株式会社プランシードのブログ

株式会社プランシードの社長と社員によるブログです。
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その373.粗編集2日目

2018-06-04 06:55:12 | 制作会社社長の憂い漫遊記
夜が明けて(実際はまだ明けてませんが)
粗編集2日目。午前3時半。
ライトを付けたチャリンコを飛ばす。
すでに頭の中は編集モード。
昨日の粗編集作業で気に入らない箇所が
よみがえってくる。
危ないことだが、チャリンコで
どの道をどう走ったか記憶にない。

会社につくと編集機の電源を入れて席につく。
昨日作成したものを、
まずは前後の繋がりがスムーズかを見てみる。
悪くはないが、インタビュー3名を差し替えてみる。
おー、いいじゃん。
チャリンコをこきながら
頭をよぎったカットも差し替えてみる。
おー、いいじゃん。
こんな感じで流れ重視で組み替えると共に
気に入らないカットも差し替えて1時間経過。

次に挿入した文字に誤植がないか、
さらに文字の位置や文字が出るタイミングを
大画面で目を凝らす。やっぱり見逃しがあった。
一人で編集すると誤植はよくあること。
そういえばかって朝日新聞社のVPの粗編集で入れた
エンドクレジットに企画:読売新聞社と入れたことがある。
粗編集は拍手喝采だったがその拍手が笑い声に変わった。
エンドクレジットを見たスポンサー担当者が
バカウケしながら「監督、シャレっけがありますね」と言う。
当の本人は全く意味がわからないが、
横に座るプロデューサーが苦虫を潰した顔でコツいてきた。
それでもわからず私は拍手喝采に微笑んだが、
続いて「読売新聞社ってきついわ~」と言われて
初めて気づいた。
もはや笑うしかない。

誤植修正をしながら、数カット文字の位置を変更。
文字を邪魔するカットもあり差し替えた。
ここでハタと気づく。
この流れだとドラマ部分からスムーズに
ドキュメンタリー部分に繋がらない。
このカットは外そう。
ぐっとスッキリ短くなった。
当初の目論見通り3つのテーマの後ろにつく
インタビューは全て30秒に収まった。
不思議なものだ。3箇所のインタビューは1名ではない。
2名の箇所もあれば3名の箇所もある。
なのに3箇所共に30秒に収まった。
1名でも大変なのに、うまくいくときはこんなものだ。
ここで1時間が経過。

次に台本張り付け用にスクリーンショットを撮る。
特に文字のあるカットは台本に張り付けて
みなさんで確認した方が安全だ。
専門用語や業界用語はスポンサーに見てもらうのがベスト。
スクリーンショットした画像を台本に張り付けながら
ドキュメンタリー部分前後のドラマ部分も数カット割愛した。
割愛とは涙を呑んで愛をもって捨てること。
せっかく撮ったのにカットした。
台本はあくまでも撮影前に作ったものだから
編集すると変わるのは当然。
台本をトレースしただけの撮影や編集ではヨレヨレのまま。
出荷時はアイロンをかけて男前にしてやらねば。それが割愛だ。
スクリーンショットを張り付けたり、
割愛シーンを消し去ったりと台本修正を加えて1時間。
編集を始めて3時間が経過した。

ここでお茶休憩。
休日でもメールはくる。大抵は広告メールなので、ごみ箱にポイ。
おっとスポンサーからも来ている。
危うくポイするところだった。
仕事に萌える方々はどの業界にもいる。
そんな萌える人びとの出世を願いつつ、メールをチェックし
返信もした頃には、頭は完全にリセット。

気持ちを新たにして頭から見直す。
いいじゃん、いいじゃん。問題なし。
ドラマ部分にドキュメンタリー部分を差し込むと
また触りたくなるだろうが、
それは川村チーフの上がりを見てからの判断だ。
ココロのタグに「確認済」の判子を押す。
頭のリセットタイムも含めて計4時間の作業だった。

時計を見るとまだ朝の8時過ぎ。
ブラインドの隙間から外を見ると、
家を出た時は薄暗かった街がすでにお目覚め。
通りには車が行き交っている。
今日も快晴、爽やかな日曜の朝だ。
最後にドラマ部分編集担当の川村に
「多田編集部分は完了」をメール送信して
チャリンコで家路に向かう。
腹へったー。帰ったら何を食おうか?それとも朝酒?昼寝?
もう気になる編集点はよぎらない。
編集の「へ」の字も出てこない。
淀川の初夏の風を感じながら河川敷を軽快に飛ばした。

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