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YUKON

無数に分岐しふたたびひとつに戻っていく、ユーコン川の流れのように…

美味しかったバナナ

2008-11-07 | インド旅行記
インドを一人で旅していたとき、ある時体調を崩して何も食べれず、病み上がりに初めて口にした一本のバナナが感動的に美味しくて、食べ物のありがたさをひしひしと感じた。

っていう話を、同じくインドを一人旅したことのある友達に話したら、彼も病み上がりにバナナを食べて大感動したらしく、バナナの話でかなり意気投合した(笑)



で、そこから、今日本での自分たちはどうかっていう話になった。


今、正直、あんなに感動的に美味しいと思って食べることはほとんどない。

それより何より、日本にいるとインドにいるような危機感が、ない。


インドはうかうかしていたら普通に物をとられるし、食べ物に気を抜いたらすぐお腹を壊す。
そして、単独旅行はやっぱり、危険が隣り合わせの状態でもある。


だから、いつも感覚を研ぎ澄ませていたような気がする。
安全についても、自分の健康や心の持ち方も、気を緩めないように。

でも、今は違う。
やっぱり日本はとても安全だから。
しかも、保証や保険など、何か自分に不都合があったときのフォロー体制がしっかりしている。
だから、問題の原因や責任を、自分の外側へと求めていくような体質に、日本全体がなっていってると思う。

そんな中で、何かの危機に対する自分のセンサーが、かなり鈍くなっていると感じる。

実際、自分の感覚が違う。
インドにいたときは、何か思わずとも、自分がどうするべきかが自然と分かるようになっていた。
今は何も食べないほうがいい、この場所はちょっと避けたほうがいい。
いつどこに行こう、今これをしよう。
その勘みたいなものに従うと、不思議なくらい物事がスムーズに運んでいくので驚いた。

そんなことが、今はよく分からない。
分からないというか、あまり危機を感じないから、どうすべきかなんてあまり真剣に考えないのだ。

でも、ほんとにそうなのかな?
友達と話していていきついた結論としては、インドも日本も一緒、っていうことだった。

彼曰く、研ぎ澄ませて見える世界は違う、と。
お腹を空かせて食べるごはんは美味しい、と^^。


それにしても、あの感動的なバナナの美味しさ、もう一度味わってみたい

思いがけずマドゥライに滞在 の巻

2008-08-28 | インド旅行記
久しぶりのインド日記です。
もう2ヶ月くらい経つから、インドで書いていた日記を読み返しました。
写真はその、インドで買った日記用ノートです。
ずっと持ち歩いていたからぼろぼろです。

マドゥライという、南インドの内陸部にある町を訪れたことを書こうと思います。
この町には滞在する予定はなかったのだけれど、後から考えるとマドゥライでの滞在は本当にいい思い出となって、訪れてよかったなと思います。

ポンディチェリーから2時間ローカルバスに揺られヴィルナプラムという駅へ。
さらにそこから電車に揺られること6時間、マドゥライに到着しました。
そして、すぐにコーチンに向けての夜行列車に乗るつもりだったのですが、そこでちょっとつまづいてしまいました。
駅のカウンターでチケットが欲しいと言うと、駅員さんがしかめっ面で何か言うのです。
ここでは買えないようなことを言っていたと思うのですが、何を言っているのか分からなかったので聞き直すと、「だから○○って言ってんだよ!」みたいな感じで怒鳴られました。
普段ならここで食い下がって解かるまでしつこく聞くのですが、病み上がりで(例のポンディチェリーの件で)まだ弱っていたのもあって、その一言でわずかに残っていた気力が完全になえてしまいました。
で、とにかく休もうと思い、その日の電車は諦めてマドゥライで一泊することに。

とぼとぼと駅から歩いて出ると、穏やかそうなリクシャワラ(三輪車夫)がニコニコしながら近づいてきて「乗っていきますか」と声をかけてきてくれたので、彼にお願いして近くの宿に連れて行ってもらいました。
そして着いたホテルのカウンターで久々の日本人からできるだけ稼ぎたいホテルマンと負けずに値段交渉をしているうちに、なぜかだんだんと元気になってきました(笑)
せっかく滞在するならいろいろ見てまわろうと思うほど気力も復活して、先ほどのリクシャワラにお願いして、マドゥライの街並みをまわってみることにしました。
そのリクシャワラは素朴でとてもいい人で、ミーナークシー寺院という大きな寺院で迷子になったら探して迎えに来てくれたり、バナナを買って食べさせてくれたり、楽器屋さんで一緒に遊んだりと、商売というより友達と遊んでいるような感覚で、一緒にいろいろなところに行くのを楽しんでいるみたいでした。

次の日、朝早く道端を散歩し、露店でチャイを一杯。
周りで一服しているおじさんたちが、気さくに話しかけてきます。
「君は日本人?」
「そうですよ~」
「コニチワ、コニチワ、サヨナラ」
と、日本を友好的に思っていることを伝えたいから、自分の知っている限りの日本語を並べて一生懸命になってくれるのを見ると、嬉しくなります。
中には仲良くなるふりをしてだまそうとする人もいるみたいですが。
「ドングリコロコロ、ドングリコーロコロ!」
「(笑)よく知ってますね~!」
こんな何気ないコミュニケーションが、一番楽しいことだったりして。

どこからかマントラが聞こえてくるので、きょろきょろしていると、道端にいたおじさんが「プージャ(礼拝)やってるから行ってみたら?」と教えてくれて、行ってみると小さい小屋で6~7人くらいでプージャをしていました。
中の人は私に気づくと、「入っておいで」と手招きしてくれ、一緒にお祈りさせてもらい、おでこに赤いしるしもつけてもらいました。
プージャが終わると、ここでも陽気なインド人たちと会話が弾み、盛り上がる。
すっかり仲良くなってしまい「ごはんも食べていきなさい!」と引き止められましたが、もうバスの時間まであまりなかったのでお断りしました。
マドゥライの人たちはみんな素朴で陽気な人たちで、一緒にいると楽しくって、ちょっと名残惜しく思いながらバス停へ。

バス停までは、例のリクシャワラにお願いしていました。
つい昨日出会ったばっかりなのに、すごく仲良くなってしまって、別れるときに「サチエ、サチエ」と何度も名残惜しそうにしてくれました。
会って間もない、言葉もあまり通じない、そしてもう二度と会わないかもしれない。
そんな人とこんなに仲良くなれるんだな。
そして惜しみなく親切にしてくれた。
バスに揺られながら「一期一会」という言葉を思い浮かべていました。

バンガロールの中心で後悔を叫ぶ(心の中で) の巻

2008-08-12 | インド旅行記
インド旅行中、いつも本当にいろんな人に助けてもらいました。
困ったとき、見てみぬふりをせず、どこまでも親切にしてくれる、そんなインド人が多かったです。
中にはこんなにしてもらっていいの?ってくらい、良くしてもらって、感謝してもしきれないこともありました。
でも、そのほとんどの人へは恩返しすることもできず、二度と会うことさえ出来ない・・・。
だから、いつもできるだけ身をゆだねることにしていました。
どういうことかというと、していただくときにはただただ感謝をしてありがたくいただく。
そして逆に、他の誰かが困っているときには自分のできることをする。
「欲しい、欲しい」と寄ってくる人には快く差し出す。
お金やものにしても、何かの行為にしても、そうするようにしていました。

旅の計画を立てるときも、同じです。
今日一日一人でのんびりしていてもいい。
長距離バスに乗って、まだ見ぬ風景の中に飛び込んで行ったっていい。
街に出かけて、道行く人をずーっと眺めていたって、いい。
無限にある選択肢の中から、どの道を選ぶか。
それを決めるのは、突き詰めていけば、自分がどう在りたいのかっていう問題にぶち当たる。
そして、事の流れと、ご縁と、それと自分の「こうしたい」っていう気持ちとカンみたいなものと。
それらが合わさると一つの道が見えてくる、決めたら迷わずゴー!
どの道が正解、とかは決してない。
よかったかどうかは、後で自分が決めればいいんだしね。

ひとり旅っていうのは、ダイレクトに自分の心のあり方が旅の展開に反映すると感じます。
その意味では、かなりシビアに感じていたし、そのことはいつも意識していました。
時にはちょっぴり不安になったり、思うように行かないことがあってガクンとしたりすることも、ある。
けどそれをひきずらない、ひきずったらその心の状態からでしか物事を捉えることができない。
特に外国で現地の人たちは、こちらがどれだけ心を開いているかを、言葉が通じない分とても敏感に感じ取って反応していると思います。

そんな風にして旅をしているうちに、目に映る風景や出来事が新鮮で、刺激的な毎日を送る反面、心の中はどんどんシンプルになっていった気がします。
楽しい旅にするかどうかは自分の責任、限界を作ってしまうのも自分次第。
本当は日本で暮らしていてもそうなんですが、それをまざまざと見せ付けられる。
その中で、

  何があっても全部受け入れよう、決して卑屈にならないようにしよう
  日々出会う人たちや風景が愛しい、笑顔でいよう
  楽しいなぁ、楽しいなぁ、ほんっとに楽しいなぁ

そんなことを毎日毎日思っていました。





・・・あれ?

今日は、上のタイトルでバンガロールでの出来事を書こうと思っていたのですが、書き始めたら全然違うこと書いちゃった。

まいっか。

タイトルに期待して呼んで下さった方、ごめんなさいね。
変なタイトルですが、これはまた後日に書こうと思います。
読んでくださって、ありがとうございました

マナリそしてチベットへ の巻

2008-08-11 | インド旅行記
ひき続き、インド日記更新です。

・・・インドに滞在していた中の2週間は、ヨーガ・ニケタンのヨーガ修行に同行させてもらっていました。
デリーから北へ北へと移動してマナリのアーシュラムを経て、さらに北上していきます。
上の写真は、チベット方面へ向かう途中でのものです。
実は高校生のときに“seven years in tibet”っていう映画を見てからというもの、チベットに強烈に憧れていました。
そしてその風景の中に、今まさにいるんだと、感動。

こちらは、マナリのマーケット。
ちらほらとラマ僧の姿も見かけます。
人々の顔立ちも、目鼻立ちのはっきりして肌も黒い“インド!”って感じではなく、私たちに親しみのあるような風貌の人が増えてきます。



マナリから、ジープに乗ってさらに北上。
羊飼いと羊さんたちを横目に見ながら、ロータン峠を目指します。



一歩間違えば、崖にまっさかさまの道を、ひたすら進む。



標高4000m以上ある、ロータン峠。
別名「死者の峠」とも呼ばれています。
この山を降りるともうチベット、というところです。



「標高が高いところは、それだけで何か神聖さを持っている」
と、いつかよく山を登る方が言っておられたのですが、そうなのかもしれません。
壮大さの中にちっぽけな人間が立ち尽くしているのでした。


ところで・・・。
この近くの残雪地帯は、富裕層のインド人観光客でごった返していました。
カチカチの質のわるーい雪の上でのスキー、ほんとに滑れんの?
でも彼ら、雪を見れるだけで嬉しそう。
大人も子供もめっちゃはしゃいでいました。
想像以上に雪への憧れが強いようです。

そういえばインドで国産映画を結構見たけど、その中でシュチュエーションとは全く関係のない雪山に突然場面が変わり、そこで男と女のカップルが仲良く踊るっていうシーンがなぜかたくさんあったんだよね。
願望が分かり易くて、そこがなんかかわいくって、すごい笑えました。
それだけインドの人は雪にロマンを感じるのか・・・?


  ※写真提供…北インドで一緒だったRちゃん

忘れられないチャイの味 の巻

2008-08-09 | インド旅行記
昨日の食べ物に引き続き・・・

インド旅行中、チャイを本当によく飲みました。
チャイは、ミルクの入った甘~いインドの紅茶で、ティータイムといったらチャイ、お宅へ訪問するとチャイ、とにかくチャイっていうくらい、ポピュラーな飲み物です。
チャイの屋台はどこにでもあって、エスプレッソくらいの小さいコップ一杯で大体5Rs(約15円)です。

ある暑い昼間、街のはずれを歩いていたときのこと。
喉が渇いたし、チャイが飲みたいなぁと思っていると、道端にチャイ売りの女性がいました。
チャイ屋さんは男の人がやってることが多いんだけど珍しく女の人で嬉しくて、そこでいただくことに。
そして、普通チャイ屋さんには人(男の人が多い)が群がってて、いつもその人たちの視線を浴びながら飲むんだけど、そこには誰もおらず、それも嬉しかった。
チャイ売りの女性は優しそうなお母さんって感じで、私の注文を聞くとにこにこしながらガスに火をつけて、丁寧に、でも手際よく、一杯のチャイを作ってくれました。
そして出来上がると、飲むときに私が熱くないように、コップを二つ重ねて渡してくれました。
私がチャイを飲む間、お母さんは側で静かに、何をするでもなく、私の飲み終わるのを待っていました。
「ごちそうさまでした」
コップを返すと、お母さんはとっても優しい笑顔で微笑みかけてくれました。

優しい味のお母さんのチャイ、美味しかったなぁ。
インドで一番美味しかったものは?
って聞かれると、あのときのチャイを思い出すかもしれません。

ところで、日本に帰ってびっくりしたことがひとつ。
自分でチャイを作ってみると、いくら砂糖を入れても、あのインドで飲んだ甘さにならない。
ってことは、ものすごい砂糖が入っていたんだなあのチャイ。
どんだけー!(古っ)
そして何時の間にか、紅茶は甘くないと気がすまなくなっていた私。
慣れとは怖いですねぇ・・・

インドの食事情 の巻

2008-08-08 | インド旅行記
忘れた頃に・・・今日はインド旅行記を久々に更新です。
今回はインドの食べ物のことについて、書こうと思います。

私がインドにすっかりハマってしまった理由の一つに、食べ物があります。
美味しい、そしてとてもバラエティ豊か。
どこに行っても安くておいしい食堂、豊富な果物。
ベジタリアンが多いインドですが、肉や魚や卵を使わずにこれだけたくさんの料理が作れるのかと、びっくりしました。
お腹を壊してやつれるどころか、逆にちょっと太って帰ってきちゃったことは、言うまでもありません


北インドでは一般的なミールス“ターリー”。
インド式食べ方は、この小皿をいったん全部外に置き、中のご飯やカレーを下の大皿に入れ、自分の好きなように配合(?)して食べます。インドでは左手は不浄と考えられているので、右の手だけで食べます。
ナンも右手だけで器用にちぎって食べてました。



こちらは南インドの素朴な蒸しパン“イドゥリー”。
サンバルというスパイシーなカレーか、ココナツミルクのカレーで食べることが多いみたいです。
ラマナ・アシュラムでの朝ごはんはいつもイドゥリーとカレー、その上から大さじ1ぱいくらいの黒砂糖をかけてくれてました。



南インドでは、よくバナナの葉っぱをお皿代わりにして食べていました。



街を歩いていると何処にでもある量り売りのお菓子屋さん。
ココナツやナッツ、乳製品なんかから作られた甘~いスウィーツがずらり。
店を選べばとても美味しくて、ハマってしまいました。



インドの人は、ものすごい量を食べます。
大盛りのごはんをもくもくと・・・。

一人で移動していたときは、地元の人が通うような食堂によく行っていました。
1人前は、例によって日本の2人前くらいあるかと思います。
一食20Rs~40Rs、日本円で言うと100円未満~150円くらいの値段で、お腹いっぱいになることができます。
そんな中、ケララ州フォートコーチン地区のある大衆食堂にて。
厨房の中の白いタンクトップのおじちゃんが、それは慣れた手つきで料理しているのをずっと見ているのが楽しくって、その土地に滞在している間は3食そこで食べていました。
席に座ると、いつもの太った給仕のおじさんが水の入ったコップとメニューを持ってきてくれます。
注文をすると、給仕さんはいつものようにしかめっ面のまま頷きもせず厨房へ。
そして間もなく料理を持ってきて、どーんと私の前に置いてくれる。
のんびりしているようでもお客さんのことをよーく見ていて、しばらく食べていると、カレーのバケツをどーんと机の上に置いて、おかわりをついでくれる。

ある時、その食堂でビリヤニを注文しました。
ビリヤニとは、インド風ピラフって感じの料理です。
するとお茶碗3杯くらいの大盛りがどーんと出てきました。
食べても食べても無くならず、最後の方は少し意地になってもくもくと食べ、やっと完食してふと見上げると、レジのお兄さんが心なしか嬉しそうにこちらを見てました。


道端の屋台。
手前の真ん中は“プーリー”っていうあげパンです。
出来たて、作り手が見える家庭料理。
あったかさが伝わってきて、それも美味しい理由の一つなんでしょうね。



写真提供・・・旅行中ばったり出逢ったRちゃんと、北インドで一緒だったRちゃん

マハーバリプラムの世界遺産へ の巻

2008-07-17 | インド旅行記
(マハーバリプラムの海岸寺院)

今回の記事はなんと、写真付きです。
というのは、ラマナ・アシュラムで私以外唯一日本人の方がおられ、ここマハーバリプラムへの訪問をご一緒させてもらい、その上帰国後にデータまでいただいたのです。
なので、この記事ではその方(ここではSさんと呼ばせてもらいます)の写真を何枚か使わせてもらうことにします。
先日載せたラマナ・アシュラムの記事にも、いただいた画像をいくつかアップしました。

ラマナ・アシュラムで数日間滞在したある朝、Sさんに“今日これからマハーバリプラムに行くのですが、もしよかったらどうぞ”と誘っていただき、アーシュラムでの滞在を繰り上げて同行させていただくことにしました。

ラマナ・アシュラムからマハーバリプラムまで約200km。
普通ならバスで行くくらいの距離ですが、なんとその道をリクシャで行きました。
「一度、リクシャで長距離を爆走してみたかったんですよ」とSさん。
南インドののんびりとした田舎風景を見ながら約4時間。
私もリクシャでそんなに長距離を走るのは初体験で、楽しく貴重な体験ができました。

約200kmの運転をがんばってくれたリクシャワラ(三輪車夫)
彼自身もあんなに長い距離を走るのは初めてだったのでは?(笑)


マハーバリプラムに着くと、まずはベンガル湾を臨む海岸に建っている世界遺産にも登録されている海岸寺院(一番上の写真)へ。
8世紀初頭に作られたそうです。


そしてその後、すぐ側のビーチへ。
海に行くと子供も大人もはしゃいじゃうのは、日本もインドも同じですね(笑)




そして、「アルジュナの苦行」と題された彫刻。
アルジュナは、インドの聖典“マハーバーラタ”に登場する英雄です。
写真ではあまりわかりませんが、この岩、ものすごいスケール。



クリシュナのバターボール。
坂の途中で、巨大な丸い岩が止まっている・・・。
見ればみるほど、不思議で奇妙な岩です。



そして、遺跡から眺めた夕日。
もう、言葉はなにも要りません。



おわり次回の巻に続く・・・。
(Sさん、本当にありがとうございました

インド的健康生活の巻

2008-07-15 | インド旅行記
今日は午前中、自宅から徒歩15分くらいのところにある緑地公園に散歩に行ってきました。
公園内は、健康づくりのため運動に来ている人たちでいっぱいでした。

インドでもこれは同じで、健康に対する意識が高まりつつある様子です。
目ざましい経済成長を遂げているインドでは、富裕層のメタボリック・シンドロームの増加や生活習慣病の問題が、深刻化しつつあるそうなんです。
確かに、都市部では肥満体型の人も多いです。
逆に、バスなんかで都市部から田舎に向かうと、見える人々の体型がだんだんと細くなっていくのが、面白いほどにわかります。

・・・インドのIT大都市と言われているバンガロールの市街地に、二日間ほど滞在していたときのこと。
実は、前々から大都市に滞在したら、行ってみたいところがあったのです。
それは、早朝の公園。

バンガロールの中心地に、クボン公園というとても大きな公園があります。
朝6時に行くと、公園はすでに人々でいっぱい。
まず目に入ったのは、100人くらいの大集団でマラソンをしている中年男性のグループ。
他にも各自でウォーキングやジョギングをしている人多数。
そして、芝生の方に行くと、人々が思い思いの場所でストレッチやヨーガのアーサナ(ポーズ)や呼吸法、瞑想なんかをしています。
ヨーガをしている人が多いっていうのは、さすがインドですね。
普通の人が普通にヨーガのいろんな技法を知っていて、やっているんです。

中には日本でも最近注目されている「笑いのヨーガ」のグループも。
わーっはっはっはぁー!わーっはっはっはー!
と、輪になって手を上げ、ひたすら大声で笑い続けている光景は、見ている方もおかしくいつの間にか噴出して笑顔になっちゃいました。
仲間に入れてもらおうと近くまで行ったところで終わってしまったので、参加できませんでしたが。

皆さん、あの後それぞれお仕事に向かったのでしょう。


夕方のクボン公園は、また一味ちがいます。
公園内の森の中に入っていくと、もうそこが都会の中心にあることなんか忘れてしまいそうなくらい、静かです。
リスもちょろちょろ走り回ってる。
そんな中で、人々がベンチに座ってくつろいでいます。
毎日大都会の喧騒の中で平気で生きているように見えていたインド人たちが、リラックスや癒しを求めて自然の中に来る、その繊細さ(と言えばいいのかな?)が少し意外で、インドのまた違った一面を見た気がしました。

人々は静かなひと時を過ごした後、公園から一歩外に出ると、またものすごい人ごみとクラクション、そして鼻の中が一日で真っ黒になるくらいの排気ガスの中に、悠々とした足取りで戻っていくのでありました。

ラマナ・アシュラムを訪れるの巻

2008-07-12 | インド旅行記
ひと目見ただけで、その人を好きになってしまうこと、ありますか?
インドで何度かそんな体験をしましたが、この人との出会いは特別でした。
(あっ、恋に落ちるとか、そういう感情とは別ですよ)

この方は、シュリ・ラマナ・マハルシという方で、近代インドの偉大な賢者です。
この写真をひと目見てとても惹かれ、また知人に勧められて、彼の創始したアーシュラム(僧院)を訪れることにしました。
そして、この方との出会い(もう亡くなっていますが)は、私が今回インドに訪れた中でも特別貴重な、深い感動のある経験となりました。

バンガロールからローカルバスに揺られること5時間、ラマナ・アシュラムは南インドのティルバナマライという静かな田舎町に建っています。
ビジターはアーシュラムの敷地内に建っている宿泊施設に泊まらせてもらいます。
3度の食事も、食堂に行くとバナナの葉っぱの上に給仕さんたちがよそってくれ、参拝者もスタッフも一緒に食べます。
マハルシは、生前から全ての生き物に対等に接することに関してはとても厳しく、アーシュラムにやってきた人が一人でもみんなと同じような食べ物が与えられないと、決して自分も口にすることはない人でした。
マハルシが亡くなった今でも、多くの帰依者や賛同者が彼の意志を継いで、アーシュラムを経営しています。

アーシュラムの敷地内


滞在中は、毎日決まった時間に行われるチャンティング(詠唱)やプージャ(礼拝)に参加したり、マハルシの肖像画が置かれている瞑想ホールで瞑想したり、売店で売られていたマハルシの伝記を読んだりして過ごしていました。
喉が渇くとアーシュラムの門前のココナツ売りのお兄さんの所に行って、10Rs(約30円)払えば、お兄さんがナタで器用にココナツに穴を開けてココナツジュースを飲ませてくれて、飲み終わると割ってプルプルのココナツの実を食べさせてくれました。
アーシュラムはとても静かで平穏な雰囲気であふれ、クジャクや犬や牛もその中でのんびりと過ごしています。
人々もとても親切に声をかけてくれ、すっかり居心地よくなってしまいました。

クジャクの鳴き声はとても可愛いです


訪問者のサドゥ(修行僧)の中には時々、ちょっと只者ではない(?)雰囲気を漂わせている人がいます。
朝の4時ぐらいに瞑想ホールに行くと、薄暗い部屋の中ではすでに何人かのサドゥ達が瞑想していました。
その部屋の隅の一段と暗いところに、ある一人のサドゥが座って瞑想していました。
その人は微動だにせず、呼吸をしているのかどうかもわからず、とても静かに座っていましたが、なんだかものすごい何かがその人から発せられているのを感じて、あまり見つめてはいけないと思いながらも、ずっとその人を見ていたい衝動にかられ、ちらちら、ちらりと何べんも見てしまいました。
さすがインド・・・


アーシュラムで托鉢をしているサドゥー


マハルシの話に戻りますが、伝記や記録などを読んでいくにつれ、彼の愛情深さ、多くの人たちに慕われた人間性など、写真を初めてみたときよりも深い感動を感じました。
「インドは行くところではなく、呼ばれるところ」というどこかで聞いた言葉を思い出し、自分がインドに来てここを訪れていることの必然性を感じずにはいられませんでした。



ラマナ・アシュラム(HPはこちら

『SRI RAMANAASHRAMAM』
 TIRUVANNAMALAI-606 603.
Phone:237292,237200(STD:04175)
 Fax:91-4175 237491
e-mail:ashram@sriramanamaharshi.org


※ ここで使用している画像(ラマナ・マハリシ以外)は、
  アーシュラムで同じく滞在していたSさんからいただいたものです。

ポンディチェリーで寝込むの巻

2008-07-11 | インド旅行記
私はお腹は強いみたいで、インドでお腹を下すようなことはありませんでしたが、3週間経ったあたりで、一度だけ動けなくなって寝込んだことがありました。

それは南インドのタミル・ナドゥ州、ポンディチェリーに滞在していた時。
ポンディチェリーはフランス領だった名残で、インドとは思えぬ整然とした、おしゃれな雰囲気の漂っている街です。
インドの偉大な精神指導者であるシュリ・オーロビンド師が創始した有名なアーシュラムがあり、ビジターは近くのゲストハウスに一泊100Rs(約300円)で泊まれるので、そこに何日か滞在しました。
そして周りには緑の美しい政府広場、ベンガル湾を臨むのんびりとしたビーチがあり、朝に夕に散歩したり、他の土地とは一風変わった可愛い小物が売ってあるショップを見て回ったり、インド旅行の中休み的な実にのんびりとした日々を送っていたのです。

そんなある日の夕方、気分が悪く、体が火照ってだるくなり、頭も痛くなってきて、ベッドに倒れこんだきり起き上がれなくなりました。
不安がよぎるのに「大丈夫、大丈夫」と言い聞かせていると、ふと、インドに来て自分の体をひとつも思いやってなかったなぁと、急に申し訳ない気持ちになりました。
慣れない気候、食事、毎日のようにしていた移動、そして緊張など、相当の負担を知らず知らずのうちにかけていたのだと思います。
そのことに反省しながら、日本の地で私の帰りを待っている人たちを思いながら、気がついたら泣きつかれて寝ていました。

それから36時間、何も食べずただ、ひたすら寝ました。
部屋の外に出て誰かに助けを求めることすらしんどくてできず、やっと立ち上がれるようになって買って飲んだミネラルウォーターのおいしかったこと。

その後はみるみる回復し、発症後3日も経つと元気ぴんぴんになりました。
でもあのときはさすがに、日本に帰りたいと思いました。

あれから、自分の体のことをよく考えるようになったと思います。
今までは、ちょっと体がしんどいかもって時にでも、元気な時と同じことをしようとして体にムチ打っていた気がします。
そんな体の状態にさせた自分の不摂生については、棚に上げておいて。

余談ですが、大学時代に作って持ち歩いていた大好きなアフリカ人形につけた“たみる”っていう名前は、なぜかこのタミル・ナドゥ州から名前をとったのです。
その頃はインドのこと全然興味もなかったし、しかもアフリカ人形なのに何故か。
でもまさか数年後にその土地に行くことになるとはね


滞在していたゲストハウス (HPはこちら

『New Guest House』
 64, Rue Romain Rolland,
 Pondicherry - 605001
 Phone: +91413 2221553 / 2233634
 Email: newgh@sriaurobindoashram.org
 Working Hours: 6.30 am - 10 pm

インドの魅力

2008-07-08 | インド旅行記
今日の夕方は、日中のどうしようもないような蒸した感じが消えて、とても涼しい風が吹いていました。
好きな時間は夜明け前と、この夕方の時間です。
昼から夜に、微妙に空気が変わる時間がある気がして、その時間とても、心が静かになります。

そんな夕方、久しぶりにバッハを聴いていると、「そうそう、これよね」とほっとしました。
というのは、インドでCDを大量に買って帰ってきていまして、昨日までそればかり聴いていたのです。
きっと、インドに行く前の自分が聞いたら、訳わからないとか怪しいとか、そんな風に思っていたに違いない。
西洋音楽にはありえない音階、和音進行です。
でも今は、そんなインドの曲を聴いていて涙が出てくるほど感動することもあるから不思議。
感動というより、なんだかとても懐かしいような気持ちになるのはなぜ?
でも、一度夫のいるところでかなりコアなインド音楽を聴いていたら、彼は不審そうに(心配そうに)していたので、インドのCDは一人の時に聴くことに(笑)
逆の立場だったら、確かに不審がられるのもおかしくないからね。

さて、インドに行って一週間もしないうちに、予期せずしてすっかりインドの魅力に取り付かれてしまいました。
でも、“インド”とひとくくりにしてしまっても、実際に触れるのは、それぞれの人生を背負ったリアルな一人の人間。
その人間の生活に触れ、時間を共有し、その人のことを愛しいと思ったとき、その人の住んでいるインドという国、風景、音楽、食べ物、服装などを、もっと知りたいと思わずにはいられません。
人が生きている。
その中には必ず、生命力、美しさ、魅力、そういうものを感じさせられるし、その部分にどうしようもなく惹かれてしまいます。

正直なところ、ヨーガを始めるまで、あまりインドに興味があったわけではありませんでした。
彫りの深い顔立ち、色彩、宗教・・・すべてが、どこか自分には関係のない、遠い世界のように感じられていました。
だけど、インドを知るにつれて、自分と同じように喜怒哀楽をもって日々を生活している人々を知って、心のどこかで不可解だと思っていたものが、全て親しむべき、大切にするべき、理解しようと近づいていくべきものに変わっていくのを感じていました。
普段から「理解できない」と思ったり排他的になったりはしないようにしているつもりではいたけど、今回改めて、目に映る全てのものに対して、そういう姿勢でありたい、と思ったのでありました。

ということで、例外なくインドのごはんにも完全にハマッてしまいました。
食材&スパイスをいくらか買ってきたのを使って、彼の「今晩は辛いものが食べたい」というリクエストもあり、晩ごはんはインドのごはんを作ってみます
要するにカレーですね。
インドには本当にいろんなマサラ(スパイス)があって、調合によっていろんな味の料理ができるのですが、マサラ文化のない日本に育った者にとっては、それら全てが「カレー」に思えるんです・・・。

インドから帰ってきました

2008-07-06 | インド旅行記
昨日の晩、インドから無事に帰ってきました。
5週間、おなかを壊すこともなく元気に旅することができました。

写真は、一人旅についてきてくれたおさるのパパルくん
結構インド人にも人気でした。

後半2週間ちょっとはフリーだったので、バンガロールにおとなしくとどまって勉強でもしていようと思っていたのですが、ティルバナマライ・ポンディチェリー・カーンチープラム・マドゥライ・ムナール・コーチンと、気がつけば南インドの東海岸から西海岸まで横断の旅をして、アーシュラム(僧院)や遺跡・寺院めぐり、そしてアーユルヴェーダの講習まで受けてくることができました。

日本に帰ってきてまず思ったことは「静か!」
インドは本当に賑やか、クラクション、人の声、動物の鳴き声、どこからか爆音で聞こえてくるマントラ・・・。
一人で旅していても、そこらじゅうから感じる遠慮のない視線、シャイなようでも一度話しかけるとフレンドリーでどこまでも親身(時におせっかい)な愛すべき人たちのおかげで、さびしくなることはほとんどありませんでした。
そして、食べ物、宗教、服装、アート、すべてインドは独特で、知れば知るほど奥が深くって、なんだか離れられなくなっちゃうような国です。
一年前の今頃は、インドに行くなんて思ってもいなかったのに、不思議。

また、インド日記をぼちぼち更新しようと思います。
帰る2日前、リクシャー(タクシー感覚で乗るインドの自動三輪車)にデジカメを置き忘れたまま持っていかれちゃったのでそれまでたくさん撮っていた写真が全く無く、見た風景が残っているのは私の心の中だけなんだけどね。

今日は久しぶりに納豆とお味噌汁を食べて、幸せな気分

インドへ

2008-05-30 | インド旅行記
明日、インドへ発ちます。
帰ってくるのは、7月5日です。

まずはジャイプールにある、はるちゃんの友達のインド人ファミリーの家へ。
そしてデリーでヨーガのツアーと合流してリシュケーシュやマナーリーで修行。
後半は南下してバンガロールに滞在し、アーユルヴェーダの体験やヨーガ療法施設の見学など、本場のヨーガを体験してくる予定です。

・・・よく言われていることによると、どんなインドを見るかは、その人次第なのだそうです。
そのくらい、いろんな価値観、多様な生活水準が凝縮されている国なのだそうです。

大切にしてきた自分の価値観なんて、なんのことなしに吹き飛ばされてしまいそうで、そんなことも含めて、楽しんできたいと思います。

そして、今回の旅はまず、安全と健康を第一にしたいと思います。
↑これは、前回痛く反省したできごとがあるものでね・・・

さぁ、どんなインドが、待っているのかな。
どきどきわくわく、どきどき・・・
頂いた養父神社のお守りを持って、行ってきます