二次は数理技能検定というだけあって,証明問題とか出てくる。
まあ,計算問題もそうであるが,答えがあることがわかっていて,その答えをあなたは求めることが出来ますか?ということである。
答えがあるかどうかわからないものに一生掛けて取り組むというような観点からみると,くだらないと言えばくだらないんだろうなあ。
数学検定 過去問題 1級(大学程度・一般) 2次:数理技能検定 問題4. 統計学検定
https://www.su-gaku.net/suken/support/past_questions/
1級(大学程度・一般)
〔1級〕2次:数理技能検定
問題4. A 大学の男子学生の身長について,男子学生全体の平均は 170 cm,A 大学 B 学部の男子学生全体の標準偏差は 5.0 cm であることがわかっています。
このとき,A 大学 B 学部の男子学生の平均身長 m(cm) について,次の方法で検定を行います。
・ 学部の男子学生 100 人を無作為抽出し,身長を測定する。なお,この 100 は十分大きな値として扱ってよいものとする。このときの B 学部の男子学生 100 人の平均身長を X(cm) とする。
・ 帰無仮説 H0 を m = 170,対立仮説 H1 を m ≠ 170 とする。
・ 大学B学部の男子学生全体の身長は,正規分布に従うと仮定する。
実際に無作為抽出された 100 人の身長を測定したところ,X = 170.9 でした。これについて,1-2-6ページの正規分布表の値を用いて,次の問いに答えなさい。
(1) 有意水準を 0.05 とするとき,帰無仮説 H0 を棄却することができるかどうかを確かめなさい。
(2) 帰無仮説 H0 を棄却するためには,有意水準をいくら以上の値にする必要があるかを求めなさい。答えは小数第 4 位を切り上げて小数第 3 位まで答えなさい。
解答
平均値は A 大学の男子学生全体について,標準偏差は B 学部の男子学生全体についてわかっているとの状況設定は,回答者を惑わすのが目的か?と思われるような不自然な状況設定である。
要するに,必要なのは「母集団の平均値と標準偏差が 170 cm,5.0 cm」としてよいというだけのこと。
サンプルサイズは 100 で,標本平均は 170.9 cm であったと。
平均値の差の検定を行うが,サンプルサイズは十分大きいとして,標準正規分布を使って両側検定をやれと。
標本平均と母平均の差の標準誤差が 5.0 / sqrt(100) であることが要点。
Z = (170.9 - 170) / (5.0 / sqrt(100))
= 1.8
標準正規分布表を見るまでもなく, Z < 1.96 ゆえ,帰無仮説は棄却できない。
「帰無仮説 H0 を棄却するためには,有意水準をいくら以上の値にする必要があるか」というのも,トンデモ設問だ。
まあしかたない。
2 * P(Z > 1.8) = 2 * (0.5 - P(u < 1.8)) = 2 *(0.5 - 0.46407) = 0.07186
なので,0.072
「有意水準 0.072 で帰無仮説を棄却できます(有意です)」なんて言うか?
このことを統計学では,「有意確率 (p value) は 0.072です」って言うんだョ。