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ブルターニュ紀行 23 < ペンマーク岬 > で またまた教会三昧

2021-03-24 00:23:50 | 素晴らしき世界/フランス/ブルターニュ
巻頭写真 : ペンマーク岬の三世代の『エクミュルト灯台』

荒海と信仰とケルト文化と古代巨石文明と
フランスにあってフランスではない異世界を訪れよう
23


ポアント・デュ・ラまで伸びる「シズン半島」の南東部の根元は
『Pointe de Penmarc'h ペンマーク岬』

Photo by @GoogleMap

左の最先端が「ラ岬」
右下に小さな丸みをもった出っ張りが『Pointe de penmarc'h ペンマーク岬』
そこを起点に
例によって例のごときブルターニュの珠玉の小教会や礼拝堂が集中する

南から北へと訪れて行こう


地図を拡大すれば
先端の南岸に『Kerity ケリティ』が見つかればそこに
『Eglise Sainte-Thumette de Penmarc'h ペンマークの聖テュメット教会』
がある

『Eglise Sainte-Thumette 聖テュメット教会』

ここもこの角度から見ると
身廊に対して北の片側だけの側廊だと思える


少しずれると3身廊形式(身廊プラス両側に側廊)のようにも見えるが


やはり側廊は片側だけ

それとは別に正面扉口(ポルタイユ)の上に鐘楼を建てるはずだったのが
基礎部分だけ造った段階で中断してしまっているのはわかる


鐘楼は
崩壊したのか工事続行を中断したままなのか




後陣


次に
巻頭写真の岬のすぐ北側
「Penmarch」から左の海岸に
『Chapelle Notre-Dame de la Joie 法悦の聖母礼拝堂』

『Chapelle N.D.de la Joie』

鐘楼が何やら複雑な形をしている










マーメイドが艶めかしい












西に引き返して『Penmarc'h』の東側あたりに
『Chapelle Saint-Nonna 聖ノンナ礼拝堂 』






無骨でゴツい鐘楼


正面にもポルタイユがあるが
通常はこの鐘楼の塔の横のポルシュから入る





装飾の少ないブルターニュの教会だが
ここのレリーフは興味深いものがある









福音書の巻物を拡げて掲げる天使


そのまま北に登って「Plomeur」の上あたりに
『Chapelle Notre-Dame de Tronoën トロノーエンの聖母礼拝堂』
ここのカルヴェールは凄いんです

『Chapelle Notre-Dame de Tronoën』

まず教会堂本体について何が変わっているかというと
そう
お分かりですよね
鐘楼が本体の真ん中に立ち上がっている
普通は西側正面扉口の上
または
正面の扉口の並びの横
でなければ
十字架型の交差部
さもなければ
後陣(十字架の頭)の横

なのにこれ


このように後陣の後方から見れば正面に立っているように見えますが
そうではない
もう一度見てみよう



カルヴェールを見なければ

西側正面をやや斜めから



上段左端は総督ピラトの裁きの場
上段右は十字架の道行き
下段左は生まれたイエスの初めての教会(まだユダヤ教の)にあがるお宮参り
下段中央はヨハネによるイエスの洗礼

東側正面

最上段
中央十字架の足元は「ピエタ」

上段左
地獄を訪れ怪物の口から出てくる亡者どもに祝福を与えるイエス
その上には聖骸布を掲げる聖ヴェロニカ

上段中央
イエスと会うマグダラのマリア

下段左端
最後の晩餐の後弟子達の足を洗うイエス

南側正面
下段右は最後の晩餐

北側正面上段
左端は神の子を宿したマリアが叔母エリザベート訪問
次はイエスの降誕で
左に牛と鶏
その横に眠り込むヨハネ



中央が産褥にあるマリアと既に足元にはイエス




マリアは乳房を出していることで
既に幼子が誕生していることを暗示している

右の三人は東方三賢人





そのまた北に『Chapelle Saint-Evy 聖エヴィ礼拝堂』


この礼拝堂は
湿地帯の中で緑に包まれるようにして穏やかに立っている




十字架型の横木が頭の位置にある「T字型」の特殊な形


内部は新しい
屋根の骨組みも作り直されて
壁の傷みも全て補修され昔の彫像が飾られている








まるで忘れ去られたかのような場所に
しっかりと忘れられずに存在している健気な礼拝堂です


そのもう一つ北にこれまた可憐な廃墟が残る
プロヴァン村の『Chapelle de Languidou ランギドゥの礼拝堂』

13世紀半ば「ロマネスク」様式の中で
先日ご紹介した「ポン・クロワ」の「ロスキュドンの聖母教会」と並んで
『ポン・クロワ派』主鏡建築様式の傑作に位置を争う教会建築と言われている


13世紀半ばに修道院が建設され
14世紀と15世紀に修復を受け
革命で破壊され
修道院聖堂だけがこの形で残った







この「バラ窓」の縁取りは実に素晴らしい



全国に数多いゴシックの大聖堂のバラ窓は
削りやすい全体の構造とともに「石灰岩」や「砂岩」であることが多いが
ここはブルターニュ
硬い玄武岩をくりぬいて作るのは時間と技術ともに大変だっただろう








『Penmarc'h ペンマナック』自体は
鰯漁で栄える漁港『port de saint-Guénolé サン・ゲノレ港』があって
鰯その他魚の缶詰工場もある


道路沿いにはこんなものも




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旅行に関しては以下のサイトもどうぞ
https://veritas21.com  『こんな旅がしてみたい 誰も真似のできない旅のプランナー』

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