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草堂

Web Shop草堂で扱う作家、作品の紹介、イベントや新着商品のご案内、店長の周辺雑記を日々つづります。

裏草堂開設160日経過

2017-10-27 | 裏草堂

ことし五月下旬、駒場の店舗の頃に在庫だった商品の販売コーナー『裏草堂』を開設して160日たちました。先日も取引きが一件あり、その商品が無事届いたという連絡を今日いただきました。

『裏草堂』は、おもに備前や唐津の作家物を扱っているので、こういうものほど実物を見てさわって、確かめたうえで買うかどうか決めたい。とお客さまは思うだろうし僕が実際そうですから、そのうえ磁器よりも陶器は各人のイメージの幅(?)が広いので、色や質感をどう伝えたらいいのか、考え出すといろいろ悩むことがあったのですが、まあ、やりながら問題が起きたらその時ごとに対応しよう、と思って始めました。

いま思うと、その二か月前に浜野まゆみのぐい呑み、猪口の合計9個をWebShopで販売して、それらがほとんど即日完売したのが『裏草堂』を始めるきっかけになったと思います。浜野さんの作品は人気があって常に品薄状態だし、そのうえ作者自身のセレクションで唐津から送ってもらっているので、すぐに売れても驚きではないのですが、単価にしていつもより高め、いちばん上に20000円の猪口があったけど、これが最初に売れたので「お!」と思いました。

そもそも「磁器だ陶器だ」と分類して鑑賞したり商売のうえで分けるのは、今時ナンセンスではないかと思います。淡水魚と海水魚ほどの違いもない。16世紀末~17世紀初頭の唐津と初期伊万里を見たら、フナと金魚(ヒブナかな?)くらいの差しかない。古九谷が好きな人は鍋島より唐津の方が趣味が合う、というか分かりやすいと思う(個人の感想です)。

浜野さんは唐津に拠点を移して以来、陶土や釉薬の研究にますます嵌っているようです。それらが作るうつわの魅力を増し、さらに味わい深くしているのはご存じのとおりです。磁器だの陶器だのと分けるのはナンセンス、というのはこういうことです。

WebShopの運営は、お客さまの想像力と決断に最後は託すしかない!とこの頃よく思います。画像4点と説明文を読んでいただいて、それだけの情報からどう作品をイメージするか?実店舗以上に各個人の差が大きいと思います。以前はそれを恐れて『裏草堂』の開設をためらっていたのですが、それを言い出したらWebShop自体が運営できない、ということになります。

店側が良い(と思われる)ものを提供する、というのが前提ですが、どうぞ想像力を発揮して商品をご覧頂きたく存じます。ご質問などありましたらメールでお尋ねください。WebShopとして出来ることには対応いたします。どうぞよろしくお願い申し上げます。


川上清美 朝鮮唐津花入

2017-08-23 | 裏草堂

ブログの更新をしばらく休んでいました。7月は全休、今月もすでに処暑を過ぎてしまいました。そのあいだも広島カープは首位独走を続け(昨日今日と連続して、横浜にサヨナラ逆転負けを喰らいましたが)、広陵高校は甲子園で野村祐輔以来10年ぶりの決勝進出なるも、またしても準優勝、オルフェーヴルの初年度産駒は夏競馬で3頭勝ち上がり、いずれも大物の相ありとまずまずのスタート。まさに悲喜こもごも。

川上清美の朝鮮唐津花入です。花入や水指で何が難しいか?というと『耳』だそうです。これらの本歌は古代中国の青銅器で、そのかたちを模したものと思われます。だから元々は把手だったのでしょうが、徐々に実用を離れて装飾的な意味が大きくなりました。中国の陶器では『耳』が神獣や象のかたちになっているものがあります。

『耳』は、造形のバランス感覚が明瞭に出る箇所です。自然な感じでさりげなく、うつわと一体感がありながら自らも主張する。もちろん『耳』だけ良けりゃいい、というものではありませんが、全体はいいのに『耳』が残念でそれで台なし、になっている水指や花入が案外多いものです。水指の蓋のつまみも難しいと思います。持ちやすいかたちで大きすぎず、野暮でなく凝り過ぎることもなく。なんだ結局むずかしいところばっかりじゃないか。。。

この花入とは、今年の秋で18年の付き合いになります。『草堂』の最初の買付けで仕入れました。高温で熔けた釉薬の色味がまず目につきますが、川上さん独特のロクロ目の強さ、重量感がありながら鈍重でなく、鋭く締まった造形がいま見ても素晴らしいと思います。そして、さっきから言っている『耳』のよさ。