行ってみませんか... こんな 素敵な世界へ

好奇心旺盛な長年の体験で、行って、見て、食べて、泊まった素敵な世界を、皆んなにちょっぴりお裾分け...

地中海の『美の島』コルシカ島 30 < 山間の村々 続き > ヴァランコ湾周辺 から 島の首都アアジャクシオ へのルート 4

2021-10-29 00:14:24 | 素晴らしき世界/コルシカ島
巻頭写真 : ウルバラコヌ村の聖ミカエル教会と司祭館

地中海からいきなりそびえ立つ高山「コルシカ島」は
海の国で山の国
地球創生期の野生の自然が多く残る故に「美の島」と呼ばれてきた



先回の「コノッコーリ・モンティエッキ」から国道の方へ(東側へ)戻った辺りに
『ウルバラコヌ』というまた小さな村

『Urbalacònu / Urbalacone』

教会はユニークな二つで一つみたいに見える


実は鐘楼のある方が「司祭館」



手前が「聖ミカエル教会」で破風の上に小さな十字架があるだけで鐘楼はない
起源は12世紀だが完全に作り変えられてしまっている


しかし
奥には後陣が張り出している


もともと小さな集落なので民家の数も限られ
全てが「ヴィエイユ・ピエール(古い石)」の群れ


古い(ヴィエイユ)だが外壁は完璧に修復されている




山肌にあるので集落内も上下の高度差はかなりある



この家は廃屋かと思ったが窓が開いており中に住人がいることがわかる
現役の家のようだ



こちらは現役ではなさそう
露出した大岩が基礎と外壁の一部に使われている


フォンテーヌ(水場)もちゃんと現役



さすがに共同パン焼き窯はすでに現役ではないようだ



村の墓地の敷地に外れに古い礼拝堂がある
『聖洗礼者ヨハネ礼拝堂』

『Cappela San Giovanni Batista』

正面ファサード

後部の外陣



外陣を内部側から見ると当然祭壇のある後陣となる





「洗礼者聖ヨハネ」

これまでにご紹介してきた村々にも3〜4階建くらいの背の高い四角い建物があったが
それは敵襲の際に村人が逃げ込んで防御できるための主要な施設で
「メゾン・フォルト(防御屋敷)」と呼ばれる

Maison Forte

最上部には
足元まで攻め寄せた的に上から石弾などを投げ落として反撃するための
「石落とし(水平狭間)」が備わっている



コルシカ南部の山間部には温泉が結構あるが
ここ「ウルバラクゥ」も小規模な温泉がある


とっても素朴な露天風呂

20世紀になって最南端「ボニファッチュ」と島首都「アジャクシオ」間に
国道が整備された時の「ウルバラコン温泉場」という標識板が
入口の壁に残っていた


「アジャクシオ」ままで40kmとの表示がある


 ※  ※

「ウルバラクゥ」から真北に2kmほどに『アルビトレッチア』という集落



『Albitreccia』

道路の村の入口の部分に小さな祠があり
木製の十字架が立っている



これまで記述していなかったが
この地方の山間部の村々にはどこかに「十字架」が建てられている
木製だったり鉄製だったりする



『Eglise Sainte-Catherine d'Albitreccia』

『聖カタリナ教会』は村の規模に比べると大き目



固有名詞ではなく「教会」と呼ばれている



ヴィエイユ・ピエールも情緒たっぷり
フォンテーヌもしっかり残っている




※  ※

上で見てきた「アルビトレッチア」から国道を挟んだ東側には
『カルド・トルジア』の集落
先回ご紹介した「ジッリアーラ」のすぐ北です


『Cardu è Turghjà / Cardo-Torgia』

この写真の左端の四角い建物がこの集落の「メゾン・フォルト」のようだ





右の壁面の上奥の角に「石落とし」が見られる

この集落にも教会はあるが
むしろ外れにある礼拝堂が重要『豊かさの礼拝堂』



『Capella Fructueux』



国の重文の対象としての保護指示が出されている




そして海岸ではないにもかかわらずジェノヴァ時代の塔もあるのです



この塔はレストラン経営者に有効活用されていて
店のシンボルになっている


この村の周囲は山また山

※  ※

さらに2kmほど北側に「タラヴォ川」の源流の一部の渓谷に沿っていくつか
興味深い村々がある
まず中心となる『サンタ・マリア・シッシェ』を訪れてみよう


『Santa Maria Siché』

これまでの村よりは開けているが写真で見ても空間的にも理解できる
村の名前になった教会『サンタ・マリア』も大きく新しい


『Ghjesgia di Santa Maria / Eglise Sante-Marie de l'Assomption』





しかし
実は同名のもっと古い教会があった


『Capella Santa Lucia / Chapelle Sante-Lucie』

『サント・リュシー礼拝堂』という名で呼ばれるこの半分廃墟の礼拝堂が
かつては「サンタ・マリア・アッスンタ教会」だったのです


鐘楼が薄い馬蹄形の壁のようで本体部の屋根はなくなっている



この形の鐘楼はこの辺りの他の村の教会にも見られるが
鐘を固定した鉄の棒が左右に固定されて3段くらいあったものと思われる
この村は人口もそこそこ多く規模も広いので
礼拝堂は15くらいある



「Fontaine」

フォンテーヌ(水場)も作り変えられてまっさら
それより
この村は「(シッシェの)サンタ・マリア」つまり「聖母」という名前なので
見晴らしのいいところに人口の洞窟様のもにおが作られており
聖母像が安置されていて「マドンナ」と名付けられている



この他にも街中にもう一体の別の「マドンナ」もいらっしゃる




※  ※

この「サンタ・マリア・シッシェ」の村の北側に隣接して
『カンポ』という村がある



『Campu / Campo』

この村に『聖ラレンズ教会』があって特徴ある屋根の鐘楼がある
フランス語で言うと「サン・ローラン教会」となる



『Ghjesgia San Larenzu / Eglise Saint-Laurent』





村の中の様子はというと



通り抜ける県道の様子はコルシカ中どこも全く同じで
山側に家並みがあり谷側は空間
幹線道路の裏道は



こんなだったり



こんなだったりして



「ヴィエイユ・ピエール(
古い石=古民家の家並み)」だらけで



この村のフォンテーヌはこんな感じ



では
いよいよ次回からは県道は
島全体の主邑『アジャクシオ』に向かって山国から海へと下って行きます
=  =  =  =  =  =  =  =  =  =  =  =  =  =
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地中海の『美の島』コルシカ島 29 < ジッリアーラの新旧の教会と コノッコーリのゴーストタウン > ヴァランコ湾周辺 から 島の首都アアジャクシオ へのルート 3

2021-10-27 00:26:19 | 素晴らしき世界/コルシカ島
巻頭写真 : ジッリアーラの『新教会』

地中海からいきなりそびえ立つ高山「コルシカ島」は
海の国で山の国
地球創生期の野生の自然が多く残る故に「美の島」と呼ばれてきた



先回ご紹介した「マカ・クローセ」の北に4kmほどで
「ジッリアーラ」という村がある

『Zigliara』

コルシカの何処にいってもある有り触れた山村
村の高い位置から周囲を見回すと



周り中山また山
こんな光景しか目に入らない山国

そんな村に「新旧」二つの教会がある
まず新しい方から見ていこう
その名も「新しい聖堂」と味も素っ気もない

『Chjesa Nova』


誰が見ても


何処から見ても


何時見ても


どうもても廃墟


なぜなら
島がジェノヴァの支配から離れてフランスに帰属し革命も終わって落ち着いた頃に
島で教会を立て直すラッシュがあった19世紀半ば


この村でもその動きに負けじと1864年に新教会の建設に着工したが



様々の理由で工事が遅れ
今日に至る迄ついに完成を見ないままになっている
だから
完成した際に特定の聖人に捧げる「献堂式」を行っていないので
「聖ペトロ教会」でも「聖フランシス教会」でも「聖母教会」でもなく
名前はない
ただ「新しい教会」と呼ばれる廃墟



地元の村人たちは未だに完成を夢見ているようで
「コルシカのサグラダ・ファミリア」だと自虐的に呼んでいる

次に古い方の教会
『ジッリアーラの教区教会』

『Eglise Paroissiale de Zigliara』


右側に張り出した南の翼廊の外壁に
「1678年5月16日」と建立の日時が刻まれている


こちらの教会はかねてより
他のどこの教会とも同じように村の中心的存在であるがゆえに

立派な鐘楼もあって



結構遠くからでもいろんな角度から見える


しかしこれも
特定の名前で呼ばれているわけではなく
以前はちゃんと守護聖人の名前が付いていたはずだが
いつしか「村の(教区)教会」と呼ばれるようになって今日に至っている

主祭壇

内部は天井が白い漆喰で壁がベージュのオーカーが塗られている

祭壇から扉口を振り返る

扉口に向かって右の角にあるとんがり覆いのついた洗礼水盤がいい感じ


覆いが素朴ながら素敵な意匠だ

翼廊の礼拝用祭壇上部


祭壇

さらに別の礼拝祭壇もあって


祭壇中央に片膝をついた子供の天使像が愛らしい

聖櫃

典礼で使われる「聖パン」を収める金張りの櫃が
鄙にも稀な見事さだった

「新しい教会」は中断して放置された廃墟だが
古い方の「村の教会」は国の文化財に指定されている

小さな村とはいえ
中心部は歩くほどにタイムスリップした感覚に襲われる
「ヴィエイユ・ピエール(古い石)」
の家並みが実に良い











しかし周辺は実のにのどかな田舎の雰囲気





 ※  ※

「ジッリアーラ」から国道を挟んだ西側に直線距離で5kmほどのところにある村が興味深い
『コノッコーリ・モンティエッキ』
「コノッコーリ」村は三つの村の合併でできた村で
それに加えて
さらに「モンティエッキ」という廃村の部分が一緒になって命名されている

『Cognocoli-Monticchi』中心部遠景

村の中は「ヴィエイユ・ピエール(古い石)」と呼ばれる家並みが情緒たっぷり







そして「Fontaine(水場)」がいくつも残る

Fontaine 1

同 ディテール

Fontaine 2

同 ディテール


Fontaine 3

教会もご紹介しておこう
『聖ニコラ教会』

  『Ghjesgia San Niculà』


同 外陣

そして件の「ゴースト・タウン」である「旧モンティエッキ集落跡」だが


廃村になった旧モンティエッキ村の入り口



実は数十年前初めてコルシカ島を訪れた時
山間を抜けて走る県道で村を抜けるとやがて道路の山側にも谷側にも
石造りの結構立派な家が1km起きくらいに現れて
全部廃屋だったことに驚いた経験がある

今は日本も限界集落などが話題となり廃村は珍しくないようだが
当時の私にはショックだった


後に雑誌の記事を見つけたのだが
集落を離れると一軒家では水道設備がなく
(何しろ山間の一軒家なので電気が来ていない家も結構あったとか)
背後の山の中の水のある場所まで毎日汲みに行かねばならず
人口の老化と共に生活が困難となって生まれ育った家を捨てて去る住人が
多くいるのだとか









実は教会もあった



外観は綺麗なままだが

内部は廃墟

そして一軒だけ人が住んでいるらしき家があった



右の家は廃墟だが
左の家は白く綺麗に塗られているし窓にはガラスも嵌っている


「Village abandonné 打ち捨てられた村」の番人なのだろうか

間道沿いに点在する一軒家の廃屋は珍しくないが
集落ごと全部が廃村になってしまっているのはそれほど頻繁にあるものではない

このルートの項は続きます
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地中海の『美の島』コルシカ島 28 < 古刹で名高い ファヴァレッロ と マカ・クローチ > ヴァランコ湾周辺 から 島の首都アアジャクシオ へのルート 2

2021-10-25 00:48:14 | 素晴らしき世界/コルシカ島
巻頭写真 : ファヴァレッロの「昇天の聖母教会」のフレスコの一部

地中海からいきなりそびえ立つ高山「コルシカ島」は
海の国で山の国
地球創生期の野生の自然が多く残る故に「美の島」と呼ばれてきた



先回の「フィリトーザ遺跡」から『タラヴォー川』を挟んで西側に
『ファヴァレッロ』という小村があり


Map by ⒸCorsica-geographic_map-fr


『Favallelo』

その村にロマネスク時代の古刹がある
『被昇天の聖母教会』

『Capella Santa Maria Assunta / Chapelle Sainte-Marie de l'Assomption』

正面


南側側面


後陣

西側正面扉口

南側側面扉口


祭壇奥の後陣部のフレスコと
左奥にある礼拝堂のフレスコが国の重文
祭壇右に側面の扉口が開いている


祭壇前から振り返ると正面扉口


この教会のフレスコは15世紀のもの
コルシカには山里の小さな教会にこの種のフレスコが多々残っている





『聖ヤコブ』

『聖ペテロ』


『聖シモン』

『聖フィリッポス』


左右に『聖マタイと聖ヨハネ』を従えた「全能の神イエス」



『聖マルコ』

『聖ヨハネ』










村は山の斜面にへばりついて上下の高度差が結構ある



中心部は結構開けた感じもあるが


古の「フォンテーヌ(水場)」もしっかり残っている

※  ※

ではいよいよ「アジャクシオ」に向かって北上しよう
ヴァランコ湾の「プロプリアーノ」から島都「アジャクシオ」まで
山中を畝る国道196号線で65kmほど

その途中22km地点で国道を東側へ降りて山中の間道をうねうね進むと
『モセ・エ・クローチ』という村がありチャーミングな古刹がある

『Macà è Croci / Moca-Croce』

この村名は旧来あった「マカ村」と「クローチ村」が合併したことからきている


遠目にも教会の鐘楼が見える

『Santa Maria Assunta / Sainte-Marie de l'Assomption』

この村の教区教会『サンタ・マリア・アッスンタ(被昇天の聖母教会)』
村の一番高いところから村全体を見守っている





内部は天井や壁の部分的に描かれたフレスコで飾られているが
かなり傷んでいるのが残念なところ

後陣種祭壇を望む

主祭壇と四分の1円蓋


円蓋

身廊の天井



天井中央部の「聖母昇天図」



しかし上に記述した「チャーミング」な古い教会とはこれのことではない
もっと小さな礼拝堂『サンタ・マリア、言う所のアッバディア礼拝堂』の事

『Oratoire Santa-Maria Assunta di Cruscaglia / Ste-Marie de l'Assomption dite Abbadia』

10世紀後半に村近郊の字「アッバディア」に建てられた礼拝堂で
12世紀に今の位置に2km移設された
自然の中に立つ奥行き12mほどの小さな規模


正面ファサード

南側側面

鐘楼は前後から見ると塔に見えるが
側面から見ると平たい壁の様な造りになっている


外陣

外陣 真後ろより

鐘楼の下部が躯体の重量を支える控え壁の構造になっている




北側側面
こちら側の側面に予備の扉口がある


西側正面扉口

内部は白い

身廊より後陣の祭壇を望む


祭壇が置かれる後陣の半円形の突出部の上部の切妻壁に十字架の形の開口部がある

祭壇の位置から西側正面の方向を見る

扉口の左右に四角い小さな窓がある


壁の厚みの分だけ「壁龕」の様になっていて小物が置かれていた
石積みの壁全体を漆喰で白く固めてあるのは
創建期の10から12世紀という
形式上ヴィザンチン帝国に領有されていた時代的影響か

この「モカ・クローチェ」村にはもう一つ古い教会がある
『聖アンドレ教会』

『Eglise Saint-André』



村自体は実にのどかで時計が止まっているかのようだ

『Fontaine』

水場な現役で清水をたたえている
そして
家々も






フランス人達が好んで使う言葉「Vieilles pierres (英: Old stones 古い石)」とは
このような数世紀を経てきた石の家やその周りの石畳の小径などを指すのですが
まさに
実に美しい「古い石」であります

村を別の角度で外から見ると



こんな風なのどかな光景になる
この辺りには今回一番最初に記述した「タラヴォー川」が流れており
古くからの橋も架かっている



村を一歩出るとはるか山々が連なり



背後のてっぺんに村の名前の一部「クローチ(十字架)」が立っています

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地中海の『美の島』コルシカ島 27 < フィリトーザ遺跡 > ヴァランコ湾周辺 から 島の首都アアジャクシオ へのルート 1

2021-10-22 00:45:02 | 素晴らしき世界/コルシカ島
巻頭写真 : 『フィリトーザ』遺跡の彫刻されたメンヒル

地中海からいきなりそびえ立つ高山「コルシカ島」は
海の国で山の国
地球創生期の野生の自然が多く残る故に「美の島」と呼ばれてきた



「プロプリアーノ」と「ヴァランコ湾」
を離れて島の首都『アジャクシオ』へと北上しよう
国道196号線自体が曲がりくねった山国を縫ってゆくが
時折国道を降りて
もっと曲がるくねった細い間道を入って見ながら

まず
国道に入らず「プロプリアーノ」から北東へ5kmほど行くと
石器時代の石柱の経つ遺跡がある
『先史時代遺跡フィリトーザ』

Map by ⒸCorsica-geographic_map-fr

時は8000年前新石器時代
青銅器時代の遺跡が多いコルシカにあってこの種の遺跡として最も古いもので
彫刻の施されたメンヒルが立ち並ぶ
その集中度においてその時代としては世界的にも貴重なサイトとして知られている


このサイトの特徴は
彫刻メンヒルと風化されて露出する岩盤の作り出す奇岩との組み合わせ


そして


さらに既出の青銅器時代「トーレ人」の城塞型集合住居との
複合遺跡のサイトであること

サイトの入り口は結構チャラい感じがするが


中に「トーレ人武装集合住居群」跡からの発掘品が多少並んでいる



敷地に入るとすぐ振り返ると


入場券売り場兼展示場の屋根が見えて
向き直ると
自然の大岩の上に三体の小さめのメンヒルが並べてある


さらに石棺らしきものとメンヒルが石畳の通路上に置かれている




その先には枝葉の茂った古木の足元を過酷ように石が並んでいる



その後は広い敷地内を自由に歩き回って見て回る






































「カステッデュウ」(武装集合住居群)の一角にはたくさんのメンヒルが
無造作に並べられている




全景の遠望











自然な巨岩の露出も独特の光景









恐竜岩(勝手に命名)



このサイトは非常に広く且つ高低差が大きい



高い位置から周囲を見晴らすと
この土地の有り様が良く把握できる





アジャクシオへのルートは次回に続きます
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地中海の『美の島』コルシカ島 26 < ヴァランコ湾 の 素敵なホテル >

2021-10-20 00:35:21 | 素晴らしき世界/コルシカ島/ホテル
巻頭写真 : ヴァランコ湾岸のホテル「マリンカ」のテラス

地中海からいきなりそびえ立つ高山「コルシカ島」は
海の国で山の国
地球創生期の野生の自然が多く残る故に「美の島」と呼ばれてきた



「プロプリアーノ」を発つ前に「ヴァランコ湾岸」のホテルをご紹介しておきます
「プロプリアーノ」の北西に隣接する『オルメト村』の『オテル・マリンカ』


上から階段を降りて玄関に至る


レセプションとロビーは広々として光が溢れる開放感
それもそのはず


そのまま海を見下ろすテラスにつながっているのです



ウッドデッキのテラス


そしてこのテラスのもう一段下にレストランがある
このテラス自体の下部にあるのはこんな感じで


その外側に開閉式の屋根で囲われたテラスがあり



この写真は開閉部を全部閉めた状態
写真上部の白い三つのなだらかなアーチは
ロビーの横につながるバーラ・ウンジのウッドデッキの部分


「バー・ラウンジ」内部からオープンテラスと海を見下ろす


レストランを半開の状態でロビーのウッドデッキから見るとこう見える
全開にすると
さらに外側のオープンエアーのテラス席につながってゆく


可動式壁と屋根を全開に
外にやや低くなってオープンエアーのテラス席が見える



レストランのガラス張りテラスの覆いを一箇所だけ開けた状態
外のオープンエアー・テラスの右側はバー・ラウンジのテラス



レストランのオープンエアーのテラス席の下にも客室がある
上から海岸までのk方どさは結構大きくて
空間を有効に使った作りとなっている


レストランとその下の客室のある建物から更に下ると
プールが三つある


二つの変形プールの上にある方
これの下側に隣接してもう一つ



それを横から見る


その下側の変形プールの脇にはエステ施術用の東屋


この東屋にいたる手前に


休息スペースも


海岸線まで下る所に「レストラン・ド・プラージュ」
ビーチ・レストランがある
二種類の棟に分かれて






お料理の例も挙げておこう




ここまで全てデザートではなくお料理です










ここからがデザート











エステのサービスも完璧です

エステのレセプション

ウエイティング・コーナー

施術室


タラソ・テラピー(海水セラピー)の「アイス・ルーム」

ハマム

プール

休息コーナー

ここのスパで使われているのは「クラランス」の製品でした

最後に客室もご紹介
まず「ペントハウス・スイート」という一番上にある客室から

ベッド・ルーム

バス・ルーム


サロン



ジャクジー付きのプライヴェート・サンデッキ

その他の客室

エギュゼクティヴ・ルーム

シック・ルーム

エギュゼクティヴ・ルームより
ベッドルームとテラスとの間のリヴング・スペースがやや小さい






リヴィング・スペースがもっと小さいタイプ


こんなバスルームがついたお部屋もあります

プライヴェート・ビーチはというと




^

「ビーチ・レストラン」ではこんなことも可能です




このホテルのある海岸は『オルメト』という村に属していて
集落自体は後背地の山腹にへばりついている

『Ulmetu / Olmeto』

角度を変えてみると



古の修道院の廃墟もあり

『Ancien Couvent Saint-Antoine』

後期青銅器時代の武装集合住居の遺跡もあり

『Castuddu di Cuntorba』

海はあくまで美しく


ジェノヴァ時代の塔も
先回ご紹介した「カランカの塔」も含めて三つある

『Torra di Calanca』

『Torra di Micalona』


『Torra di Monacia』

では次回からは「ヴァランコ湾」を離れて北上してゆくことにしよう
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地中海の『美の島』コルシカ島 25 < プロプリアーノ と ヴァランコ湾周辺 >

2021-10-18 00:55:21 | 素晴らしき世界/フランス
巻頭写真 : ジェノヴァ時代の塔を背景に『ヴァランコ湾』の一部

地中海からいきなりそびえ立つ高山「コルシカ島」は
海の国で山の国
地球創生期の野生の自然が多く残る故に「美の島」と呼ばれてきた


山国「アルタ・ロッカ」地方から降りてまた海のコルシカに戻ろう
「サルテンヌ」から北北東の10km あまりで『プロプリアーノ』という海辺の町に至る
そこは『Golfe de Valinco ヴァランコ湾』の一番奥に当たる
広い湾はどこも際立った美しい海とあって風光明媚な海岸が点在する


『Golfe de Valinco』 Map by ⒸGoogle Map

地図の右下の黄色い道路がぐるぐるうねっているところが「サルテンヌ」
矢印が『プロプリアーノ』

『Port de Propriano』

海岸沿いの町の典型で港が中心


そして背後の街並みに教会の尖塔が見える

旧市街

港の後背地が高くなるので旧市街は必然的に階段も多くなる


旧市街の上の外れから教会前に出る階段がありそれを登る


教会前に出てすぐローアングルで撮すと後陣野川にある鐘楼は見えない


少し右に角度を変えるとちゃんと見えてくる


内部はあまりにもカラフルで眩暈がしそうなほど
実は1860年までここ「プロプリアーノ」は小さな小さな集落に過ぎなかった
島南端の「ボニファチゥ」から「サルテ(サルテンヌ」経由で
島全体の中心の町「アジャクシオ」につながる道路が開通し人口が増えてゆく
小さな集落の小さな教会では住民を収容しきれなくなって
1864年から新しい教会を立てることになった
だからわずか150年ほどしか経っていないのです
納得

19世紀後半とはいえ
イタリアの教会文化の影響下にあった島の伝統で
17世紀イタリアの教会のような雰囲気で建立されている


奥の祭壇の背後の壁の天蓋の細工が見事


そして
有りましたよやっぱり
サルテでご紹介した「U Catenaccio (贖罪の十字架の道行き)」のための
十字架と鉄鎖


しかしこの教会では別のお祭りが必見です
『A Madonuccia (慈悲の聖母の行幸)』
この教会には聖母像が二体あって
そのうちの一体はリボンで飾られて教会前の広場にお出ましになる


もう一体はたくさんのお花に囲まれて山車に乗って
旧市街を練り歩くのです



実はこれ
島全体の首都「アジャクシオ」の聖守護聖人「事後の聖母」に献堂された
「アジャクシオの慈悲の聖母教会」で
毎年3月18日に行われるお祭りで
同く「慈悲の聖母教会」を持つコルシカの他の町でも行われるようになった


スペインでも
特にアンダルシアを中心に夫々の町の教会が持つ聖母像を
着飾らせて町を練り歩くお祭りが在るのですが
それは「聖週間の金曜日」
イエスの受難の日と決まっています
ちなみに聖週間(復活祭までの一週間)は移動祝日で
月齢により計算されるので毎年日にちは固定されていません
ところでこの教会は
「サン・サルヴァドール(聖救世主)」像に向き合って建立されているので
教会を出ると


この光景となり
救世主像の方から教会を見ると


こうなる
ついでに後陣もお見せしておきましょう



ではもう一度旧市街を港の方へ下っていくことにしよう






実はこの港にも大型船が寄港できるのです





そしてこの「ヴァランコ湾」一帯の海岸線の美しさときたら


プロプリアーノの町自体ですら港を少し離れたらすでにこの様なビーチがあり
かつ湾全体に
北岸も南岸も素晴らしいビーチが多々点在して
砂浜と岩場と海の美しさを堪能できます














手を浸すと真っ青に染まってしまいそうな沖合の濃い紺ぺきの部分から
陸に近づいた辺りのトルコ石のブルー
そして岸辺の透き通った透明な水の美しさ



海岸線には美しい奇岩や洞窟もあり
湾内クルーズの遊覧船が湾岸何箇所かの港から出ています


奇岩の露出した岩礁近くを走ったり


フランスのカフェで夏場によく注文する「マンタ・ロー」という飲み物があって
ミント・シロップを水で割るだけの単純な夏の飲み物なのですが
それと同じような色の海を走ったり





大絶壁の岩壁に近寄ったり




小さな洞窟に近寄ったり


左右の柱状節理はそれぞれ違う火山から流れ出た溶岩で出来たにちがいない
色の違い(鉱物の違い)がくっきり現れている断層だったり


岩場のトンネルをくぐり抜けたり






海面の上に浮かぶような錯覚を覚えるように透明な青い海だったり



そして
人気のない綺麗な砂浜で止まってくれたりもする


30分間ほどの休憩の間に水と戯れたり
1時間半おきくらいに出ているので一旦降りて次の船に乗って帰れば
ここで2時間以上日光浴が楽しめたりする
ちなみにこの船は船底がガラス張りなので
岸壁や岩礁の近くや洞窟などの場所では甲板に乗って楽しみ
途中あまり見るものがない単調なところを走るときは船底に降りて
海底を観察しながら走ることもできる




上の休憩地点はこのビーチ

そしてこの湾岸にはあちこちの岬の先端や海岸線の高台に
ジェノヴァ時代に建てられた物見の塔が
いくつも残っている

『La Tour de Campomoro』

中でもこの辺りでは一番名高いのが『カンポモーロの塔』











次に人気が高いのが『カランカの塔』

『La Tour de Calanca』








さらには『カンパネーラの塔』も

『La Tour de Canpanella』

「プロプリアーノ」の町と
「ヴァランカ湾」は
コルシカではこれまでご紹介してきた場所より庶民的で気軽に休暇を過ごせる場所として
うってつけです




=  =  =  =  =  =  =  =  =  =  =  =  =
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地中海の『美の島』 コルシカ島 24 < アルタ・ロッカ に分け入る 2 > サルテンヌ から バヴェッラ峠 にかけての山里

2021-10-01 00:17:45 | 素晴らしき世界/コルシカ島/ホテル
巻頭写真 : 『カステッデュ・ディ・キュキュリュズュ』の「カプゥラのサイト」

地中海からいきなりそびえ立つ高山「コルシカ島」は
海の国で山の国
地球創生期の野生の自然が多く残る故に「美の島」と呼ばれてきた



前回に引き続き「アルタ・ロッカ」の山岳地帯をめぐることにしよう
「サント・リュシー・ド・タランヌ/サンタ・ルチア・ディ・タラ」から
直線距離で5kmほど北に青銅器時代の防壁集落跡がある
『カステッデュ・ディ・キュキュリュッズュ』

『Casteddu di Cucuruzzu / Castello de Cucuruzzu』塔

この「コルシカ島シリーズ」の最初の頃にご案内した
「ポルト・ヴェッキオ」近くの「カステッデュ・アラッギュウ」と同類の
南コルシカに20数箇所確認されている
青銅器時代の「トーレ人」の城塞型集合住居遺跡の一つ

上の写真は「塔」と呼ばれる部分で
外部から侵入できない石積み防塁壁の唯一の入り口を兼ねた穀物貯蔵倉だっただろう
と推測されている
遺跡は山の頂付近の数箇所に点在し
中心部「キュキュリュッジュ」のサイトと「カプゥラ」のサイトが主で
全体を「キュキュリュッジュ」とよぶ










Photo by ⒸA.Padovani-CTC

この「キュキュリュッジュ遺跡」のサイトは
紀元前2300年〜紀元前900年頃の後期青銅器時代の城塞集合住居だろうと
推定されている

遺物が数箇所に分散しており全部訪れると3kmほどの山道を歩くことになる


遺跡間の道

遺跡全体の名称となった「キュキュリュッジュ」のサイトと並んで重要なサイトが
『カプゥラ』と呼ばれる


『Casteddu di Cucuruddu-Capula』







Photo by ⒸA. Padovani-CTC

今回訪れている「アルタ・ロッカ」の「サント・リュシー・ド・タラーノ」の周辺には
渓谷遡行「キャニヨニング」と岩山登り「ロック・クライミング」の
コルシカにおけるメッカの一つともなっている

「キャニヨニング」の拠点は二箇所
まず『コルス・モンターニュ』と名付けられた山岳渓谷地帯






この地域には子供達が岩登りと渓谷遡行に慣れ感覚を覚えて親しめるような遊び場も
作られている










キャニヨニングの拠点をもう一箇所
『キャニヨン・デュ・ビュッチ』

この項の写真はすべて ⒸCanyon Corse














フランス各地で(特に南仏に多い)キャニヨニングが普通のレジャーとして定着しているが
いずれの場所でも
国家資格を有するプロのインストラクターがしっかりとサポートするので
初心者でも安心して楽しめるようになっている

それから
ピサ統治時代の美しい礼拝堂をもう二箇所あげておこう

カルビニ村に一つ「聖洗礼者ヨハネ礼拝堂」

『Chapelle San Ghjuvan Battisu di Carbini』


正面及び側面の軒下の刳り型の連続は完璧な「ピサ・ロマネスク」の様式そのもの


 外陣から見ると非常に高い鐘楼がくっついているようにも見えるが
実はこの鐘楼は1世紀以上後に付け加えられて
しかも実際は本体との間に結構距離がある


こんなに離れているのです
撮る角度の目くらましは面白い



刳り型模様のディテールを幾つか挙げておこう


正面扉口上部










正面ファサードの角


外陣の屋根から瓦も石板であることがわかる


もう一つ「サンタ・マリア・フィガニエーラ」礼拝堂

『Santa-Martia-Figaniella』


正面扉口上の半円形の窓も軒下の蛇腹刳り型も前掲の「カルビの洗礼者ヨハネ礼拝堂」と
ほぼ同じつくりの12世紀ピサ様式
ただこちらは鐘楼が本体と一体に造られている



正面ファサードのディテール

アプシッド(後陣)のディテール


カルビニの「洗礼者ヨハネ」と違ってフィガネッリの「聖マリア」は側面の刳り方が一列だけ


幾何学模様も蛇もあるが


人面が多いのが特徴



この「アルタ・ロッカ」の項の最後にユニークなホテルを一軒ご紹介しておく
『オテル・コクーン・ヴィラージュ』

『Cocoon Village』

切り立つ岩山の岸壁にへばり付くように白い球体が三つ見えるだろうか
それらが客室の一部
高山の岸壁にぶら下がる空中浮遊ホテルなのです



球体が寝室
右側の離れた部分がリヴィング

リヴィングから見た寝室

リヴィング

この球体タイプは三つあるのでリヴィングの形もそれぞfれに異なっている


もちろん朝食はこれらのリヴィングで



寝室

別のタイプもある


こちらのタイプは寝室から空が見える


窓の覆いを外側に倒せば周り中が窓になる


リヴィングは頂上感満載

さらに別のタイプも


このタイプはリヴィングが半分ほど壁に囲まれていて
その上に寝室が半球体で乗っており
その周りはテラスになっている


上下180度左右360度の開放感!
落ち着かなければ電動で外側に覆いをかぶせることができるが
ほとんど使う人はいないそうです


夕刻になるとこうなります

では次回からはまた下界に降りて行きましょう
=  =  =  =  =  =  =  =  =  =  =  =  =
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