「不可視の両刃」放射線に挑む~英国大学院博士課程留学~

英国に留学して放射線研究に取り組む日本人医師ブログ

試練の5月

2018-05-08 | 雑記
私にとって今月は、大学院での審査・試験が続く、試練の時となっております。胃が痛いというか、ストレスで頭が禿げそうです。あくまで主観的にですが、もう「やめたげてよお」と悲鳴をあげたくなるような状況です。

英国も、日本同様、理系の博士課程においては基本的には日々の研究がメインです。しかし、進捗は厳しくcheckされますし、とにかくthesis(博士論文)を書き上げなければなりません。とくに後者はnon-native(非英語圏出身者)には大変な作業です。私も今月の審査では、どの程度までのデータが取得出来たか、査読付き論文はどのくらい発表したか、博士論文執筆はどこまで進んでいるかなどを報告し、評価者の先生方の厳しいツッコミをなんとか凌ぎきらなければなりません。とにかく質疑応答が辛くなるだろうと思われます。今年の審査は、全部で1時間程度の予定になっていますが、果たしてどうなることやら…

最近、来年に控えている本学博士課程修了後の進路について、色々と聞かれることがあります。臨床に戻るのか、放射線研究を続けるのか、日本へ帰るか、海外で職を見つけるか。色々な選択肢があるのかもしれませんが、正直、実に悩ましいところです。
私の指導教官はここの研究センターに留まって今の研究を続けてはどうかと勧めてくれました。ご厚意にはとても感謝していますが、私自身は、かつてパスツールが言ったように、「科学には国境は無いが、科学者には母国がある」と考えています。つまり、日本人医師、医学者の端くれとして、日本の社会に貢献出来るような道を取りたいと思っています。そして、大学院修了後は日本へ帰り、日本から世界の放射線研究をリードしていくことを第一に考えています。

しかし、日本で、私が現在取り組んでいる放射線研究を続けることができる場所があるのかどうか。そういう機会が、そういうポジションが、私に与えられるのかどうか。

はっきり言えるのは、チャンスがない場所に行くのは単なる時間の無駄であり、つまりは愚かな選択であろうということです。人生は一度きりであり、私に残された時間も有限です。為すべきことを為すためには、私は出来るだけ大きなチャンスを掴む努力をしなくてはならないと思いますし、それがひいては今まで私の我が儘を支えてくれた方々に対する恩返しにつながるでしょう。どの選択肢が正解かなんて判りませんが、せめて自分に大きなチャンスを与えてくれる環境に飛び込みたいと考えています。


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