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シリーズ平成の本音-介護保険料引き上げ、反福祉政策が国民生活を直撃! (その1)

2015-09-24 | Weblog
シリーズ平成の本音-介護保険料引き上げ、反福祉政策が国民生活を直撃! (その1)
 安倍自・公連立政権は、2016年度の予算編成の基本的な方針である概算要求基準を閣議で了解し、2020年度での財政の黒字化を目途に歳出を抑制することとし、その中で社会保障費の削減を図るとしている。財政の黒字化方針は、遅きに失しているものの評価されるところであるが、増税等で歳入を図る一方、歳出面では社会保障費の圧縮など、国民への負担増加、反福祉的な色彩が強い。
 1、介護保険料再三の引き上げが年金受給者の生活を既に圧迫
 介護保険料は、年金受給対象となる65歳以上に対しても、2000年―2002年の月額2,911円(加重平均)から2012年―14年の月額4,972円と78%もの増加となっており、年額で59,664円にも達している。2015年から介護保険料は更に引き上げられており、自治体や個人所得等によっても差があるが、65歳以上の住民税非課税者で月額5,780円、年額69,360円、住民税課税者では月額6,358円、年額76,296円以上にも達している。
 国民年金受給額(満額の場合)は、月額65,008円、年額780,096円であるので、介護保険料は国民年金受給月額のほぼ1か月分にもなる。
 自・公連立政権の下で、2014年6月18日に医療と介護制度を一体で改正する「地域医療・介護推進法」が成立し、基本的に利用者の「負担増・給付縮小」を強いるものとなっている。介護保険料については、年金給付の際天引きされる形となっており、事実上の年金給付額の引き下げとなっている上に、更に自己負担が倍となるので、年金給付額の実質的な引き下げになっている。比喩的に言えば、その他の固定報酬を得ていない国民年金受給者にとっては、1か月間飲まず食わずで生活しろと言っているようなものである。
 7月1日、走行中の東海道新幹線の車内で東京都杉並区在住の林崎春生容疑者(71歳)が石油を撒き焼身自殺し、多数の死傷者を出した。同容疑者は周囲に年金の受給額にたびたび不満を漏らし、‘生活できない’と話していたと伝えられている。このような身勝手で卑劣、凶悪な犯罪は決して許されるべきではないが、最近の老齢独居者の自殺や孤独死が生活苦などからであることも事実であり、老齢者の年金や介護保険を含む健康保険などの福祉の在り方を改めて見直して見る必要がありそうだ。
そもそも福祉とは、相対的に所得に恵まれている者が恵まれていないもの、或いは、定年等により所得が入らなくなる者に対して一定の所得の再配分を行うことを主な目的としている。そういうことからすると、退職年齢となり年金に頼る65歳以上の者から、受益者だからとは言え、年金の1か月分にも相当する介護保険料を徴収することは酷であり、反福祉と言えよう。
 基本的には、65歳になるまでの就労期間中に徴収するか、或いは年金給付額を相当分引き上げることが望まれる。そして65歳以上の者については、その他の固定報酬がない者については国民年金の半月分以下とし、例えば年収300万円以上の固定報酬を得ている者については、累進的に加算するような制度設計が望ましい。反福祉政策により固定報酬を得ていない年金受給者の生活を圧迫することは、福祉の理念そのものを理解しない失政と言われても仕方がない。
 もっとも財政が厳しく、政府、行政府・立法府各部が一丸となって実質的な節減、緊縮措置を実施しているのであれば、お互いに我慢することも仕方がないことであろう。ところが、現自・公連立政権は、国民に2重にも3重にも税負担や福祉減額を強いる一方、議員報酬や公務員給与は事実上の引き上げ、また定員削減なども手つかずのままで、極楽トンボどころか、反福祉、国民窮乏化政策を取っているかのようだ。

 2、増税、福祉切りに終わろうとしている「社会保障と税制の一体改革」 (その2に掲載)
(2015.7.31.)(All Rights Reserved.)

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