ミュンヘンからハイデルベルクへは、DBで約3時間。
遅い昼食はこの移動時間を利用すべく、バゲットやジュースを購入して列車へ向かう。
ドイツの新しい大きな駅のホームは、カタカナの「ヨ」の真ん中の横線部分がホームで、その前後の空間に列車が進入してくるような形で、スイッチバック方式というのだろうか。横線であるホームは、20以上あったと記憶している。
ホームの上は、かまぼこ型の非常に高い屋根に覆われていてる。ヨの字の縦棒部分が連絡通路なので、日本のように階段の上り下りはないのが嬉しい。そこはそのまま駅のショッピング街や、レストランに続く。改札がないので、行き来も自由。
我々の乗る列車を案内板で確認すると、一番端だった。荷物を引きずりなが向かう。30分前に到着して、ベンチに腰掛ける。ホームにある案内も、列車番号をきちんと表示していた。が、変だ。人がいないのである。10メートルほど手前のベンチに、同じくアジア系の若い女性3人がいるのみ。
「ねえ、この時間でこんなに人がいないなんておかしいと思わない?」と夫に言うと、「え?だってここのホームって書いてあるから大丈夫だよ」と平和そうに言う。と、そのとき、なにやらアナウンスが、ドームの屋根に反響し、ホームの雑音と共鳴して呪文のように響く。夫の脳のドイツ語領域が反応した。
「ちょっと待って。ホーム変更になってるみたいなんだけど、・・・ん・・聞き取りにくい・・・」ホームを見回して、直接聞こうにも職員の姿はない。
繰り返されるアナウンスを聞いて、何番ホームらしいと言うので、急いで移動することにする。荷物を引きずって歩くと、先ほどの女性3人が、そのまま談笑しているのが見えた。ドイツ語のみのアナウンスが聞き取れず、気づいていないのではと思えた。
日頃、他人にしてもらって自分が嬉しいと思うことは他人にするを信条に、時におせっかいと言われる気持ちが、私に起きる。
「教えてあげたほうがいいんじゃない?」「え?でも、僕の聞いた内容が違うかもしれないから、早く確認したい。」と足早に行ってしまう。
アジア系でも、日本人とは限らない。私はかつて旅行中にアジア系の人が、日本語で話しかけられて露骨に嫌な顔をされているのを何度も目撃している。躊躇したが、思い直して伝えようと足を向けた時、その女性達が、バックからコンパクトを取り出して、化粧直しを堂々と始めた。
その瞬間、私のおせっかい心は消えた・・。公衆での化粧直しは、私の大嫌いな行為なのである。
変更されたホームは、当初のホームからかなり離れていた。すでに列車は入ってきており、あわてて座席へ向かう。腰を下ろしてホッとしたら、先ほどの3人が思い出された。でも、これから戻っては列車は出発してしまう。
「しょうがないさ・・・・」「・・・・うん。」
日本のようなやかましい警報音も、出発を告げるアナウンスもなく、ドイツの列車は静かに滑り出すようにホームを離れた。
遅い昼食はこの移動時間を利用すべく、バゲットやジュースを購入して列車へ向かう。
ドイツの新しい大きな駅のホームは、カタカナの「ヨ」の真ん中の横線部分がホームで、その前後の空間に列車が進入してくるような形で、スイッチバック方式というのだろうか。横線であるホームは、20以上あったと記憶している。
ホームの上は、かまぼこ型の非常に高い屋根に覆われていてる。ヨの字の縦棒部分が連絡通路なので、日本のように階段の上り下りはないのが嬉しい。そこはそのまま駅のショッピング街や、レストランに続く。改札がないので、行き来も自由。
我々の乗る列車を案内板で確認すると、一番端だった。荷物を引きずりなが向かう。30分前に到着して、ベンチに腰掛ける。ホームにある案内も、列車番号をきちんと表示していた。が、変だ。人がいないのである。10メートルほど手前のベンチに、同じくアジア系の若い女性3人がいるのみ。
「ねえ、この時間でこんなに人がいないなんておかしいと思わない?」と夫に言うと、「え?だってここのホームって書いてあるから大丈夫だよ」と平和そうに言う。と、そのとき、なにやらアナウンスが、ドームの屋根に反響し、ホームの雑音と共鳴して呪文のように響く。夫の脳のドイツ語領域が反応した。
「ちょっと待って。ホーム変更になってるみたいなんだけど、・・・ん・・聞き取りにくい・・・」ホームを見回して、直接聞こうにも職員の姿はない。
繰り返されるアナウンスを聞いて、何番ホームらしいと言うので、急いで移動することにする。荷物を引きずって歩くと、先ほどの女性3人が、そのまま談笑しているのが見えた。ドイツ語のみのアナウンスが聞き取れず、気づいていないのではと思えた。
日頃、他人にしてもらって自分が嬉しいと思うことは他人にするを信条に、時におせっかいと言われる気持ちが、私に起きる。
「教えてあげたほうがいいんじゃない?」「え?でも、僕の聞いた内容が違うかもしれないから、早く確認したい。」と足早に行ってしまう。
アジア系でも、日本人とは限らない。私はかつて旅行中にアジア系の人が、日本語で話しかけられて露骨に嫌な顔をされているのを何度も目撃している。躊躇したが、思い直して伝えようと足を向けた時、その女性達が、バックからコンパクトを取り出して、化粧直しを堂々と始めた。
その瞬間、私のおせっかい心は消えた・・。公衆での化粧直しは、私の大嫌いな行為なのである。
変更されたホームは、当初のホームからかなり離れていた。すでに列車は入ってきており、あわてて座席へ向かう。腰を下ろしてホッとしたら、先ほどの3人が思い出された。でも、これから戻っては列車は出発してしまう。
「しょうがないさ・・・・」「・・・・うん。」
日本のようなやかましい警報音も、出発を告げるアナウンスもなく、ドイツの列車は静かに滑り出すようにホームを離れた。