京漬物近清の九代目日記

毎日、お店や九代目の周りで起こった事、九代目からのお知らせ等を日記形式でお伝えしていきます。

10年前に話していた事

2007年08月29日 | Weblog
前回の記事の続きです。

「当時、浅漬路線を目指した近清だが、不安は大きかったと九代目は語る」

「京の老舗と言われる各メーカーの主力商品はしば漬、千枚漬、すぐき漬で、日常食のぬか漬や浅漬は観光客や、主要得意先の料亭、旅館では相手にしてもらえなかったんです」

「ただ日常的で安くて美味いぬか漬や浅漬が売れない筈は無いと開発し続けました」

「漬物は不況に強い、とよく言われるが九代目は漬物業の未来にかなり悲観的である」

「うちが求める野菜を作ってくれる農家が減り続けています、地価の高い京都の農家は農地をガレージにしたり、マンションを建てたり、和歌山の野菜農家は蘭やチューリップ、メロン等に転業したり、うちも契約農家が福島と長崎とだんだん京都から離れていっています」

「それに水物、粉物は儲かるって言う商売の基本の逆を行く商売を僕等はしています」

「例えば大豆60kgで豆腐400gの物が本にがりで450丁、すまし粉で650丁、グルコンだと1200丁作れますが、うちは100kgの白菜の外側を剥き、塩を使って重石をかけ、水やあくを出し切って40kgにして売ってます、水増しならぬ、水減らし産業です。理論的に儲かるはずないでしょう!?」

「まあそれでも漬物を作るのは、伝統食品を守るという使命感って話すと、格好良いんですが、ほんまは近藤家は240年、漬物しか作って来なかったんで他に何も出来ないんです」

う~ん、なんか書いているうちに悲しくなってきたな~。
でもここ25年で漬物業界全体は販売額が20%強、落ちました。(2005年の統計)京漬物全体は7~8%の落ち込みに留まっています。

是は米の消費量が19%落ちている事と比例しています。

ところが、サラダ(惣菜)製品はここ20年で10倍の売上(もともとのパイは小さいが)

野菜を食べる人は確実に増えています。

まだまだ漬物業界の巻き返しの余地は十二分に有ると私は確信していますってなんかだんだん新聞記事ぽっくなってきた。

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