ただの考察好き

ただ考えるの好きです

近年の異世界ものを見て思う事

2023-02-23 13:09:11 | 日記
異世界ものの作品ばかりが昨今並び、既に一般化して久しい。既に飽和状態だろう。

異世界作品は太古から存在する。童話や昔話でも、異世界に迷いこむといった作品は世界中に、しかも無数に存在する。しかしそのいずれも。
住みたいと思えるような居心地の良い世界ではなく。「おかしな世界」といった描写が主流で。

作品の内容も、迷い込んだ主人公たちに、何がしかの試練を与え、気づきをさせる為の仕掛け、として異世界が存在した。

なので近年でそれに近い作品はと言えば「千と千尋の神隠し」だろう。

しかし近年の異世界ものは全く様相が異なっていて。
「自分に与えられた才能でマウント取りまくるための世界」だ。

現世への失望。認められたい渇望。現世ではやりたい事が何もできないから。生まれ変わりたいという中身ばかりだ。

こういう作品が支持されるのは「何をしても無駄。現世は何も変わらない」といった現実に、現代人が疲れきっている証だろう。それに対して自慰のために用意されるのが
現代の異世界ものだ。

だから。いつかは必ず飽きられるコンテンツであり
別のムーブメントが発生すれば瞬殺で消え去り忘れられるコンテンツでもある。

私はこういった作品群が悪いとは一切思わない。
そもそも。「人に良い影響を与え、育てる義務」をエンターテイメントに求めるという事が、そもそも夢想だという事だ。

確かに数千年の長きに渡って語り継がれる、人の中に残り続ける、人類史にその名を残し続けたいのなら。
説教臭い作品を書くべきだ。人に気づきを与え、成長を促す作品を心掛けるべきだろう。

だけど現代の人が、どれだけそれを求めるだろうか?毎日、色んなコンテンツや仕事で説教はくらっているのだ。
求めなくても「教えよう」というのが現代で。
しかも、そのどれもが「何だか正しいようで、しかしどれも正解とは言い難いもの」ばかり。

下手をすれば、記事で記者までも説教をしてくる。こうしてブログや動画配信でも説教を垂れ流される。

うんざりだ、が大体の人の心境だろう。
どこを見ても説教ばかりだ。だから今更、宗教などオワコンに等しい。
わざわざ説教などされなくても。
ネットを開くだけで一方的な説教は溢れすぎている。

だからせめて。エンタメは説教を忘れて、自慰を提供して欲しいと考えても、それは当然の事だ。
しかし故に忘れられやすいという現実も、当然べったりと貼りつくというだけで。

世界は明日もずっと「何だか正しいような説教」に満ち満ちている。色んな説法に満ち溢れ、戸惑うのに一生を使い果たせるほどだ。
説教し過ぎなのである。

だから現代人は思考が停滞しがちになる。考えなくても、正しそうな教えはそこらにあるから、それに従いさえすれば良い。

今すべきは、説教し過ぎなんだよと業界が気づき、控える事だろう。
異世界よりも、説教が飽和している。

こんな世界にうんざりするから
今、異世界に逃げ込みたい人が多いのだ。

コメントを投稿