
巻頭写真 : アラドンとセネを分ける海峡の航行標識のごとく語られる「薔薇色の家」
荒海と信仰とケルト文化と古代巨石文明と
フランスにあってフランスではない異世界を訪れよう
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再び「オレー」まで引き返し
そこから「モルビアン湾」の北側を西から東へ辿ってみよう

前々回ご紹介した「Auray オレー」の町を橋の手前から見た写真を思い出して欲しい
つまりオレーの町のオーレ川を挟んだ反対側は
『Sainte-Avoye サント・アヴォワ』
その町の南
「オーレ川」に合流するやはり狭い入江のような「ボノ川」に面して
対岸の『Bono ボノ』に向き合った
『Puruneret プリュヌレ』地区に
不思議な形の礼拝堂がある

『Chapelle Sainte-Avoye 聖アヴォワ礼拝堂』
どこが不思議な形かというと

Photo by @pluneret.fr
正面の鐘楼が
四角い断面の三方向の壁と屋根が出来て
一面だけ壁を作ってないような
なんとも見ていて居心地の悪い形

実はこの上にはまともな鐘楼が立ち上がっていた
1720年代に落雷で崩壊
以来今ある木材の天井が架け渡された

この礼拝堂は
16世紀にこの地方の貴族「Lestrelin レトルラン家」が建てた
私家族用の礼拝堂で
同家が管理運営費用も負担してきた
そしてこの礼拝堂には
これまでプロヴァンスやブルターニュの何箇所かでご紹介した
美しい「Jubé ジュベ(内陣隔壁)」があるのです

身廊側から内陣の方向を向いて見える「ジュベ」
少しだけ引いてみる

内陣へ入る扉を閉ざすと

こうなります
逆に
祭壇のある内陣の方から身廊に向かってジュベを見ると

こちら側からも
少し引いて見よう

ディテールを幾つか




安全祈願に奉納された「サント・アヴォワ丸」の模型

ポルタイユ(正面扉口)前で上を見上げる









ちなみに
この「プリュヌレ」地区の南端を流れる『Bono ボーノ川』

※ ※
それを渡って東へ進んで行こう
渡ったところの町「ボーノ」から3kmばかり南下すると
モルビアン湾の海岸線が複雑怪奇にギザギザと切れ込んでいて
『Baden バーデン』という小さな村がある
眠ったような静かな村で
教会と礼拝堂とだけがある典型的なブルターニュの町

『Place Weiheim ヴェイシャン広場』

『Eglise Saint-Pierre 聖ペテロ教会』

外陣が四角くくて鬼十になっている

この外陣が四角いのもある意味で極めてブルターニュ型

南側の翼廊は小さい
そしてお約束の礼拝堂

『Chapelle Saint-Meriadec 聖メリアデック礼拝堂』

同 内部 祭壇
1830年代に作り直して子の形になったらしい

祭壇は非常にチャーミング

航海の安全を願って奉納された船がぶら下がっているのも
見慣れた光景

こちらの船は
パルドン祭で練練り歩くままの様子で飾られている


向きが逆だが泉もある

なにやら不明の祠

これは道路側で塗り直される前
村の雰囲気も少しだけ

この辺りは茶色い石が多いらしく
聖ペテロ教会も含めて民家も茶色の石で建てられている


集落の中心部から南に『Marée de Pen-en-Toul ペン・エン・トゥル沼沢地』
という沼地があって自然保護区で数々の野鳥や植物が保護されている



沼沢地の外れからそのまま南側に岬が伸び
その岬の入り口近くが『Locquerltas ロッケルタス』
そこには素朴なカルヴェールを持つ礼拝堂とドルメンがある

『Chapelle Saint-Gildas de Locqueltas ロッケルタスの聖ジルダス礼拝堂』
同名の礼拝堂が少し前に別のところでも出てきた

そしてドルメン

このドルメンの際立った特徴は
横に「副玄室」を持つということ
その岬を南端まで行くと『Larmor-Baden ラルモル=バーデン』という「あざ」
そこから目と鼻の先の海の中に『Ile Berder ベルデール島』という島があり
引き潮のとき渡れるコンクリートも道が付いている

『Ile Berder ベルデール島』
この写真ではそろそろ潮が満ちてくる頃
今ならまだ
ふくらはぎあたりまで水に浸かりながら渡って行ける
※ ※
さらに
途中舗装入江を渡りながら東進すると
『Arradaon アラドン』
海岸がとても美しい



教会はある

『Eglise Saint-Pierre d'Arradon アラドンの聖ペテロ教会』
ここの教会も聖ペテロに献堂されている








では
次回はモルビアン湾の主邑『Vannes ヴァンヌ』を
ご紹介しましょう
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※
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