２００５．５月+++子供の誕生日

手術から３ヶ月の５月末。
末っ子の３歳の誕生日を迎えた。

子供の誕生日は母親にとっては、出産記念日でもある。

出産のときは、さすがに３番めということもあって、それほどの困難も無く、
予定日よりも１０日近く遅れての出産に、少し気を揉んだりしたけど、
わりと簡単に産んだように覚えている。

出産当時は、この子が二十歳の時に私たち親は５５歳になってるけど、
きっと元気に働いてるだろうし、自営業だから定年も無く、体さえ元気なら
子供が独立するまでは余裕で働いているんだろうと想像していた。

まさか誰も自分が病気になるなんて思いもしない。

ましてや３歳の誕生日にこんな気持ちになっているなんて。


ガンという病気になり、手術で悪いところは取り除いたとはいえ、
『死』という言葉は私の頭から離れることなく、その日がやってきてしまうのではないかと、いつもビクビクしていた。


末っ子が３歳になり、とにかく３歳までは一緒にいてあげられたと思うとうれしかった。
だけど、まだ３歳なのだと思うと悲しかった。
私が生きているうちに、さっさと大きくなって欲しいと思ってしまう。

手術から３ヶ月のころの私には、大人になった末娘と一緒にいる自分の姿が想像できなかった。

１年後の４歳の誕生日の席にさえ、私はいるのだろうか。
そんな自信もなかった。


だから、今の３歳になった娘の姿をしっかり見ておこう。
母親との想い出をたくさんを作ってあげたいと思った。