というわけで「フライトプラン」を見てきました。
飛行機のなかで起きる事件と言うと、アガサ・クリスティの小説で、
パリからロンドンへと向かう旅客機のなかで殺人が起きるというのがありまして。
「大空の死」とか「雲をつかむ死」というタイトルで邦訳が出てるんですけど、
これ、ロンドンに着くまでの限られた時間でポアロが事件を解決するんやろなあって、
てっきりそう思い込んでたんですよねえ。
それで興味があって、一度読みたいなあって思ってたところ、
昨年でしたか、NHKでアニメ化されたのが放送されたので、
大いに期待して見てみたところ……
なーんや、確かに事件は飛行機のなかで起きるけど、
解決するのはロンドンへ着いてから、被害者の人間関係やらなんやらを、
何日もかけてえっちらおっちら調べた上でのことでして……
僕の求めてたサスペンス感のようなものは皆無でしたわ。
まあそれはこっちの勝手な期待が外れただけのことですけどね。
しかしこの「フライトプラン」、
飛行機のなかで娘が行方不明になるわけですからね、
これはもう悠長なことはやっとられませんよ、
目的地に着くまでになんとか無事に見つけ、助け出さないと……
んーと、しかしこれはちょっと、
あまり細かくネタバレしてしまうのはやっぱ、なんですからねえ。
この後はちょっとぼかして書きましょうか。
僕の好みとしては、飛んでる間にすべて解決してもらいたかったんですけどねえ。
つまり飛んでる最中の飛行機のなかで、
クライマックスの見せ場が繰り広げられた方が、
もうハラハラドキドキでよかったんではないかと。
でも不時着して……ってのも、それはそれで緊迫感はあったりして、
まあ悪くはなかったですかねえ。
一応「目的地に着くまで」に解決したわけですし。
しかしねえ、あのラスト、
もう少し爽快感があれば……と思うんですけども。
動く乗り物から乗客が消える、というお話では、
その昔のヒッチコックの「バルカン超特急」が思い出されまして。
あの映画では列車から、乗客の老婦人が忽然と姿を消すんですけど、
それを探すのは、たまたま車内で知り合った若い女性=ヒロイン。
彼女は、決して老婦人のことを心から心配していたわけではなく、
いたはずの老婦人を誰も知らないと言う、見ていないと言う、
そのことに対して、いわば意地になって、
プライドを賭けて謎を解こうとするわけでして。
そんな勝気なヒロインがとても威勢がよくてカッコよく、
カラッと楽しめる仕上がりになってました。
それに対して「フライトプラン」では……
冒頭からジョディ・フォスター演ずるヒロインを、そして観客を、
心理的にとても不安定にさせようという描写の連続で、
まあそういう面白さもありかなあとは思うけど、
でもね、ただでさえ不安をたっぷり抱えてるヒロインが、
その上に娘が行方不明になる、
しかもその存在を誰もが否定する、
そんな状況に置かれたらこれはもう、
心配で心配でたまらなくって必死になるのは当たり前なわけで、
そういうところに頼ってお話を作るのは、やっぱりちょっと……
それよりも、まったく無関係の老婦人のために走り回る、
「バルカン超特急」のヒロインのほうが……
いやまあ、比べてどうこうってもんでもないでしょうけども、
でも窓の曇りに指で……という辺りが共通してますし。
それとねえ、本作の真犯人の計画。
これがねえ……
よくもまあ、そんな不確定要素の高い計画立てたもんやなあって感じでして。
目的を達するためなら、もっと楽な方法いくらでもあるやろに……
なんか無理が感じられるんですよねえ、この非行計画。
そういうのもあって、やっぱりラストの爽快感が乏しくなってしまったのは、
ちょっと残念やなあ……と。
ただまあ、一連のヒッチコック作品だと、
若い女性が主人公で、彼女が事件に巻き込まれたりしても、
必ず助けてくれる男性キャラクターがいるわけでして、
手に手を取り合って事件を解決する、
そしてちょっとロマンチックな味付けもあったりして……と、
それが魅力であったわけですけど、
本作ではジョディ・フォスターはまさに孤軍奮闘、
助けてくれる者は誰もいないなかで、ひとりで解決するんですからね。
もうカッコいいことこの上なし、
だからこそもっと爽快感が感じられれば……って、
それはもういいか。
まあ、それなりに楽しめる作品ではありました。
しかし……機械室とか貨物室とかって、
気圧が低いもんやないんですかねえ?
新型機やから大丈夫な設計になってるんでしょうか?
あれでは密航計画も立て放題とちゃいますか……?
飛行機のなかで起きる事件と言うと、アガサ・クリスティの小説で、
パリからロンドンへと向かう旅客機のなかで殺人が起きるというのがありまして。
「大空の死」とか「雲をつかむ死」というタイトルで邦訳が出てるんですけど、
これ、ロンドンに着くまでの限られた時間でポアロが事件を解決するんやろなあって、
てっきりそう思い込んでたんですよねえ。
それで興味があって、一度読みたいなあって思ってたところ、
昨年でしたか、NHKでアニメ化されたのが放送されたので、
大いに期待して見てみたところ……
なーんや、確かに事件は飛行機のなかで起きるけど、
解決するのはロンドンへ着いてから、被害者の人間関係やらなんやらを、
何日もかけてえっちらおっちら調べた上でのことでして……
僕の求めてたサスペンス感のようなものは皆無でしたわ。
まあそれはこっちの勝手な期待が外れただけのことですけどね。
しかしこの「フライトプラン」、
飛行機のなかで娘が行方不明になるわけですからね、
これはもう悠長なことはやっとられませんよ、
目的地に着くまでになんとか無事に見つけ、助け出さないと……
んーと、しかしこれはちょっと、
あまり細かくネタバレしてしまうのはやっぱ、なんですからねえ。
この後はちょっとぼかして書きましょうか。
僕の好みとしては、飛んでる間にすべて解決してもらいたかったんですけどねえ。
つまり飛んでる最中の飛行機のなかで、
クライマックスの見せ場が繰り広げられた方が、
もうハラハラドキドキでよかったんではないかと。
でも不時着して……ってのも、それはそれで緊迫感はあったりして、
まあ悪くはなかったですかねえ。
一応「目的地に着くまで」に解決したわけですし。
しかしねえ、あのラスト、
もう少し爽快感があれば……と思うんですけども。
動く乗り物から乗客が消える、というお話では、
その昔のヒッチコックの「バルカン超特急」が思い出されまして。
あの映画では列車から、乗客の老婦人が忽然と姿を消すんですけど、
それを探すのは、たまたま車内で知り合った若い女性=ヒロイン。
彼女は、決して老婦人のことを心から心配していたわけではなく、
いたはずの老婦人を誰も知らないと言う、見ていないと言う、
そのことに対して、いわば意地になって、
プライドを賭けて謎を解こうとするわけでして。
そんな勝気なヒロインがとても威勢がよくてカッコよく、
カラッと楽しめる仕上がりになってました。
それに対して「フライトプラン」では……
冒頭からジョディ・フォスター演ずるヒロインを、そして観客を、
心理的にとても不安定にさせようという描写の連続で、
まあそういう面白さもありかなあとは思うけど、
でもね、ただでさえ不安をたっぷり抱えてるヒロインが、
その上に娘が行方不明になる、
しかもその存在を誰もが否定する、
そんな状況に置かれたらこれはもう、
心配で心配でたまらなくって必死になるのは当たり前なわけで、
そういうところに頼ってお話を作るのは、やっぱりちょっと……
それよりも、まったく無関係の老婦人のために走り回る、
「バルカン超特急」のヒロインのほうが……
いやまあ、比べてどうこうってもんでもないでしょうけども、
でも窓の曇りに指で……という辺りが共通してますし。
それとねえ、本作の真犯人の計画。
これがねえ……
よくもまあ、そんな不確定要素の高い計画立てたもんやなあって感じでして。
目的を達するためなら、もっと楽な方法いくらでもあるやろに……
なんか無理が感じられるんですよねえ、この非行計画。
そういうのもあって、やっぱりラストの爽快感が乏しくなってしまったのは、
ちょっと残念やなあ……と。
ただまあ、一連のヒッチコック作品だと、
若い女性が主人公で、彼女が事件に巻き込まれたりしても、
必ず助けてくれる男性キャラクターがいるわけでして、
手に手を取り合って事件を解決する、
そしてちょっとロマンチックな味付けもあったりして……と、
それが魅力であったわけですけど、
本作ではジョディ・フォスターはまさに孤軍奮闘、
助けてくれる者は誰もいないなかで、ひとりで解決するんですからね。
もうカッコいいことこの上なし、
だからこそもっと爽快感が感じられれば……って、
それはもういいか。
まあ、それなりに楽しめる作品ではありました。
しかし……機械室とか貨物室とかって、
気圧が低いもんやないんですかねえ?
新型機やから大丈夫な設計になってるんでしょうか?
あれでは密航計画も立て放題とちゃいますか……?