毛唐もすなるブログといふものを

日本男児もしてみむとてするなり

日本が拒否権を持つのは当然

2005-07-23 00:00:00 | 国際
国連改革における焦点は、常任理事国拡大と拒否権の取り扱いです。この両者は区別せねばなりません。

常任理事国に日本、ドイツ、インド、ブラジルを加えようとして、アフリカが文句を言っています。今回の案からすればアフリカの文句はもっともです。インドとブラジルは明らかに世界の大国ではなく地域代表的な国だからです。そうであればアフリカが俺たちの代表を出させろというのはもっともです。もっと言えばイスラム(北アフリカ~イラク)の代表がいてもいい(内部争いがひどくてとても無理だけど)。

しかし、拒否権は大国一致の原則の現われですから、日本とドイツには与えられるべきですが、インド、ブラジル等には与えられるべきではありません。地域代表を安保理に入れることは当然ですが、拒否権はまた別の問題です。また、国連への拠出金の額からしても日本とドイツは拒否権を持つべきですが、インド、ブラジル等はそうではありません。国際社会では金を出す者は口も出すのであって、それを主張することは全然おかしな話ではなく、むしろ口を出さないとたかられ、かもられ、すってんてんにされてしまうのがおちです。それがグローバル・スタンダードというものです。日本は金は出しても口を出すべきではないというのは、日本流ムラ社会の発想で、そういう人に限って国際化国際化と連呼するんだから噴飯ものです。そんなことではとてもこの世知辛い国際社会をわたっていけません。

この度の国連・安保理改革を理性的に処理するなら、日本とドイツのみを安保理常任理事国に加え、拒否権も与えれば済むことです。しかし、それは第二次世界大戦処理の枠組みの解体を意味し、その枠組みから恩恵をこうむっている国(支那、ロシアなど)は当然反発します。そして、これを機に自国の地位向上に動く準大国(インド、ブラジルなど)が蠢くうえ、中小国は自分の国の票をどれだけ高く売るかに狂奔します。そういうパワーバランスを上手に泳ぎきり今回の改革を成功させることが是非とも必要なのに、そのための戦略を立て遂行する力量が日本には明らかに欠けているとわたしはおもいます。しかし、だからといって諦めてはいけません。