際、フロントノーズが加えた空気圧によって轟音が発生する。1990年代、日本の技術者である仲津英治はカワセミが水の中に飛び込むとき、ほとんど飛沫を上げないことを発見した。カワセミのくちばしを参考にして設計された新幹線は、走行時の騒音を軽減するのみならず、空力特性を高め、パワーの効率化を図ることで、一層の高速化が実現されている。

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6. ドローン / カエデの種の飛行

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 プロペラのような形のカエデの種は回転しながら落下することで、遠くまで移動することができる。ロッキード・マーティン社はこのデザインを取り入れて、シングルロータードローン”サマライ”を開発した。そのシンプルな機体には可動部分が2ヶ所しかなく、容易に小型化することができた。このプロジェクトを引き継いだのが米国防高等研究計画局(DARPA)で、狭い空間向けの偵察ドローン開発を行っている。

Lockheed Martin 30cm-span Samarai 'maple seed' UAV


7. あしながロボット / チーター

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 山の中や火星などのデコボコした地面など、車輪では進めない場所も、足なら探索を続けることができる。DARPAが開発した4本足のロボットはチーターをモデルとしており、戦場に物資を迅速に輸送することを目的としている。

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 他方、NASAではATHLETE(All-Terrain Hex-Legged Extra-Terrestrial Explorer = 全地形用六足式地球外探査機)の開発を進めている。ATHLETEは各足の先端に車輪を装備しており、なだらかな地形ではこれで走行する。しかし障害物などに阻まれると、これをヒョイっと跨いでしまう。


. ハイブマインド送電網 / ミツバチ

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 ミツバチは誰に命令されるでもなく、本能に従ってその役割を果たす。その判断は、巣の中にいる場所と周囲の仲間が何をしているかという単純な要因に基づいている。

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 アメリカのリジェン・エナジー社は”スワーム(群れ)ロジック”というものを採用し、送電網の効率改善を図った。電力を管理する中央集権システムの代わりに、各地域に制御装置を設置し、通信回線を通してそれぞれの電力需要を判断させるのだ。


9. 糖衣ワクチン / クマムシ

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 クマムシは水中に生息する8本足のずんぐりとした小さな生物である。水のない環境では乾燥して、100年以上も生存するというとんでもない能力を発揮する。これを可能にするのが、DNAとタンパク質などの分子機構を糖質によってコーティングするメカニズムだ。

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 ここに着想を得たのが、アメリカ、バイオマトリカ社やイギリス、ノヴァ・ラボラトリーズ社などのバイオテクノロジー企業である。彼らは生体ワクチンにクマムシの生態を応用し、砂糖のフィルムでワクチンを包むという方法を開発した。こうして冷凍することなく生きたワクチンを6ヶ月保管することが可能となった。


10. 蟻塚ビル / シロアリ

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 アフリカのシロアリは、昼には40度、夜には2度という寒暖の差が激しい環境において、温度をほぼ一定に保つ巧みなデザインの蟻塚を作る。その受動的な冷却システムは上部と側面に開いたいくつもの通気口によって機能する。地下の部屋から通気口を通して届く風が熱い空気を追い出してくれるのだが、シロアリはさらに通気口を塞いだり、開いたりすることで空気の流れをコントロールしたりもする。

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 建築家のミック・ピアースはジンバブエのオフィスビル、イーストゲートセンターにこれを真似た構造を取り入れた。ビルの屋上には煙突が並んでおり、地下から冷たい空気が流れ込むと同時に暖かい空気が上から逃げるようになっている。こうしてエアコンなしでも快適な温度が保たれ、同じサイズの従来型ビルに比べて、エネルギー使用量を10分の1に減らすことに成功した。

via:10 technologies inspired by nature・translated hiroching / edited by parumo

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