「不可視の両刃」放射線に挑む~英国大学院博士課程留学~

英国に留学して放射線研究に取り組む日本人医師ブログ

大学再開

2017-01-09 | 2017年イベント
今週から、学部生undergraduateが大挙して戻って来た関係で、今日は医学部メインキャンパスは大混雑していました。

私も幾つかの講義を医学部学生と一緒に受けてみようと思い、教官の許可を得て、今日は放射線腫瘍学の講義を聴講してみました。
かなり先端的な内容まで含んでおり、放射線生物学も相当高度な知見を伝授していました。私のような一応は放射線医科学のプロフェッショナルが聴いても、ちゃんとした知識の再確認になる程ですから、かなり質が高いです。講師がハイレベルだから当然なのですが、正直、羨ましいほどです。
しかし、果たして、医学生の方々はこの環境がどれだけ恵まれているかを判っているのか、いないのか。母校医学部時代の講義の様子を振り返りながら、「医学生ってのは、日本に限らず英国でも、こんなものなんだねえ」と改めて思いました。クイーンズの医学部は英国内でも悪くないのでしょうけれども、正直、放射線腫瘍学・生物学部門の研究レベルはたしかに世界一流で、クイーンズの平均的水準の上をいっているのは明らかなのに(私の指導教官をクイーンズが好条件でオックスフォードからわざわざ引き抜いたほど)。私のように日本からわざわざ聴きに来ている奴がいるほどの講義なんだから、もっと真面目に受講すればいいものを、実にもったいない……
とはいえ、偉そうに言う私自身も、過去を振り返ると医学生時代はかなり愚かなことをしていたのかもしれません。講師の先生方に今更お詫びしたい気持ちもありますが。シャア曰く、「認めたくないものだな。自分自身の若さ故の過ちというものを」といったところでしょうか。

今週は私も試験を控えています。
多くの大学院修士課程生が今週から始まる試験でアワアワしています。私も博士課程ではありますが、日本であまり学習していなかった医療統計学の講義を履修してみた関係で、試験があるのでした。はっきり言って、数時間にもおよぶ筆記試験なんてもう勘弁してくれよ、という感じです。どんどん記憶力は低下していて、ちっとも覚えたいことが覚えられず、もはやアンパンマンみたいに頭を取り換えるしかないのではないかと薄々思っています。もっと性能がいい頭に(ついでにイケメンになりたい)。
それにしても英語の壁は厚い。日本語で試験されても受かるかどうかよく判らない内容なのに、それを英語で試験時間内に記述解答せよなんて言われても。もっと楽な科目を選択すれば良かったとつくづく思いましたが、後の祭り。
大学再開して早々、ちょっと涙目