京漬物近清の九代目日記

毎日、お店や九代目の周りで起こった事、九代目からのお知らせ等を日記形式でお伝えしていきます。

「吝いと始末」 1

2007年08月30日 | Weblog
4年前にひょんな事から京都新聞日曜版にひと月(5回)コラムを掲載しました。

結構面白く書けてるんで(自画自賛)読み返しながら抜粋して、ここに書いていこうと思います。

タイトルは「吝いと始末」しわいとしまつ、と読みます。

「私は240年続く漬物屋の九代目、創業は1764年、徳川10代将軍「家治」の治世。老中は悪名高き田沼意次の時代、元禄バブルが弾け、賄賂政治が全盛の時代、この頃今で言う行政財改革「始末」と言うキーワードで藩を立て直した上杉鷹山が出てきたような時代背景です。」

近江屋として創業したのは1764年ですが、その3~40年前、八代将軍吉宗時代に米や野菜を草津から運びこんで露天商を始めたのがルーツと伝わります。

それまで士農工商と言う枠組みの中で、武士は武士、百姓は百姓、商人は商人、と他の分野には手を出せなかった規制の網を、吉宗は百姓に限り緩和して直接販売する権限を与えます。

是は米の価格を安定、と言うよりも引き下げる為の措置で、百姓~元締め~米問屋~米屋~一般人の構図の中で最も暴利を貪っていた米問屋を排斥する狙いでした。

その規制緩和の波に乗って、草津で百姓の元締めをしていた清右衛門が、米や野菜、醤油や酒を、当時最も京都で賑わっていた本願寺門前へ運び込み産地直売と言うスタイルで商いを始めたようです。

なんかかなり歴史の勉強になりません?

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