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シリーズ平成の「変」-雇用保険への国庫負担廃止の「変」

2008-05-16 | Weblog
シリーズ平成の「変」-雇用保険への国庫負担廃止の「変」
 5月9日、額賀財務大臣は記者会見において、厚生労働省の所管となっている「雇
用保険」(旧失業保険)について、国庫負担分の1,600億円相当を廃止する意向を示唆したと伝えられている。
 雇用保険は、サラリーマン等の被雇用者が失業した際に一定期間収入を保証す
ると共に、再就職の斡旋等を行うもので、保険料は給与から義務的に徴収される
が、それに国庫の負担を加えた「社会保障制度」である。
 廃止の理由は、保険料等を管理する「労働保険特別会計雇用勘定」の積み立て
金残高が4.9兆円(08年度予算)に達しているのに対し、年間の支出は1.7兆円
であるので、被雇用者の保険料支払い分だけで賄えるということである。
「雇用保険」は、政府の一部負担の下での「社会保障制度」である以上、資金が潤沢であれば、保険料を支出以上に取り過ぎているということであり、まず保険料率を引き下げ、負担者に還元すべきであろう。
 「変」である。年金失政に加え、介護保険の負担に上乗せされた「後期高齢者」医
療保険が問題となり、福祉の後退が見られる中で、更に「雇用保険」からの国の撤退話である。「雇用保険」からの国の撤退は社会福祉の放棄にも等しい。
一方で、自・公政権は、ガソリン税「暫定税率」などを更に10年にも亘り継続することを再可決し、09年度より一般財源化するとしつつも、「必要な道路は造る」
として、今後10年間財源を道路に特定する法案を衆議院でそのまま再可決する方
針だ。要するに、一般財源化されても、道路建設の必要性は確認されていると主張
する意向と取れる。法律は一度採択されると義務となる。
社会福祉は放棄し、道路建設などは特別扱いするのは「変」である。
 道路特定財源関連法案を再可決する執念があるのであれば、その執念を政府調達
の適性化、談合や関連団体への随意契約の排除、自宅送迎用の公用車の全廃その他
の無駄や浪費を排除すると共に、すべての特別勘定やNHKを含む公共料金を再点
検し、無駄の排除や余剰金、土地などを国に返納させることにより、国民の今後の
負担を軽減しつつ、財政資源の再配分を検討すべきではないのだろうか。
 雇用保険を運用する雇用・能力開発機構は、1999年10月に雇用促進事業団から
衣替えしたが、雇用促進事業団は雇用保険資金から膨大な資金を各種の立派な研修
施設や保養所建設等につぎ込み、衣替えに際し、経営難等から廉価で払い下げてい
た前歴がある。道路特定財源などと類似する事例だが、年金基金についても膨大な
施設建設に使われており、社会保険庁が日本年金機構に衣替えする機会に同様の処
理がなされ、浪費や無駄が責任の所在と共に忘れ去られて行くのであろうか。
 「変」である。(08.05.)
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