紀の日米同盟と韓米同盟は過去の同盟とは異なり、特定の敵国を想定せず、東アジア共同
の軍事および人間の安全保障の脅威に対処し地域秩序の不確実性に備える相互互恵的で協
力的なネットワークとして進化している。こうした安全保障関係においては政府を中心に
多様な主体が国防、地域安全保障、人間の安全保障、経済、社会文化交流などで多面的に
協力することが重要であることを認識する。
日韓両国は緊密な安保協力のために、2009年4月23日「日韓国防交流に関する意向書」に
より合意された高位国防関係者の交流を積極的に実施し、信頼醸成および協力拡大のため
に努力しなければならない。両国は1996年の「日米安保共同宣言」や2009年の「韓米同盟
のための未来ビジョン」などにより、各自の米国との同盟が継続して両国の平和と地域全
体の安定と協力のため貢献しているという点を認識している。日韓両国は東アジアにおい
て米国の軍事的存在が地域の安定的な効果をもつように、駐留米軍の役割や米国との二国
間同盟における日韓米の役割に対して認識を共有すべく意見を交換し、同盟の肯定的な役
割を強化するよう取り組んでいく。
日韓両国は、米国が東アジアの共生複合ネットワーク構築に積極的に関与し、地球的な
リーダーシップを発揮することができるよう、日韓米三カ国の緊密な協議と協力を強化し
なければならない。この協議と協力は、いかなる勢力も疎外せず中国、ロシア、北朝鮮、
ASEAN、オセアニア諸国などとの対話、多国間協力と両立するよう努める。
4.中国の浮上と新たな東アジア地域秩序構築のための協力
中国が経済的、軍事的に成長し、政治的な影響力を拡大している状況で、日韓両国は中
国の発展を歓迎すると同時に中国の浮上が国際政治においても肯定的な影響を与えるよう
意見交換していく。中国を含めた二国間、三国間関係を全般的に濃密にし、信頼醸成やリ
ーダー、公務員、専門家間の交流を更に進め、日韓中首脳会談を活性化させるべきである。
日韓両国は、中国の軍事的発展が地域の平和に貢献する事を期待し、中国と信頼醸成措
置や軍備管理対話のような安全保障会談・交流を積極的に推進する。日韓両国は中国が東
アジアの共生複合ネットワークに積極的に参加することが中国の持続的な発展に有益であ
る点を強調し、中国が東アジアひいては国際社会において責任ある大国として行動するこ
とに共に協力する。
日韓両国は、中国が両国との共通の認識に基づいて北朝鮮の核放棄、北朝鮮の開放・改
革政策の実現、平和的で安定的な朝鮮半島の統一、長期的には安定された北東アジアの国
19
際関係の構築などに積極的に貢献することを要望する。
日韓両国は東シナ海、南シナ海の海洋秩序に関し、中国との対話を深め、同時にASE
AN地域フォーラム(ARF)などの多国間安保機構を活用し平和的協力の環境を整えて
いく。例えば、インド洋やマラッカ海峡、東シナ海をつなげる海上運送路の安全確保のた
めの情報交換や海上安全のための協力を多国間レベルで推し進めていくことや、ARF主
催の災害対応訓練などを考える事ができる。
日韓は東アジアでの地域協力がエネルギー、地球環境問題、テロ、麻薬、国際犯罪、大
量破壊兵器の拡散、疾病、災害など人間の安全保障といったグローバルな安全保障課題へ
の解決と結びつくよう、特に非政府主体であるNGO、NPO等の地域における国際協力
を増進するため、東アジアNGOネットワークの構築を提起し、広く参加を呼びかける。
5.世界的な安全保障のための協力
日韓両国は、国際社会の共通の課題となっている予防外交、平和構築、大量破壊兵器の
拡散防止、テロ対策、大規模災害や感染症対策などの新しい安全保障分野において協力を
深める必要がある。
日本は1980年代から「総合安全保障」を提示しており、安全保障を非軍事的な側面まで
拡大して来た。ODAなどの多様な手段の効果的な活用を図ってきた経験を有している。
韓国は国連平和維持活動などにおいて積極的に活動してきた経験を有しており、新興援助
国として浮上している。両国は経験を共有し、幅広い協力を実現するために、日韓の安全
保障協力をより一層強化していくべきである。
具体的な協力項目として、紛争の懸念がある地域における紛争予防のための情報交換、
国連平和維持活動(PKO)などによる平和構築や紛争地域再建支援のための国防組織や
文民政府組織、また民間の優位性のある部門に関する情報交換、派遣任務に備えた普段か
らの共同訓練や装備・補給の共用などを検討すべきである。また、予防外交、平和構築、
人道支援等に取り組む人材を系統的に育成するために、人材育成プログラムを日韓政府及
びNGO、教育機関等で設立する。日韓両国は国連平和構築委員会など国連の安全保障機
能の強化に取り組み、また、アジアにおけるPKO部隊訓練協力センターの共同運営など
も検討に値する。
日韓両国は、人間の安全保障の分野で包括的な協力を検討する。対テロ、難民、環境、
20
災害緊急救助活動、疾病および感染症対応や海洋違法行為および海賊撲滅などの分野で日
韓両国は情報を交換し、協力の拡大をはからなければならない。日韓で基本方針について
の協定締結などの制度化を進め、関係官庁、民間団体等での情報交換、協力体制を整備す
べきである。
日韓両国は非核政策を採択すると同時に、世界的な非核化に向けた核軍縮と核拡散防止
に強い意志を持っていることを確認する。大量破壊兵器の開発及び拡散防止のための国際
的な機関であるNPT、IAEA、原子力供給国会議(NSG)、CWC、BWCなどの
機能強化のために日韓両国は協力を強化しなければならない。CTBTの発効に向け関係
国を動員し、ジュネーブ軍縮会議で推進されている武器用の核分裂物質の生産禁止条約の
成立に関しても協力する。大量破壊兵器拡散防止のための国際規範の強化、拡散防止構想
(PSI)の強化などに関しても意見交換を行い、協力をはかる。
6.エネルギー環境分野の日韓協力
日韓両国は海外の資源に依存しながら経済発展をはかってきた国家として、エネルギ
ー・資源の希少性、環境保護などの問題を解決するため、協調しながら解決策を提示して
いくべき立場にある。原子力については、両国原子力産業・技術開発の協力を進め、原子
力の平和利用を確保する技術を世界的に普及させるべきである。
一方、日韓両国の積極的な環境政策の実施にもかかわらず、両国の温室ガス排出量は増
加している。中国も急速な産業化の進行により世界最大の温室ガス排出国家となった。こ
のような状況から、日韓両国は、環境分野での日韓中三カ国協力に今まで以上に一致して
取り組む必要がある。
日韓両国は、1990年代以降進められてきた環境協力を持続的に進め、その制度化を目指
す。両国は、東アジアで深刻になっている大気汚染、砂漠化などの環境悪化に注意を傾け、
環境政策および技術に関する協力を追求しながら、ASEAN、APECなど関連の制度
を活用し、各国が適切な行動をとるべく国際協力の枠組を強化する。
日韓両国は、低炭素社会への移行のため、原子力や自然エネルギーなどの安全かつ効率
的な技術開発の促進と国際的普及のために協力する。また、太陽光発電、風力発電などの
利用促進を目標に2009年1月に創立した国際再生可能エネルギー機関(IRENA)などで
も協力を推進する。ハイブリッドカーや電気自動車、クリーン技術の開発などでも優位性
を持っており、強みを活かしていく努力が求められる。
21
エネルギー及び環境に配慮した経済成長のために21世紀のフロンティアとして注目され
るのが海洋及び宇宙の効果的な利用である。日韓は海洋資源の合理的な利用のため、海洋
資源探査、南極、北極海地域等での共同調査、宇宙探査ならびに衛星開発、打上等に関し
て協力の枠組みを検討することが望ましい。
日韓両国は、環境分野の協力を地球規模の環境ガバナンス構築へと拡げていくべきとの
点で認識をともにする。両国は2012年に期限を迎える京都議定書に代わる新たな協定の策
定のために協力し、ポスト京都議定書体制を確立する責務を果たすべく努力する。
7.グローバル・ガバナンスのための日韓協力
21世紀の国際政治において、世界的な規模の課題が複雑になるにしたがい、複合ネット
ワークの発展と多層的なグローバル・ガバナンスは必然的なものとなった。今日、グロー
バル・ガバナンスは米国を先頭にした主要国のリーダーシップ、既存のG8、新たに発展
しているG20、そして全ての国家が参加する国際連合など、多様な領域における多層的
なレベルで混在している形態で展開している。日韓両国は、このような多層的なガバナン
スの橋渡しの役割を果たせる立場にある。両国は、堅実な市場経済と民主主義を基礎に西
洋世界と非西洋世界、先進国と開発途上国の架け橋として両側の立場を理解する事ができ
る。今後日韓両国は、多国間会談や主要国との外交で多様な国家の利益を集約し、グロー
バル・ガバナンスの効果を増大させる役割を担わなければならない。
日韓両国は、国連機関やブレトンウッズ機関、G8やG20などの意思決定が効率的に
行われ、現在の世界を反映した場となるよう意見を交換して協力を進める。効果的なグロ
ーバル・ガバナンスの実現にむけて両国は次の事項に取り組む。第一に、日韓両国は、A
RF、ASEAN+3、EAS、APECなど地域レベルの協力枠組みと国連などの地球
規模の協力枠組みとの連携に積極的に取り組む。地域レベルとグローバル・レベルの協力
枠組みが互いに連携することで、地域内あるいは地球規模の問題はより迅速かつ効率的に
解決しうる。日韓は、アジア・太平洋、東アジア、北東アジアそれぞれの地域のすべての
協力枠組みで中心的役割を担っており、地域ガバナンスとグローバル・ガバナンスの調和
と統合を主導できる立場にある。
第二に、日韓両国は大量破壊兵器、テロ、海賊、疾病・保健、麻薬、災害、開発協力・
援助など人間の安全保障分野での多国間協力にさらに意欲的に参加し、これまで主に欧米
諸国が主導してきた議題の設定、規則の制定、規範の拡散といった役割を共に担うべく協
22
力する。
第三に、日韓両国は、これまで主に国内で活動してきた両国のNGOが、日韓間の相互
交流や他国のNGOとの連携を通じて地球規模の課題へと目を向けることを歓迎し、両国
のNGOが効果的かつ民主的なグローバル・ガバナンスの構築において建設的な役割を果
たせるよう支援していく。両国は高等教育機関などを通じて国際機構で活躍する人材の効
果的な育成のためのプログラム設立を検討する。
23
の軍事および人間の安全保障の脅威に対処し地域秩序の不確実性に備える相互互恵的で協
力的なネットワークとして進化している。こうした安全保障関係においては政府を中心に
多様な主体が国防、地域安全保障、人間の安全保障、経済、社会文化交流などで多面的に
協力することが重要であることを認識する。
日韓両国は緊密な安保協力のために、2009年4月23日「日韓国防交流に関する意向書」に
より合意された高位国防関係者の交流を積極的に実施し、信頼醸成および協力拡大のため
に努力しなければならない。両国は1996年の「日米安保共同宣言」や2009年の「韓米同盟
のための未来ビジョン」などにより、各自の米国との同盟が継続して両国の平和と地域全
体の安定と協力のため貢献しているという点を認識している。日韓両国は東アジアにおい
て米国の軍事的存在が地域の安定的な効果をもつように、駐留米軍の役割や米国との二国
間同盟における日韓米の役割に対して認識を共有すべく意見を交換し、同盟の肯定的な役
割を強化するよう取り組んでいく。
日韓両国は、米国が東アジアの共生複合ネットワーク構築に積極的に関与し、地球的な
リーダーシップを発揮することができるよう、日韓米三カ国の緊密な協議と協力を強化し
なければならない。この協議と協力は、いかなる勢力も疎外せず中国、ロシア、北朝鮮、
ASEAN、オセアニア諸国などとの対話、多国間協力と両立するよう努める。
4.中国の浮上と新たな東アジア地域秩序構築のための協力
中国が経済的、軍事的に成長し、政治的な影響力を拡大している状況で、日韓両国は中
国の発展を歓迎すると同時に中国の浮上が国際政治においても肯定的な影響を与えるよう
意見交換していく。中国を含めた二国間、三国間関係を全般的に濃密にし、信頼醸成やリ
ーダー、公務員、専門家間の交流を更に進め、日韓中首脳会談を活性化させるべきである。
日韓両国は、中国の軍事的発展が地域の平和に貢献する事を期待し、中国と信頼醸成措
置や軍備管理対話のような安全保障会談・交流を積極的に推進する。日韓両国は中国が東
アジアの共生複合ネットワークに積極的に参加することが中国の持続的な発展に有益であ
る点を強調し、中国が東アジアひいては国際社会において責任ある大国として行動するこ
とに共に協力する。
日韓両国は、中国が両国との共通の認識に基づいて北朝鮮の核放棄、北朝鮮の開放・改
革政策の実現、平和的で安定的な朝鮮半島の統一、長期的には安定された北東アジアの国
19
際関係の構築などに積極的に貢献することを要望する。
日韓両国は東シナ海、南シナ海の海洋秩序に関し、中国との対話を深め、同時にASE
AN地域フォーラム(ARF)などの多国間安保機構を活用し平和的協力の環境を整えて
いく。例えば、インド洋やマラッカ海峡、東シナ海をつなげる海上運送路の安全確保のた
めの情報交換や海上安全のための協力を多国間レベルで推し進めていくことや、ARF主
催の災害対応訓練などを考える事ができる。
日韓は東アジアでの地域協力がエネルギー、地球環境問題、テロ、麻薬、国際犯罪、大
量破壊兵器の拡散、疾病、災害など人間の安全保障といったグローバルな安全保障課題へ
の解決と結びつくよう、特に非政府主体であるNGO、NPO等の地域における国際協力
を増進するため、東アジアNGOネットワークの構築を提起し、広く参加を呼びかける。
5.世界的な安全保障のための協力
日韓両国は、国際社会の共通の課題となっている予防外交、平和構築、大量破壊兵器の
拡散防止、テロ対策、大規模災害や感染症対策などの新しい安全保障分野において協力を
深める必要がある。
日本は1980年代から「総合安全保障」を提示しており、安全保障を非軍事的な側面まで
拡大して来た。ODAなどの多様な手段の効果的な活用を図ってきた経験を有している。
韓国は国連平和維持活動などにおいて積極的に活動してきた経験を有しており、新興援助
国として浮上している。両国は経験を共有し、幅広い協力を実現するために、日韓の安全
保障協力をより一層強化していくべきである。
具体的な協力項目として、紛争の懸念がある地域における紛争予防のための情報交換、
国連平和維持活動(PKO)などによる平和構築や紛争地域再建支援のための国防組織や
文民政府組織、また民間の優位性のある部門に関する情報交換、派遣任務に備えた普段か
らの共同訓練や装備・補給の共用などを検討すべきである。また、予防外交、平和構築、
人道支援等に取り組む人材を系統的に育成するために、人材育成プログラムを日韓政府及
びNGO、教育機関等で設立する。日韓両国は国連平和構築委員会など国連の安全保障機
能の強化に取り組み、また、アジアにおけるPKO部隊訓練協力センターの共同運営など
も検討に値する。
日韓両国は、人間の安全保障の分野で包括的な協力を検討する。対テロ、難民、環境、
20
災害緊急救助活動、疾病および感染症対応や海洋違法行為および海賊撲滅などの分野で日
韓両国は情報を交換し、協力の拡大をはからなければならない。日韓で基本方針について
の協定締結などの制度化を進め、関係官庁、民間団体等での情報交換、協力体制を整備す
べきである。
日韓両国は非核政策を採択すると同時に、世界的な非核化に向けた核軍縮と核拡散防止
に強い意志を持っていることを確認する。大量破壊兵器の開発及び拡散防止のための国際
的な機関であるNPT、IAEA、原子力供給国会議(NSG)、CWC、BWCなどの
機能強化のために日韓両国は協力を強化しなければならない。CTBTの発効に向け関係
国を動員し、ジュネーブ軍縮会議で推進されている武器用の核分裂物質の生産禁止条約の
成立に関しても協力する。大量破壊兵器拡散防止のための国際規範の強化、拡散防止構想
(PSI)の強化などに関しても意見交換を行い、協力をはかる。
6.エネルギー環境分野の日韓協力
日韓両国は海外の資源に依存しながら経済発展をはかってきた国家として、エネルギ
ー・資源の希少性、環境保護などの問題を解決するため、協調しながら解決策を提示して
いくべき立場にある。原子力については、両国原子力産業・技術開発の協力を進め、原子
力の平和利用を確保する技術を世界的に普及させるべきである。
一方、日韓両国の積極的な環境政策の実施にもかかわらず、両国の温室ガス排出量は増
加している。中国も急速な産業化の進行により世界最大の温室ガス排出国家となった。こ
のような状況から、日韓両国は、環境分野での日韓中三カ国協力に今まで以上に一致して
取り組む必要がある。
日韓両国は、1990年代以降進められてきた環境協力を持続的に進め、その制度化を目指
す。両国は、東アジアで深刻になっている大気汚染、砂漠化などの環境悪化に注意を傾け、
環境政策および技術に関する協力を追求しながら、ASEAN、APECなど関連の制度
を活用し、各国が適切な行動をとるべく国際協力の枠組を強化する。
日韓両国は、低炭素社会への移行のため、原子力や自然エネルギーなどの安全かつ効率
的な技術開発の促進と国際的普及のために協力する。また、太陽光発電、風力発電などの
利用促進を目標に2009年1月に創立した国際再生可能エネルギー機関(IRENA)などで
も協力を推進する。ハイブリッドカーや電気自動車、クリーン技術の開発などでも優位性
を持っており、強みを活かしていく努力が求められる。
21
エネルギー及び環境に配慮した経済成長のために21世紀のフロンティアとして注目され
るのが海洋及び宇宙の効果的な利用である。日韓は海洋資源の合理的な利用のため、海洋
資源探査、南極、北極海地域等での共同調査、宇宙探査ならびに衛星開発、打上等に関し
て協力の枠組みを検討することが望ましい。
日韓両国は、環境分野の協力を地球規模の環境ガバナンス構築へと拡げていくべきとの
点で認識をともにする。両国は2012年に期限を迎える京都議定書に代わる新たな協定の策
定のために協力し、ポスト京都議定書体制を確立する責務を果たすべく努力する。
7.グローバル・ガバナンスのための日韓協力
21世紀の国際政治において、世界的な規模の課題が複雑になるにしたがい、複合ネット
ワークの発展と多層的なグローバル・ガバナンスは必然的なものとなった。今日、グロー
バル・ガバナンスは米国を先頭にした主要国のリーダーシップ、既存のG8、新たに発展
しているG20、そして全ての国家が参加する国際連合など、多様な領域における多層的
なレベルで混在している形態で展開している。日韓両国は、このような多層的なガバナン
スの橋渡しの役割を果たせる立場にある。両国は、堅実な市場経済と民主主義を基礎に西
洋世界と非西洋世界、先進国と開発途上国の架け橋として両側の立場を理解する事ができ
る。今後日韓両国は、多国間会談や主要国との外交で多様な国家の利益を集約し、グロー
バル・ガバナンスの効果を増大させる役割を担わなければならない。
日韓両国は、国連機関やブレトンウッズ機関、G8やG20などの意思決定が効率的に
行われ、現在の世界を反映した場となるよう意見を交換して協力を進める。効果的なグロ
ーバル・ガバナンスの実現にむけて両国は次の事項に取り組む。第一に、日韓両国は、A
RF、ASEAN+3、EAS、APECなど地域レベルの協力枠組みと国連などの地球
規模の協力枠組みとの連携に積極的に取り組む。地域レベルとグローバル・レベルの協力
枠組みが互いに連携することで、地域内あるいは地球規模の問題はより迅速かつ効率的に
解決しうる。日韓は、アジア・太平洋、東アジア、北東アジアそれぞれの地域のすべての
協力枠組みで中心的役割を担っており、地域ガバナンスとグローバル・ガバナンスの調和
と統合を主導できる立場にある。
第二に、日韓両国は大量破壊兵器、テロ、海賊、疾病・保健、麻薬、災害、開発協力・
援助など人間の安全保障分野での多国間協力にさらに意欲的に参加し、これまで主に欧米
諸国が主導してきた議題の設定、規則の制定、規範の拡散といった役割を共に担うべく協
22
力する。
第三に、日韓両国は、これまで主に国内で活動してきた両国のNGOが、日韓間の相互
交流や他国のNGOとの連携を通じて地球規模の課題へと目を向けることを歓迎し、両国
のNGOが効果的かつ民主的なグローバル・ガバナンスの構築において建設的な役割を果
たせるよう支援していく。両国は高等教育機関などを通じて国際機構で活躍する人材の効
果的な育成のためのプログラム設立を検討する。
23