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合唱団さきたま 定期演奏会

2014年12月20日 | pocknのコンサート感想録2014
12月20日(土)合唱団さきたま 定期演奏会
ルネこだいら大ホール

【曲目】
1.モテット第3番 「イエス、我が歓び」 BWV227
2.ミサ曲 ト短調 BWV235
3.クリスマス・オラトリオ BWV248~第4,5,40,41,46,47,53曲
4.バッハ/モテット第1番「主に向かって新しき歌をうたえ」BWV225

【アンコール】
きよしこの夜

【演 奏】
MS:小泉詠子/T:古橋郷平/B:中瀬日佐男/Org:平山亜古
岡本俊久指揮 アンサンブル・アルス・ノヴァ/合唱団さきたま


30年以上活動を続けている埼玉のアマチュア合唱団「合唱団さきたま」は、毎年の定期演奏会でバッハの受難曲やヘンデルのメサイアなど、大規模な作品に意欲的に取り組んでいる。初めて聴いた今日の定期演奏会では、3人のソリストを迎えたオールバッハの魅力的なプログラムを、ポジティブオルガン付きの室内オーケストラが付く本格的な編成で聴いた。

合唱は、岡本俊久氏の指導のもと長年熱心に根気よく培われた基盤を感じる安定感があり、発声は素直でハーモニーが美しく音程も正確。バッハの曲で何度も現れる長いメリスマでも一つ一つの音がキッチリと歌われるので、ポリフォニックな音楽の構造がしっかりと立ち現れる。

プログラムで最も素晴らしかったのが最後のモテット第1番。全体で8パートに分かれる二重合唱で書かれているために1パートの人数が半減するが、各パートの存在感が減退することなく、8つの声部がしっかり噛み合って、充実した演奏を繰り広げた。活力があって喜びに溢れた歌唱は歌詞の内容を生き生きと伝える。生命力みなぎる合唱を聴いていたら、自分でもまた歌いたくなってしまった。

「クリスマス・オラトリオ」でのコラールは、柔らかなニュアンスを出すことに神経を使っているように聴こえたが、コラールという性格上、会衆の揺るぎない信仰告白を伝える「素朴な強さ」に重きを置いた方がいいように感じた。

メンバーの平均年齢はかなり高そうで、声の張りや輝きで訴えるのはタイヘンかも知れないが、若いメンバーも何人かいるようなので、「声での訴え」は「若手」がけん引役となり、熟達した表現では年配のメンバーがイニシアチブを取るなど協力体制を強化して更なる可能性に向かえそう。

ミサ曲とクリスマス・オラトリオに出演したソリスト達も素晴らしかった。小泉さんのメゾは、静かな炎が灯り格調高く、とりわけクリスマス・オラトリオのアリア「備えよ、シオン」は神々しさすら感じた。テノールの古橋さんの歌はベルカントの朗々とした美声にしびれ、中瀬さんのバスは、安定した歌唱に深くて濃いメッセージが伝わってきた。

モテットも含め全ての曲目でアンサンブル・アルス・ノヴァが演奏に加わった。弦の乱れが時おり気になったが、瑞々しく端正な弦楽合奏に表情豊かで雄弁なオーボエのオブリガートなど木管楽器が加わり、合唱に潤いを与えていた。

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