11月は全休してしまいました。リバイバルの一発目が相も変わらず歌謡曲、というのもどうかと思いますが、そういうことを気にしていると筆が進まないので、やはり思いついたところから書き進みたいと思います。
東海林太郎、近江俊郎、灰田勝彦の顔ぶれからぐっと若返った(?)フランク永井である。年代世代が違うだけでなく。音楽の背景がそもそも違う。同じ夜の盛り場に流れるとしても、前者は小料理屋飲み屋であるが、フランクはナイトクラブ、キャバレーに合う。牧伸二も歌っていたが『低音の魅力』の代表格だ。ナイトクラブやキャバレーがほぼ死滅した昨今では「とーてぇも~すーてきな~、とうきょうナイトクゥラァブ~」(東京ナイトクラブ、松尾和子とデュエット)といったって、どう素敵なんだか伝わりにくいのだが、憧れる行ってみたい見てみたいという想像力をじゅうぶん掻き立てる。
そのフランク永井のアルバム『The New Best One』の中でも、衝撃的なのが『西銀座駅前』。ABC……、XYZ……、それがおいらの口癖さ、ではじまり、いかすじゃないか、西銀座駅前。とシビれる低音で締める。凄い口癖があったもんだが、『いかすじゃないか』がなんともイカしてる。さらに、題名になっている『西銀座駅』が架空だというのもイカすじゃないか!?
ちなみにフランク永井は八代目三笑亭可楽の熱心なファンだった。イカした歌手は、落語を聞く耳もイカしていたのだ。