世にある日々

現世(うつしよ)は 愛おしくもあり 疎ましくもあり・・・・

而 (しかも) もその術 (みち) を知らず

2011-07-23 | 記紀雑感










ども まあです~


今日は 記紀雑感をやります

日本書紀からのお話しです


日本書紀はね~
古事記とくらべて柔らかい感じがする
というか 少しくだけた感じなんだ

日本書紀の特徴は
一書に曰く ( あるふみにいわく ) と
ひとつの物語にたいして
こんな話もあるよと数々の
違う話を述べているところがあります
これが けっこうおもしろいんだよ

あと

今日は 過激な表現というか
過激なことばがあるかもしれないから
最初から 陳謝いたしますね


イザナギ・イザナミの命の
国生みの話は以前したよね

今回は
この話の 「 一書に曰く 」 のところを書こうかな


一書に曰く
イザナミの命が先ず 「 なんと すてきなお方ですこと 」 と言った
その時 陰神(めかみ)が先に言うのはよくない
ということでふたりは改めた
そこで
イザナギの命が
まず 「 なんと 可愛らしいおとめだろう 」 と言いました

                                                ・・・・・・・・以下読み下し文


遂に合交(みあわせ)せむとす
(しかも)もその術(みち)を知らず
時に鶺鴒(にはくなぶり)有りて
飛び来りてその首尾(かしらを)を揺(うごか)

(ふたはしら)の神
(みそなは)して学(なら)ひて
即ち交(とつぎ)の道を得つ

                               「 日本書紀 岩波文庫 」 より



う~ん 私訳やろうかどうか 迷っている

でも やっちゃおか ・・・・
                     
                               なんか スゴイ訳になりそうな気がする



ついにふたりの神様は国を生むために
睦の事に はいろうとしました
その時です
二人の神様は はたと目を合わせました

「 凸を凹に はめるのはいいが
そのあとは
どうやっていいか 分からないっ ・・・・  」

ふたりの神様は
心の中で それぞれ そう叫びました

すると セキレイという鳥が飛んできて
ふたりの神様のもとに降りて
激しく早く尾っぽを振りました

それが ふたりの神様には
早く激しく 腰を振るように見えたのです

ふたりの神様は
「 そうか  」 と 思って
お互いを見つめあいました

その時のふたりの神様の目は
少しばかり潤んで
とても 優しい目になっていました

こうして
ふたりの神様は 睦の事の道を
習ったのです







僕は 仏や神様を尊んでいるけど
少しばかり 人間味を帯びて描こうと
こんな訳し方をしてみた

神様に不敬であると思われた方には
許していただきたい



ただね

日本書紀というのは
日本最古の正史になっているけど
こんな話が出てくるんだ

おおらかというか何というか
ふつう国の正史にこんなこと書かないよね
国の正史だったら
  国の品格をかけて格調高く書くのだろうけど ・・・・







学生の時
王権神授説なんていうのをならったよね

天皇の祖先が神であり
さかのぼると
根源神の 「 天の御中主 」 の神様が
天皇のルーツなんだ

これって
王権神授説によく似ているよね
ここのところが
左翼学者が古事記とか日本書紀を攻めて
天皇の国家が専制君主の国家
なんて よく論調するけど

だけど
天皇の権威が神から流れているものだと
確定付けるための神話だったら
このような 「 一書に曰く 」
なんていうこと 書くだろうか

僕は ここから
正史にも 神からの権威付けをしなくてもよい
自然の中で 神を敬い
神が人であり 人が神であり
清く明るく生きることは ごく当たり前のこと
と いう 日本の精神性を観じる

それが
万葉のおおらかさにつながっていくのだろう
と 思っている


でも ・・・・

今回の私訳は とても おもしろかったよ







JUMPIN' JACK FLASH &星降る街角

腰の振る夜は~ ・・・・