9月26日、身近な遺跡―瀬名川遺跡の現場見学会が行われました。
中吉田瀬名線の建設工事に先立ち、8月下旬から瀬名川遺跡の発掘調査が行われています。瀬名川遺跡は、弥生時代中期後半の大型掘立柱建物と大量の土器・木製品・石製品・金属製品を伴う集落跡と、その廃絶後に広がる水田跡、鎌倉時代の掘立柱建物とともに多くの銅銭、呪符木簡を含む木製品が発見されています。
なお、今回調査対象としている鎌倉時代には、鎌倉幕府の駅路制に伴い、宿駅である「瀬名川宿」が置かれていたようです。
さて、今回の調査では、ピット63個、土坑10基、溝8条、ほかに杭が33本確認されました。このうち、調査区北西側の北東から南西にかけての4本の柱跡からは、角材が腐ることなく発見されました。
柱同士の間隔は2~2.5mで、方向等が平成9年度に北側の調査区で見つかった掘立柱建物とよく似ていることが分かります。
また、調査区西側では、南北方向の溝が6条、東西方向の溝が1条、いずれも非常に浅い溝が見つかりました。
出土遺物は、東遺産の山茶碗・片口、常滑産の甕、輸入陶磁器の達弁碗、黒漆の椀などで、いずれも13世紀から14世紀ころのものと考えられます。
また、今回調査区内から、合計4枚の銅銭が出土しています。
今回の調査区では、掘立柱建物が発見され、道路の南側まで建物が続くことが分かりました。また、調査区中央の東西方向の溝から南側で遺構がほとんどなくなるという様子も確認することが出来ました。そして、これらの遺構は13世記~14世紀ころのものであることがわかりました。