ただの考察好き

ただ考えるの好きです

それでも

2023-06-12 03:44:47 | 日記
「昼顔」という邦画がある。不倫を題材にした大ヒットTVドラマの劇場版だ。

私はこの映画を見た時に、劇中で過激な言動をとる、劇中では不倫された側の奥さんに感情移入してしまう。気持ちが凄くわかる。
主人公である、不倫をする男女のほうは、経験値がないので、どうにも共感し辛い。ああいう事があった事もないし、ああいった状況も身に覚えがないからだ。

振り返れば、何とも破滅だけを避けてきたような人生だった。劇中の不倫男女のように、個人の幸福だとか、考えてこられなかった。そんな余裕なんか全くなかった。

いつ。何の拍子に。人生って奴は全てぶち壊される可能性を常にはらむ。毒親を持つとこういった思想に囚われる。
だから自分の手で守り通さなくてはならない、と。自分の意思で。自分の人生を切り開いていかなくてはならない、と。

世界はいつでも自分を打ち壊そうと待ち構えている、と。

なので劇中の不倫男女のような、個人の幸福感の追求だとか。そんな余裕なんか一切ない。幸福以前の問題だった。
毒親を持つと。「世界とは不幸そのものであり、自分を潰そうとする猛悪のもの」そう感じてしまう。

自分を守り通すはずの親と言う存在が。
自分と言う「我が子」の存在を、憂さ晴らしの対象、ペットとしか見ていないという事実が。
そういった認識を被害を受ける子の心に根深く「世界とは不幸」と植え付ける。

どこを触っても破滅そのものなのだと。

52年。敵も居ないのに。必死に防衛線を張っていた。

だから映画「昼顔」では不倫された奥さんの気持ち以外わからない。
奥さんが不倫して離婚した過去を持つ、店のオーナーの言動もわからない。裏切られて悔しいのはわかる。
しかし、その事と不倫男女への攻撃する理由への紐づけが、私の中で出来ない。

好いた相手に、実は男が居て。しかもその男とは不倫関係であり、愉快そうだから?

私も過去に交際していた彼女が居て。その彼女の浮気、しかも不倫、更にその男の子供を妊娠といった事があった。
だから劇中のオーナーの気持ちは半分、よくわかる。何十年も刻まれる傷だ。

だけど何十年と過ごすうちに分かる、世界の無残さに。諦めも覚えてくる。
こんなに傷ついても。世界は何の関係もない。自分とは無関係に歯車は回り続ける。
どんなに傷ついても。恨んでも。憎んでもだ。

世界が味方だなんて。これっぽっちも信じられないから。

結論は「自衛」
傷ついたのなら

「どうでも良いと切り離せ」

そういう意識の徹底だ。気持ちが壊れる前に。心が壊れる前に。
「どうでも良いと切り離せ」

私の妻も。
不倫していたか、または現在進行形なのか。

それはわからないし、知ろうともしない。

たぶん、していた事は間違いない。不倫はしていたのだろう。今もそうかも知れない。

結婚しても全くセックスを求めなった妻が。
ある時期、それをしない事を突然、私に責め立てて。数回だけ身体を許した時。

我が子を突然、妊娠した。突然、セックスを求めて怒る時期が2年ほどあった後。

パタリとそれは止み。
元に戻って。
以降、私は一度も女性を抱いていない。

たぶん、あの時期に不倫していて。
避妊してもらえない事が続いたのだろう。

だから。
「それがどうした?」と思ってしまう。

我が子のDNAが父親が全く別でも。
背丈も肩幅も全く違っても。
似ていなくても。

それでも、我が子は我が子だ。間違いなく愛した子だ。何も変わらない。

妻が現在進行形で関係を続けていたとしても。

私には見せない笑顔をその男の前で見せていても
「だからどうした?」と。

そう考えられる。辛さが耐えきれなくなれば。

自分がさっさと死ねば良い。死ねば何も考えなくて良くなる。
死ぬのは逃げだと言われるが。「だからどうした?」
「お前が俺の惨めな半生を、今更どうにかしてくれるのか?」
「何も出来ない癖に」
「偉そうな文面を勉強したからと」
「傷ついた人間に、偉そうな顔で押し付けて回るのホント止めろ」
「それでお前の不細工な理知は満足するのかも知れないが」

だから。私が劇中のオーナーであれば。女性を自分から「切り離す」と思うのだ。攻撃などしない。結婚しているわけでもなければ、好意を向けられているわけでもない。守るべき対象でも何でもないから。

攻撃する理由がない。
私があのオーナーの立場で、あの不倫女性に「不倫を止めたいけど止められない、助けて」をすがられて尚。
不倫相手と幸福そうにされたら、それは「なんてだらしのない!真面目に話を聞いて損をした!」と怒るし説教するが。でも結論は同じ。「断ち切る」

だから。あの映画でわかるのは。不倫された奥さんの気持ちと涙だけで。
攻撃性はよくわからない。

執着するほどの甲斐性も、稼ぎもない男なのに。

そして妻はしきりに

不倫した女性に感情移入するようで。

劇中の奥さんを物凄く怖がっていた。ああ、そうか。向こうも怖い奥さんが居るのか。

だから妻と関係を持ったのかも知れない。切れないのだろう。
「私の妻より理解してくれるし、優しい」とか?

いや。優しいんじゃない。それは優しさじゃない。どうでも良いのだと思う。

今までの文面で、きっと人は私を「誠実」だとか。
「裏切らない人だ」とか。
「優しい」だの。テンプレを貼り付けて語るのかも知れないが。

実際のところ。
こんな世界に何も期待などしていないし

する価値なんか、感じさせてもらえた事はない。
それだけの事だ。

死ぬ気でやれば
世界と自分の心は切り離せる。

そして。
死なせてもらえないから。

死ぬ気で世界を切り離せば良い。
死なないから。
やる価値はある。

愛だとか幸福だとか。数値化もできず定量化もできない、あるのかないのかも分からないものの為に。
誰かを傷つけるのなら。
世界を心から切り離せば良い。

人は愛がなくても生きられる。飯と水さえあれば。

だから無人島で何年も生きて生還可能なのだ。
誰に愛されなくても。孤独でも。
生き抜く気持ちと。
生存可能な環境さえあれば。

愛とは種の繁栄と存続の為に必要な大義名分であり。
それ以上でも。それ以下でもない。