きのう14日の東京競馬のメインは11Rのアイルランドトロフィー府中牝馬ステークス(GⅡ)。むかしの牝馬東京タイムズ杯だ。その頃は1600mで、1971年にトウメイが59キロのハンデを背負って楽勝している。2着パールフォンテン。トウメイはそのあと続けて天皇賞(2着スピーデーワンダー)、有馬記念(2着コンチネンタル)に連勝して年度代表馬に選出された。400キロそこそこの牝馬が、3200m2500mのレースを牡馬を争って連勝したのだ。オールドタイマーは『名牝』といえば第一にトウメイの名を挙げるのにやぶさかでない。
天皇賞はその当時は秋も3200mで、今みたいに距離別体系がないから、3歳馬はダービー、古馬は天皇賞を目指すしかなかった。そのうえ中央競馬では、ダート(砂の馬場)は格下というより評価外だった。ハイセイコーもダービー、菊花賞に出走せざるを得ない。というか他に選択肢がない。それなのに(?)面白いのは障害レースが今より盛んで、開催日にはほぼ1レース、日によっては2レース組まれていて、障害のトップホースは現在では考えられないくらいのヒーロー、ヒロインだった。フジノオー、フジノホマレの兄弟、ライバルのタカライジン、バスター、ナスノセイラン、メリーダンサー、グランドマーチス……。古いことばかり憶えているのは年寄りの特性です。
暮れの中山のフィナーレが中山大障害だった(有馬記念はその一週間前)。ほんとうです。それでじゅうぶんに盛り上がった。法理弘が操るグランドマーチスの、華麗な赤レンガ飛越に大観衆が沸いた。なんで障害レースがあんなに面白かったのだろう?長年にわたる障害ファンとしては、JRAの番組構成委員にひとこと申したいところだ。
それとアラブ競馬もありました。アラブといっても純血種でなく血量25.00%ならばOKのアングロアラブで、外観はサラブレッドとほとんど区別がつかない(全般にやや小さい)。さらにすごい(?)ことに、アラブの障害レースもあった。番組として障害は必須のコンテンツだったらしい。
こうして見ると、むかし(ほぼ40年以上前)はレース番組の多様性は今よりずっと豊かだったということが分かる。一方でサラブレッドの能力を測るモノサシは長距離一本で、これは『軍馬の育成振興』という明治以来のスローガンが、亡霊のように競馬会を覆っていたせいだろう。
すっかり府中牝馬ステークスが本題でなくなってしまいましたが、昨日の同レースにはキンショーユキヒメが出ていたので話題にせざるを得ない(?)。人気はヴィブロス、アドマイヤリード、クイーンズリングなどのGⅠウィナーだが、この三頭は4週間後のエリザベス女王杯が目標なことは明らか。重賞のタイトルがほしいキンショーユキヒメ、クロコスミア、ワンブレスアウェイなどの『本気』度がきょうは上回るとみて、馬連で三角買い。あとキンショーユキヒメに義理立てして(なんだ?そりゃ)単勝を買い足す。
結果。クロコスミアのきれいな逃げ切り勝ち。最近、ステイゴールドは牝馬がよく走る(気がする)。ひさびさだったけどヴィブロス、きっちり追い込んでくるところはさすがだ。アドマイヤリード、クイーンズリングも後方にいながら上がりの競馬にそこそこ対応して3、4着に来ている。キンショーユキヒメは……、内田が外に回そうか内に入れようか逡巡しているうちに出しどころがなくなって、ゴール前伸びきれず6着だった。7レースのモクレレ(4着)を見たとき、いやな予感がしたんだけれど。まあ、次がある。あるけど次はデムーロか川田か和田を希望。