新年あけましておめでとうございます。
本年も皆様にとって価値ある素晴らしい1年になる事をお祈りいたします。今年もどうぞよろしくお願いいたします。
この正月は天気が荒れるというので山には出かけず。初詣しておせち食べて、なんか行儀のいいお正月を過ごしています。

今日は断捨離の反動なのか、モノが恋しくなってアウトドアサイトを徘徊してたら
あのSlingfinのOneUp 2014モデルが500ドルオフのセールになってる! それもラスト1幕!
2014年モデルの変更点は、インナーをヘキサ(六角形)にして従来のレクタ(四角形)よりも広く、
かつ前室が必要な場合はフックを架け替えることによってレクタと同じようにサイズダウンして使えるというところ。
スペースステーションをデザインしたテント職人マーティンさんの渾身作ということもあって思わず衝動的にカートに放り込む、まではよかった。
しかしチェックアウトの段階で少し落ち着いて調べてみると、ポールが他の幕で採用されているEASTONの7075-T9ではなくこいつだけDACのPressfitが使用されている。。
てっきりSlingfin幕は全てEASTON ポールだと思ってたので残念。
DACかEASTONか

DACのPressfitやFeatherliteに用いられている7001グレードのアルミ合金はEASTONの7075と比較して降伏点強度(Yield strength)を示すPSI値が15%も低いというデータがある。
これはライバルのYunanポールを用いていた頃にMHW社があげていたデータで、当然、自社テントが使うスカンジウムポールがダントツの性能を示すための比較データ抜粋だが、競合2社のスペック優劣に変わりはないでしょう。
DACはその素材そのものからくる性能差を克服するためか、ジョイント部のデザインに試行錯誤を凝らし、最新のFaatherlite NSLは技術的評価を得ているようです。
一方でEASTONは頑固一徹、現在でも米国内生産にこだわる7075 T9勝負ってとこなのでしょうか。
以下、個人的な経験からの意見を述べてみます。

2度の設営で曲がってしまったDAC Pressfit pole - Marmot Lair 8p
DACは確かに、粘りがあってよく曲がるんだけど、結構簡単に曲がり癖がつく。
OneUpについては、よく曲がったLair 8Pより更に径が細いのが用いられていて曲がるのは必至といえる。

突風で破断したDAC Pressfit pole - Marmot Lair 8p
また用いられている7001は7075よりも破断面が鋭利になることが知られている。
OneUpのようなフルスリーブタイプの幕では写真のようにポールがスリーブ内で破断してしまうと、幕を破き抜いてしまうことも考えられる。
実際、このときはLair 8Pの前室を破いてしまった。

センターハブ構造をしたDAC Pressfit pole -TNF Dome 8
ちなみに97年に初出となったFeatherliteは、各メーカーの軽量化の流れに乗って今でも同社の看板商品。
スノーピークのランブリPro.モデルなどにも採用されている。ヒルバーグやマウンテンハードウェアも以前はEASTONだったが、現在は全てDACポールへとシフトした。
(他、Marmot Lair 8P/TNF Dome 8など)

EASTON 7075-T9 pole - The North Face Hotel 46
EASTONについてはやや堅い印象だけどきちんと曲がり、そして回復する。
写真にある幕についても20年も前のものですが、当時、7075-T9グレードを量産できる技術を持つのはEASTONしかなかったということもあるようです。
ノースフェイスは長らくこのEASTONポールを独占的に使用してきたが、最近はDACへ移行。

EASTON 7075-T9 pole - The North Face Oval Intention (Tatsuro-san所蔵)
同社の7075-T9は75年にTNFオーバルインテンションに採用されてから後、多くのドームテントの骨組みを担ってきた。
(TNF 2 Meter Dome/TNF Hotel 46/MHWスペースステーション/シェラデザインLookout/Moss幕など)

そしてYunanのスカンジウム合金はスペック的にはDAC T6やEASTON T9よりも上だが、使ってみての印象は中間的な感じがする。
よくしなる割りには曲がり癖がほとんどつかない。高価というのが難点。DACよりも重く、Eastonと同等の重さ。
(MHWスペースステーション/アライテント・ドマドームなど)
Yunan社のポールについてじゃ以前は、MHW社全ての幕に使用されてたが、その後、DACへと移行している。
OneUp 2014のポールについてはEASTONもオプションで選べるようだけど、プラスで500ドル近くかかってそれでいて在庫無しなので同時発注できない。
気を取り直してSlingfinのサイトを見てると、あれれ、他にも興味を惹く幕が。

その名もSAFE HOUSE2。
2ってことは1があったのか、長い間サイトに行ってなかったので知らなかった。
担げるサイズの冬テントをずっと探してたのでタイミングよすぎ。

こちらなんとなく彼がMHW時代にデザインしたTrangoにそっくりですが、
結局はこのフレームワークと形に落ち着くのでしょうか。
SlingfinオハコのWebTruss構造は採用されてませんが、
Trangoの高級バージョンとしてアリな気がします。
せっかくなのでUVXウィンドウもと思いますが、あちらはMHWのオハコ技術なわけで、、完コピにはいたらなかったようですね。
気になるのは3.9キロという重量。撤収で湿ったりすると4.5キロはいくと考えると、
ただでさえ荷物がかさむ冬山装備でこの重さは辛いものがあります。
でも冬はピークまで担いで縦走するわけではないし、ベースキャンプまでならなんとかなるかも。。なんてことも考えたりして。
今のところOUT OF STOCKなので、いったん白紙。やっぱ窓はあったほうがいい!と言い聞かせて。
そうそうこの調子でモノは買わないようにしないとまた増える。
でも時間の問題だろうな、、
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