SPIDERS IN LOVIN' COOL

ケロロ軍曹(主にクルドロ)や、名探偵コナン(主に平和)の小説。
毎週土曜日は「今週のクルドロ萌え」を予定。

20.無意味(ケロロ軍曹【ギロロ×ガルル】)

2008-09-28 16:46:44 | ケロン人で30のお題
兄弟であることなんて、無意味なものだ。
近くにいられるからいい?そんな馬鹿な。
近くにいるからこそ、とても苦しいのだ。
この先ずっと理性を保てるのか、保証はできない。


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幼いころに見た兄の背中は、とても広いものだった。
俺はその背中に追いつきたくて、小訓練所に入ったのだ。
まだ小さかった俺にとって、兄は憧れで、目標で、ライバルだった。


「ギロロ、もっと脇を締めないと、いい射撃はできないぞ」

「ギロロ、強くなるには、人を思いやれ。
 思いやりの心から、人は強くなるんだ。」


その時兄は、すでに小隊の隊長で、星もいくつか侵略していた。
俺たちが上級生にいじめられれば、指一本出さずに、
兄は上級生を追い払ってくれた。
そんな兄を、俺はいつしか、「兄」として見れなくなっていたのだ。
そう、「兄」としては・・・。


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「久しぶりだな、ギロロ」


“ギロロ”と呼ぶところをみると、
今回はプライベートでペコポンに来たのだろう。


「日向家の皆さまとは、仲良くやってるみたいだな」


それが侵略者にとっては、褒め言葉ではないことは明らかなのだが・・・。


「何をしにきた?仕事ではないだろう?」

「おいおい、久しぶりに弟に逢いにきた兄に、
 その言葉はないんじゃないか?」

「お前が来るといつもろくでもない目に遭うからな」


この人はいつも突然だ。


「来るのなら、連絡の一つでもよこしたらどうだ?」

「連絡なんかよこしたら、お前が大変だ」

「どういう意味だ?」

「“ケロロ、今すぐペコポンを侵略だー”なんて無理するんだろう?」


何もかもお見通しってわけか・・・。
しかし、こんなにも突然訪ねられても、俺の心の準備が出来ない。
理性が保てないかもしれない・・・。


「どうせすぐに帰るんだろう?」

「いや、今回はゆっくり出来そうなんでね。
 2泊3日ってとこかな?」


3日間も俺は理性を保ってなければいけないのか?
冗談じゃない!


「だったら、ペコポンの観光地にでも行ってくればどうだ?」

「いや、ここでゆっくりさせてもらうよ」

「冗談じゃない!日向家に迷惑かけるつもりか?」

「だから、このテントで泊まろうと思う。いいだろう?」


こ・・・この狭いテントで兄と2夜も過ごさねばならないというのか?


「ク・・・クルルのところへ行け!あそこならペコポン人もいないし」

「クルルくんは私のかつての上官だ。迷惑かけるわけにいかない。
 それに、彼にはドロロくんがいるだろう?
 あんなに可愛い恋人との時間を、私が邪魔するわけにもいかないしな」


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そんなこんなで、ガルルは今、俺の隣で眠っているのだが・・・。
俺が全く眠れない・・・。
早く夢の中へ堕ちていけば、どんなに楽なんだろうと思う。
愛する人が隣に眠っていて、何もしないのは男としてどうかと思うのだが、
でも、そもそも兄と俺は男同士だし、
それに、兄と俺は男同士の上に兄弟だ。
あぁ、もう訳がわからない。
ん?でも眠ってるってことは、少しくらい何かしたってバレないってことか?


「ちょっとだけなら・・・いいよな?」


俺は兄に軽く口づける。
何度か軽いキスを一方的に交わしていくうちに、
理性に歯止めが利かなくなり、軽いキスだけでは物足りなくなる。
閉じた口元を無理やりこじ開けて、今度は強く、深いキス。


「・・・?な・・・何をしているんだ、ギロロ」


さすがに目を覚ましたらしく、兄は必死に抵抗する。


「バカ・・・やめろ・・・俺たちは兄弟だ・・・」

「兄弟であることなんて、関係ないだろ?」

「ギロロ、貴様は変態か?」

「何とでも言え」

「ん・・・んーー・・・・」


俺は何か言いたげな兄の口元を、キスで塞ぎ、
言葉なんて出させないようにした。
言わせない、男同士だ、兄弟だなんて。
そんなこと、俺にとっては無意味なことだ。


「泊まらせてやるんだ、お礼の一つもくれないと・・・な」


俺は、理性をかき消した欲望を、兄にすべてぶつけた。


fin


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【あとがき】
ついにギロロを汚してしまった・・・。
しかも相手がガルル。
でも、BLな上に近親相姦ってよくない?(爆)。
ギロガルでも、ガルギロでもいいと思うんだ。
もう、雑食にも程があるな、最近・・・。