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熱利用、下水、浸水、河川、水道、…ただのメモ。

旧宮原町が示す下水道整備

2006年09月04日 09時28分47秒 | 下水道
射程 旧宮原町が示す下水道整備

 十年ほど前になる。旧宮原町(現氷川町)の町中を訪れたときの印象は今も鮮明だ。道に沿って流れる用水が清らかで、程なく、この町の水洗化率が既に94・3%と県内一だったことを知った。

 国土交通、農水、環境三省によると、〇五年度末の下水道や浄化槽など汚水処理施設の利用人口が80・9%と初めて80%を超えた。県平均は70・1%。合志市や菊陽、長洲、苓北町で90%を超え、毎年約2%増えているという。

 全国の整備状況を見ると、人口規模の大きい都市ほど進み、逆に五万人未満の市町村は62・9%と全国平均以下。住宅の集積度の違いなどの要素はあるが、都市部と地方圏との格差は歴然だ。

 人口五千人前後の宮原町がなぜ、注目されるまでになったか。

 当時の担当者によると、一九七五年の、人口一万人未満の町村でも取り組める「特定環境保全公共下水道事業」の実施が大きかったという。町は当時、庁舎や学校建設が一段落、一方で農業用水からの生活雑排水の分離を求める要望もあり、町長は「環境、特に下水道整備」を公約に町政を推進。その二年後には着手した。「国の補助率も現在の二分の一でなく三分の二。ほかの交付税もあり町の財政負担は大きくなくてすんだ」

 汚水処理施設の整備は現在、下水道が国土交通、浄化槽が環境、農業集落排水施設は農水省が担当する。縦割りの弊害でなく補完し合う形で進むことを願いたい。

 前年度末、宮原地区は約99%でほぼ完備。三十年間の環境への投資は大きな財産となった。(児)