今日は久しぶりの雨で、なんとなく気持ちがほっとした感じ。雨が好きなわけじゃないけれど、日差しも穏やかで、少しだけ楽でした~。
さてさて、ただいま、甲状腺ホルモン不応症の鑑別について、お勉強中です♪
特定疾患の研究者が書いた診断と治療に関する報告に、甲状腺ホルモン不応症の診断を確定するために確認する、他の病気の可能性がいくつかリストされていました。
●甲状腺ホルモン高値
TBG増多症
異常アルブミン
抗T3抗体
抗T4抗体
●TSH高値
ヒト抗TSH自己抗体
ヒト抗マウスIgG抗体(HAMA)
まずは、甲状腺機能正常で、甲状腺ホルモン高値という場合について。
TBG増多症、異常アルブミン症は、血液のなかで、甲状腺ホルモンを運ぶタンパク質がうまく機能しない病気です。甲状腺ホルモンは、
・サイキロキシン結合性グロブリン(TBG)
・サイロキシン結合プレアルブミン(TBPAか、トランスサイレチン(TTR))
・アルブミン
の、3つのたんぱく質と結合して、血中を循環します。
循環している状態では、T4の99.97%、T3の99.7%はこういうたんぱく質と結合している状態でいるのです。ごくわずかのたんぱく質から離れているものだけが、フリーの甲状腺ホルモン=遊離甲状腺ホルモン(FT4,FT3)として、活動するそうです。
甲状腺ホルモンを運ぶタンパク質のうち、TBGは、特に、血中で循環しているT4、T3の70%を運んでいます。ほとんどがこれです。
ホルモンの10-15%、特にT4をTBPAが、残りの10-15%をアルブミンが運ぶそうです。
こういう甲状腺ホルモンを運ぶタンパク質に異常がある場合、血中に甲状腺ホルモンがあるのに、うまく機能しない状態が起きることがあります。甲状腺ホルモン不応症と同じ症状が出るわけです。
どのくらいの頻度かというと、白人の罹患率は、0.08-.017%という報告がありました。『世界がもし100人の村だったら』では30人が白人でしたから、60億人の30%の0.08%というと、14.4万人になりますか。
ヒスパニック(スペイン)系の人には、意外にたくさんの報告があります。アジア系には少なくて、日本や中国での報告も幾例かあるようです。アフリカ系の報告は、まだないようです。
(報告患者数は、1995年の段階で29人まで見つけられました。)
治療が必要な例は少ないようですが、甲状腺ホルモンへの抵抗性の症状がある場合は、それに対する治療を行うことになるようです。
抗T3抗体、抗T4抗体は、文字通り、甲状腺ホルモンT3やT4への抗体で、甲状腺ホルモンの測定に干渉して、正しい値が見えにくかったり、作用自体もじゃまをすることがあるようです。
たしか、抗T4抗体は、保険適応がない検査なので、大学病院のような研究機関でないと、なかなか検査できないかもしれませんし、抗T3、抗T4抗体の影響を受けない甲状腺ホルモンの測定方法も開発されたので、最近は、あんまり気にしないようではあります…。
ヒト抗TSH自己抗体がある場合は、TSHが見かけ上、高いような測定結果が出ることがあるのですが、こちらも、標識TSHを用いない測定法が出てきて、あんまり影響がないようです。
ヒト抗マウスIgG抗体(HAMA)は、昔のマウスで培養した質の悪いワクチンを打ったとかいう場合にできる抗体だとか言われますが、このHAMAがあると、TSHが実際の値より、高めに測定されて、抑制されていないように見えるそうです。
こういう可能性を打消し、打消し、やっぱり甲状腺ホルモン不応症っぽいね、という結論が出て行くわけなのでした。わたしの場合は、この鑑別のステップはクリアされているように見えるのですが、なんとなく甲状腺ホルモン不応症では説明できない症状があるんですよね。よく聞いてみなくちゃ♪
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甲状腺の病気って、バセドウ病や橋本病以外にもいろいろあるのね~と思ったらクリックを♪
さてさて、ただいま、甲状腺ホルモン不応症の鑑別について、お勉強中です♪
特定疾患の研究者が書いた診断と治療に関する報告に、甲状腺ホルモン不応症の診断を確定するために確認する、他の病気の可能性がいくつかリストされていました。
●甲状腺ホルモン高値
TBG増多症
異常アルブミン
抗T3抗体
抗T4抗体
●TSH高値
ヒト抗TSH自己抗体
ヒト抗マウスIgG抗体(HAMA)
まずは、甲状腺機能正常で、甲状腺ホルモン高値という場合について。
TBG増多症、異常アルブミン症は、血液のなかで、甲状腺ホルモンを運ぶタンパク質がうまく機能しない病気です。甲状腺ホルモンは、
・サイキロキシン結合性グロブリン(TBG)
・サイロキシン結合プレアルブミン(TBPAか、トランスサイレチン(TTR))
・アルブミン
の、3つのたんぱく質と結合して、血中を循環します。
循環している状態では、T4の99.97%、T3の99.7%はこういうたんぱく質と結合している状態でいるのです。ごくわずかのたんぱく質から離れているものだけが、フリーの甲状腺ホルモン=遊離甲状腺ホルモン(FT4,FT3)として、活動するそうです。
甲状腺ホルモンを運ぶタンパク質のうち、TBGは、特に、血中で循環しているT4、T3の70%を運んでいます。ほとんどがこれです。
ホルモンの10-15%、特にT4をTBPAが、残りの10-15%をアルブミンが運ぶそうです。
こういう甲状腺ホルモンを運ぶタンパク質に異常がある場合、血中に甲状腺ホルモンがあるのに、うまく機能しない状態が起きることがあります。甲状腺ホルモン不応症と同じ症状が出るわけです。
どのくらいの頻度かというと、白人の罹患率は、0.08-.017%という報告がありました。『世界がもし100人の村だったら』では30人が白人でしたから、60億人の30%の0.08%というと、14.4万人になりますか。
ヒスパニック(スペイン)系の人には、意外にたくさんの報告があります。アジア系には少なくて、日本や中国での報告も幾例かあるようです。アフリカ系の報告は、まだないようです。
(報告患者数は、1995年の段階で29人まで見つけられました。)
治療が必要な例は少ないようですが、甲状腺ホルモンへの抵抗性の症状がある場合は、それに対する治療を行うことになるようです。
抗T3抗体、抗T4抗体は、文字通り、甲状腺ホルモンT3やT4への抗体で、甲状腺ホルモンの測定に干渉して、正しい値が見えにくかったり、作用自体もじゃまをすることがあるようです。
たしか、抗T4抗体は、保険適応がない検査なので、大学病院のような研究機関でないと、なかなか検査できないかもしれませんし、抗T3、抗T4抗体の影響を受けない甲状腺ホルモンの測定方法も開発されたので、最近は、あんまり気にしないようではあります…。
ヒト抗TSH自己抗体がある場合は、TSHが見かけ上、高いような測定結果が出ることがあるのですが、こちらも、標識TSHを用いない測定法が出てきて、あんまり影響がないようです。
ヒト抗マウスIgG抗体(HAMA)は、昔のマウスで培養した質の悪いワクチンを打ったとかいう場合にできる抗体だとか言われますが、このHAMAがあると、TSHが実際の値より、高めに測定されて、抑制されていないように見えるそうです。
こういう可能性を打消し、打消し、やっぱり甲状腺ホルモン不応症っぽいね、という結論が出て行くわけなのでした。わたしの場合は、この鑑別のステップはクリアされているように見えるのですが、なんとなく甲状腺ホルモン不応症では説明できない症状があるんですよね。よく聞いてみなくちゃ♪

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