SPIDERS IN LOVIN' COOL

ケロロ軍曹(主にクルドロ)や、名探偵コナン(主に平和)の小説。
毎週土曜日は「今週のクルドロ萌え」を予定。

なんとなく覚えていて(ケロロ軍曹【クルル×ドロロ】)

2008-02-15 18:54:43 | ケロロ軍曹(クルル×ドロロ)
クルルくんは時々、ぼ~っと宙を見ている。
そんな時は大抵、幼少時代を思い出してるんだ。

「ドロロ…」
「なぁに?」
「お前…家族のこと、好きか?」
「うん…地球に寝返ったとはいえ、やっぱり家族は大切だよ」
「そっか…俺には、家族の記憶なんて、ほとんどないからな。
そう言えるお前が、すごく羨ましいんだ」

クルルくんには家族がいない。

「俺さ…兄弟いねぇし、両親も俺が小さい頃死んじまったし…
短い間で、親孝行の一つもしてやれなかった…
両親が死んでから親戚に預けられたけど、すぐに邪魔者扱いされて
小訓練所の寮に、半ば強引に入れられちまった。
小さいながらもそれがショックで、
気づいたら、殻に閉じこもってばかりで友達も出来ない、
ずっと…孤独だった…」

この話をする時のクルルくんは、妙に素直な言葉を吐き出す。
黙って聞いてるのは、僕の役目。

「僕が、いつまでも隣にいてあげるから、
もう、悲しまないで。クルルくん」
「たまには有給でもとって…
墓参りでも行こうかな…
お前のことも、紹介しないといけねぇしな…」
「…うん、最高の親孝行だと思うよ」

君が悲しいときは、黙って抱き締めてあげるから。
だから君も、僕を抱き締め返して、
一人じゃないってことを、知って欲しい。

----------なんとなく覚えていて 孤独ではないことを
なんとなく覚えていて 温もりは傍にある----------


Fin


【あとがき】
去年のアニケロ一発目の放送で、クルルだけ里帰りしなかったのは、
やはり家族がいないからだと勝手に思いました(爆)。
クルルの親族出てこないし…いるなんてことすら…。
タイトルの「なんとなく覚えていて」と、「---」で囲まれた部分は、
ドロロ役草尾毅氏の曲、「なんとなく覚えていて」から。
最初はクルル視点で落ち込んだドロロを見守るって話にしようと思ったのですが、
草尾氏の曲なんだからドロロ視点でクルルを見守る方がいい!ってことで。