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はぎおの「ツボ」note

興味がかなり偏ったはぎおが「ツボ」にはまったことを、のんびりと、時に激しく?!思いつくまま綴ってます…

このブログについて

ようこそいらっしゃいました !(^^)!
『はぎおの「ツボ」note』は、ドラマ・エンタメ系の感想、旅行記etc. 自由気ままな「日記」です! 内容はかなり偏ってますが (^-^; お気軽に楽しんでください♪
いま関心があるのは「昔の時代劇・刑事ドラマ・サスペンス」「お芝居(宝塚中心)」「神社・仏閣」かな (^.^)
※なお、コメント等については、承認後の掲載とさせていただきますので、ご了承ください。

1年ぶりの生観劇 「屋根の上のヴァイオリン弾き」

2025-05-06 08:05:00 | 記録:観劇
GWも今日でおしまい。
そんな憂鬱を反映してか?肌寒い雨になりましたね。
 

唯一遠出したのは観劇。
確実に人が多そうな日でしたが、せっかく地方に来る!と思って、その他のことはあまり考えずチケットゲットしたのが1月。
それからあっという間の5月!その演目は、
 
 
 
主題曲「サンライズ・サンセット」を知っている程度で、恥ずかしながら、ほとんどストーリーを知らないままの初観劇。
 
最初はチラシをゲットできれば良しとしよう、くらいの感覚でしたが、観劇後、結局パンフを買うことに
ストーリーはこちら↓
帝政ロシアの時代、ユダヤ人たちの空の村、アナテフカを舞台に、貧しくても幸せな日々を過ごす一家を中心に、習慣、宗教、政治など、様々な問題を時にコミカルに、時にシリアスに、陽気な音楽とともに描く壮大なストーリー。。ってところかな?
 
客層を見ると、普段のお芝居よりも、宝塚よりも、ずーっと高い年齢層。
そして、ご夫婦、男性が多くみられた。
それだけ歴史のある、ある意味日本の「古典」的ミュージカルなのだと実感。
確かに、若い時に見ていたら、正直、深く考えることのないテーマだったかもしれない。
 
以下、ネタバレありです。
 
東宝のHPにもありましたが・・・
結婚に必要なのは「愛」なのか「金」なのか?
政治的思想と、理想の家庭は両立するものなのだろうか?
宗教の違いを超えて、人は幸せになれるのだろうか?
親の信念を子供たちに押し付けることは良いことなのか?
 
見始めてからすぐに、これって、今ブームの「昭和」の時代の日本じゃん!って感じました。
宗教的な問題は少し違うかもしれないけど、「お見合い結婚」とか「家の格」とか、本人の意思を無視したところで話が進んでいく、というところは、自分の親世代までガッツリ当てはまってたし。
 
時代はどんどん移り変わっていくものですが、この「貧しくても幸せ」な一家が、時代の渦に巻き込まれていく姿を見ていると、個人的には、本当に「変化することは幸せなのか」と思えてならなかった。
 
一見古臭く感じるかもしれないけど、普遍的テーマを描いてるから、50年以上の長きにわたって上演されてきたのだな、とつくづく感じます。
それに、ロシア、ウクライナ、ユダヤ・・・奇しくも今まさに紛争が起きている場所が舞台。
大昔から続くこの争い。日本人にとっては難しい話だけど、戦争の悲惨さだけはわかる。
国どうしの争いの一番の被害者は、庶民だから。
 
娘たちが新しい道を進むたび、親世代が困惑していく姿がメインで描かれていたけれど、一番グッと来たのは・・・
ご近所同士仲良く過ごしてきたユダヤ人とロシア人が、ひとたび争いが始まると、個人の友情を捨てざるを得ないシーン。個々は誰も責められない、その不条理さが戦争の「悪」だとつくづく思い知らされた気がする。
 
あんなに楽しく暮らしていた一家が、生まれ育った土地を去らねばならない。
一緒に見ていた友達が、「救いようのないラストだった」とポツリ。
確かに、やりきれない気持ちがあふれて、静かなエンディングに涙がジワジワ出てきた。
 
テーマもさることながら、ユダヤの習慣・風習・装束など、細かいところまでお芝居上で丁寧に描かれていて、なかなか勉強にもなりました。
 
 
当主のテヴィエは、これも持ち役となった市村正親さん。
彼の作品、結構見てますが、一番重苦しい役じゃないかなぁ。
もともとのコメディセンスを発揮しつつ、次第に追い詰められていく姿が痛々しくて。
 
妻のゴールデは、鳳蘭さん。
登場しただけで、さすがの力強さと華やかさ。
汚れ役?とは言わないけど、ああいう庶民的な役、初めて見たかも。
 
今回一番のお目当て、お金持ちの肉屋ラザール、今井清隆さん。
何度か生で拝見して、すっかりファンでございます
今回は脇なので、登場シーンは少ないですが、相変わらずの美声と迫力
 
そして、長女は美弥るりかさん。宝塚以来初めて舞台を拝見。
美しさは変わらず、すっかり女優さんしてました。やっぱり見栄えしますねぇ。
 
パンフ見れば、荒井洸子さん、園山晴子さん、附田正信さん・・他の東宝ミュージカルでもお名前を拝見したベテランがまだまだ頑張ってらっしゃる。
 
それにしても、若い方は歌やダンスが上手いですね。
ミュージカルのすそ野が広がってるのがよくわかります。
ただ、すっかりおばさんになったせいか、声や歌がちょっとみんな同じように見えちゃって。
自分の感性が衰えたのか、そういうのが主流なのか
 
というのも、「古典」的ミュージカルだからか、今まで見てきたテンポのいい「ザ・ミュージカル」というより、「現代劇」という印象を持ったから。
なので、初演の森繫さん、三代目西田さん達の「屋根~」も見たかったなぁ・・・という気持ちが強くなった。どういう「化学変化」を起こしていたか。
もちろん、ミュージカルスターの市村さんも素敵なんだけど、根っから役者さんである彼らがどう演じたのか、とても興味を持った。
 
 
これは、難しくて複雑なテーマだけど、見た感想は人それぞれ違うし、どれが正解、というのも違う。見て考える作品。そんな気がした。
派手な作品ではないけど、多くの人が見るべき作品だと思う。。。
 
最後になりましたが、地方公演で「生オケ」だったのは驚きで、とてもうれしかったです。迫力が違う。生声とのコラボはライブ感が増す。
「観劇」してきた!という実感がありました。
 
 
ただ・・・・
チケット代、高かった
チケット代と交通費、お買い物諸々含めて、宿泊付きのちょっとした国内旅行ができるほど。
今年は、結構お芝居が来広する予定のようですが↓これだけ高騰すると、足が遠のきますねぇ。
2023.11 にも同様の記事)



「家政婦のミタゾノ」も上演されるとか。見たいんだけどな。
ほかにも舞台、歌舞伎、落語も来るんですけどねぇ。
今年はあと何回行けるか


それと、やはり箱物(建物)の古さは否めなかった。近年、各県で新たな文化ホールが建築されているのに、広島って中堅都市の割に、ないんだよねぇ。
座席はいいけど、ロビーは明らかに狭い。舞台も窮屈に感じた。
何より御手洗が、改善されてたものの、やはり少なすぎる。。
コンサートもそうだけど、ホールの数が少ないし、いわゆる「広島飛ばし」も仕方ないのかなぁ💦

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結構好きなのかも、ミュージカル 。

2025-03-05 08:52:44 | 記録:観劇

またまた、「帝劇」ネタ?になりますが・・・

日テレで、特別番組が放送されました。

さよなら帝国劇場 最後の1日 THE ミュージカルデイ

 

結構力入ってましたね。
内部の映像、広いロビーや階段、楽屋通路、奈落などなど。
フカフカのじゅうたん、ステンドグラス・・・独特な、高級感たっぷりのしつらえ。
なので、他の劇場にはない「特別感」がありました。。もう二度と見れないのか~

       

この劇場から、コンサート千秋楽を迎えたミュージカル俳優の皆さんが生放送で名曲を披露したり、思い出を語り合ったり。
2週間の公演の後の生放送。本当にお疲れ様でした。

で、この番組の中で紹介されたのが、ミュージカルファンに聞いたという、好きなミュージカルの名曲ランキング↓
      

帝劇ラストデーで、劇場に関係ない作品はどうなの?いう声もチラホラ聞こえましたが。。。
確かに、半分は劇団四季(ディズニー)と映画の曲。
でも、ミュージカル好きが選んでるんだから、これはこれで当然でしょうって感じで。
逆に、「これも入れてよ!」と思うものもたくさんありましたが。
個人的に、すごい映像が見られて、素晴らしかったなぁと。


ランキングに入ってない曲も、出演者の方たちの生歌で披露。
市村さんの「見果てぬ夢」や、「モーツアルト!」歴代出演者勢ぞろいで「僕こそミュージック」(これはすごかった!)などなど、もう二度と聞けないようなメンバーでの歌声は、仕事でイライラしていたのもすっかり忘れ、目もキラキラ😆😍心もときめくようなひと時。
 
正直、よくあれだけの作品の「権利関係」をクリアできたなぁ、と、そちらにも感心するばかり。


劇場内や舞台を見せろ、とか言う声も聞こえたけど、この日は千秋楽。演者やスタッフが打ち上げされてたそうで。きっと語りつくせぬ思いがあふれていたんでしょうね。劇場は観客だけのものじゃない。
むしろ、「ミュージカル」がテーマの番組で、休館した劇場のロビーを借りれたことだけでも贅沢✨


また逸れましたが。
このランキング。。。
生観劇、生鑑賞ではないものも多いけど、恐らく「モーツアルト!」以外は全部見てる・・・と思う。
我ながら、すごいなって。
ということは。。。ミュージカル好きを自称してもいいでしょうか??
 
MGMミュージカル映画も結構観たし、初期のディズニーミュージカル映画、そして四季の舞台も結構見てる。
やはり、素晴らしい音楽とダンスって、心躍りますねぇ。
 
 
「ラ・マンチャの男」を見られなかったのは、本当に残念。これだけが、心残り。
「モーツアルト!」も未見。全国公演、ないのかなぁ。
 
 
 
ただ・・・
宝塚もそうだけど、最近の東宝ミュージカルも、四季の作品も、縁遠くなってますが、音楽も耳にも残らないようなものが増えてきたのかな?
観に行きたいな、と思えるものがなくて。
 
 
以前にも書いたような気がしますが。
ミュージカルって、歌うまで当然、だとは思います。そういう「ミュージカル専門俳優」さんも増えてきました。
ただ、やはり「お芝居」なので、そこに個性とか芝居心がないと、単なる「コンサート」に過ぎないな、と。
遠い記憶なので、違ってたらゴメンナサイ。
「レ・三ゼ」の初演、ファンテーヌを演じていた岩崎宏美さん。ラジオ番組で、稽古中に演出家から「あなたのコンサートじゃないんだから」と何度もダメだしされた、というお話をされてた記憶があります。確かに、歌はうまいですが、芝居経験がほとんどない方だったので、なるほどなぁと。
あの時は、野口五郎さん、斉藤由貴さんなど、歌手メインの方が多く出演されてましたね。
初演の音声・映像が残っていないようなので、結局どのように演じられてたか知るすべはないのですが。
 
逆に、芝居が専門で、ミュージカルに抜擢された方の中でも、歌はう~んでも、雰囲気、芝居でグッと惹きつけられることもある。
不思議なもので。
 
 
またいろいろ話が逸れましたが、縁があれば、ミュージカルにかぎらず舞台鑑賞に足を運んでいきたいと思います。
やはり、劇場の空間、生の緊張感は、何にも代えがたいものがありますから。
 
 
 
ともあれ、「帝国劇場」お疲れ様でした。
また、行けることを楽しみに。
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思い出、からの「帝国劇場 コンサート」

2025-02-20 08:47:00 | 記録:観劇

ということで、現帝劇ステージの掉尾を飾る


「CONSERT THE BEST」


配信で拝見しました。
全部見たかったけど、開始時間も18時という中途半端だったし休日で探していて、ゲストで視聴日を決定。

もちろん、鹿賀さんご出演の回でしょう

 

ちなみにキャストはこちら↓(東宝HPより)
   

    

         
(東宝HPより)


当日チケット購入したのですが、初めてのサイトだったので手間取っちゃって、購入期限ギリギリの15分遅刻で参入。
タイムスケジュール見てなかったので、最初は用事しながらチラ見。
でも、やはりレベルの高いパフォーマンスに手が止まり始め、腰を据えてみました。
 
いや~。
帝劇での上演ミュージカルのうち53作品が、駆け足のようにメドレーで流れていきましたが、当たり前だけど素晴らしいものばかり
2000年代後半のものはあまり知らないのだけど、90年代までは結構見ているものも多くて、思わず手拍子したり、リズムに乗ったり。
ラインナップ見てると、帝劇だけでなく地方公演で結構観たなぁ・・・と思い出して。

「マイフェアレディ」
「スウィニートッド」
「ミーアンドマイガール」(宝塚版)
「エリザベート」(宝塚版)
「1789」(宝塚版)
「GUYS AND DOLLS」(宝塚版)

「スウィニー~」以外は何度も見聞きしてるし、曲も覚えてるよね。
(同規模の宝塚大劇場の方が多いけど)
 
かつては、ミュージカルだけでなく、東宝の名優たちのお芝居も上演されていました。長谷川一夫、山田五十鈴、萬屋錦之介・・・(敬称略)
その画像も流れ、60有余年の劇場の歴史を改めて感じます。
 
その歴史を支えたスタッフ、舞台裏の映像も、楽曲に載せて流れて、演者や観客だけの劇場ではないなと。
彼らの仕事があって、作品が成り立つ。

 
出演者に戻って、通しレギュラーはもちろん、ゲストレギュラーも熱演で、日本のミュージカル界って層が厚くなったなぁ、と。(ちょっと上からですけど
声量と存在感では、やはり涼風真世さんが群を抜いてた気がする。


そしてゲスト。
お目当ての鹿賀さんは、だいぶ老けた?印象ではあったけど、やはり飄々としたトークは素敵
そして、歌に入ると、何でしょう。どこからくるあの声量と世界観。
正直、昔は細かいビブラートが気になっていたけど、それもなくなって、むしろ前より滑らかで伸びやかな感じで、聞きほれちゃった。再びジャベール演じてくれないかな?と思ったほどで
 
 
そして、次のゲスト。
松たか子さん。
カンパニーの皆さんが白いラメの衣装で、軽やかに、楽し気にパフォーマンスされていた中、突然暗転で「ラマンチャの男」でのカーテンコールの映像。
そして、全く飾りのない黒い衣装で登場し、「見果てぬ夢」を鬼気迫る感じで歌い上げられた姿。
本来なら松本白鷗さんが登場されたかったと思うけれど、代わりとして務められた気概が感じられて、印象的でした。
松さんの「ミス・サイゴン」見てるし、「ラマンチャ」にも何度か出演されてたし、そろそろ、また彼女のミュージカル出演を期待したくなります。「レミゼ」のファンテーヌとか見てみたいな。
 
 
最後のゲストは、大地真央さん。
こちらは打って変わって、羽飾りの帽子とフリルのドレス。「ザ・ミュージカルスター」そのもの。
一気に晴れやかな空間に変わり、一時代を築いた方の独壇場となりました。



楽しい、リズミカルなラインナップから、悲哀のある重厚感の方へ変わっていくと、衣装も白から黒へ。そこも素敵。

そして、メドレーではなく、フルに歌い上げるターンへ。
「エリザベート」「ミス・サイゴン」そして、「レ・ミゼラブル」の名曲を。
コンサートだけど、セットも含め、舞台の光景が思い浮かぶような熱演ぶり。
 
昆夏美さんの「命をあげよう」。彼女のこの曲、初めて聞いた?気がする。比べるものではないけど、本田美奈子さんを彷彿とさせる悲哀、魂の叫びのような歌声。素敵でした。
 
ラストは、ゲストも含め、全員で「民衆の歌」。
これって、なかなかない光景です。
だって、出演機会のなかった松さんや大地さんが一緒に歌ってるんですよ。
それ見てるだけで、なんか感動してました。
 
ざっくりな感想ですが、これから観劇される方もいると思うので、このあたりで。


たった3度の観劇でしたが、それでも思い出深い経験。
帝劇だけが劇場ではないけど、ちょっとしたビル位のバリケードや、本物のヘリコプターなどなど、巨大なセットが建てられる大きさと、高級感はやはり特別な空間。
その強烈な印象を思い出させてくれるコンサートでした。
 
休憩入れて、トータル4時間
ちょっと長かったけど、みんなの思い入れの深さも感じられて、いい時間でした。


ちょっと残念だな、と思ったのは、私がよく拝見していた頃、帝劇作品でご活躍だった方のご出演が少なかったこと。
岡幸二郎さんとか、今拓哉さんとか、宮川浩さんとか、村井國夫さんとか。。。スケジュール合わなかったのかな?
 
 
もうこれでお終い、と思ってたけど、他のゲストバージョンも見たくなってきた。
全部は無理だよねぇ。
 
で、結局。
山口祐さまが久々に見たくなったので、19日の配信も見ちゃった
ゲストコーナーメインで見たのですが・・・思い切って、購入してよかった
どの方も素晴らしかったけど、やはり山口さんの存在感は圧倒的!!!
生で見た20年前より、もっと野性的で厚みのある声に変わっていて驚いたし、何より、声量が上回ってる
客席も、祐さまお目当ての方が多かったのかな?初日よりも盛り上がってて、ゲスト登場で最高潮
「ダンスオブヴァンパイア」とエリザから「最後のダンス」の2曲を披露。圧巻のパフォーマンス。。配信でも拍手が止められず。
駒田一さんの「アメリカンドリーム」も、一作品見終わるくらいの熱量と感情。
その後のトークは、変わらず「祐さまワールド」でした
 
その2曲で終了のはずが・・・通常のコーナーに戻り、「エリザベート」の「闇が広がる」では・・・山口さんがトートとして再登場
サプライズだったみたいで、観客も大盛り上がり!ルドルフは井上芳雄さん!なんというご褒美!
 

この2回だけでも、十分「歴史的パフォーマンス」を見せていただいた気分。満足、満足。。
あの素晴らしい面々の声のシャワーを、生で浴びたかったなぁ。。
 
 
さすがに、ちょっともう見れそうもないのが、残念
ただ、配信スタッフに「WOWOW」の文字があったので、もしかして放送がある??
期待しておこう。
 
 

実はこの記事、このコンサート初日当日に生放送された、堂本光一さんと井上芳雄さんがMCの「オールナイトニッポンGold」のアーカイブ放送を聞きながら書いています。
劇場に深い思い入れのあるお二人の思い出話、劇場の裏側などなど聞いていると、皆さんの汗と涙の詰まった空間を少し身近に感じられました。
 
 
新しい劇場のオープン予定は5年後、2030年。
私も還暦を迎える年
それまで元気でいられる自信はないけど観劇を目標に、頑張っていこうと思いました
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ほんの少し、「帝国劇場」の思い出 。

2025-02-18 08:23:00 | 記録:観劇

帝国劇場閉館、のニュースを聞いて、一度は行かなければと思っていたけど、やはり行けずじまいでした。。。


結局帝劇へは、2演目、トータル3回。でも、あの空間であの座席に座れたことは、今でも宝物です。

最初は25年前!演目は

「レ・ミゼラブル」

1987年初演。当時まだまだミュージカルどころか演劇にも知識がない頃。それでも超話題になったことは覚えています。
それから13年後、やっと念願かなって見るチャンスが訪れました。
この年は、今では信じられないくらい「観劇イヤー」でして。
結構タイトスケジュール組んで、劇場を渡り歩いてました。

レミゼ観劇は12月末。
おかげさまで、21世紀初年の年末年始、東京旅行を楽しむことになりました。

で、レミゼですが。
鹿賀丈史さんのバルジャン1回と、山口祐一郎さんのバルジャン1回。
2度も味わうという、自分でもこの先ないであろう「贅沢三昧」だと自負しつつ、もう満喫13年待って良かった!と心から思ったものです。
それぞれ、持ち味が違って、同じ作品でも違うものを見ているかのような。
しかも、山口さんの公演は、前から数列目!
念願の公演、主演お二人の声が生で聞けただけで涙が止まらなくて、恥ずかしくて。

出演者もまだまだ存じ上げない方も多かったのですが、アンジョルラス役岡幸二郎さんに出会えたことは幸運でした。
日本に、こんな突き抜けた歌声の方がいるんだ!と。その後、ジャベール役でも拝見した、今でも気になる存在です。
こちらも念願だった村井國夫さんのジャベール、それに、エポニーヌは島田歌穂さん、本田美奈子さん、両方を堪能できて。。。
まだまだ書き切れませんが、本当に幸せな時間だったなぁと

2005年には、大阪で「レミゼ」を見ました(どんだけ好きなの?!)もちろん、素敵な公演でしたが、同じ演目でも、当たり前だけど演者や劇場が異なると、ちょっと違う空間を感じたような。

以降、演出も変わったということですが、それ以来見ていないのが残念。


当時はDVDの販売はありませんでしたので、映像は残っていない。
代わりに、初演の鹿賀さん、滝田さん、そしてその後加入された山口さん版の実況CDを買っちゃいました
劇場で見られなかった東宝版「エリザベート」も山口さんと、内野聖陽さん版、それぞれを買って脳内で観劇を味わってみたり。。
(散財、散在



もう一作品は、2004年。

ミス・サイゴン

伝説の初演から12年後の再演、ということで、これは見なければと意を決して。



で、どうしても見たかった、松たか子さんがキム役の回。
まだ、今ほど伸びやかな感じでなく、役も彼女の持ち味では無いので、ちょっと物足りなさも感じたけど、新たな一面を垣間見られた気がして、今思うと、貴重な舞台だったな、と。その後のご活躍は皆さん周知のところ。

市村さんのエンジニア役。これこそ「当たり役」というか、彼のための作品、と言っても過言ではないほど、圧巻でした。
その後、いろんな方が演じられてきたけど、持ち味はあれど、強烈さで彼を超えた人はいなかったなぁ。2022.4記事

キムは、本田美奈子さんの当たり役でしたが、こちらは残念ながら生では見ることができなかった。

 

どちらももう20年以上前の経験。
だけど、作品と共に、あの場所に入れた高揚感は忘れません。


あの空間は出る側も憧れだと思いますが、見る方も、ちょっと気合入れて行かないと太刀打ちできない、そんないい意味で「圧」を感じる空間だったな、と思います。
そういう、「特別な場所」が失われつつあるって、寂しいなぁ。
新たな劇場がどのような形態かわかりませんが、変に商業施設とか住居とか入ると、なんか「現実味」が出てきて、エンタメだけを楽しめない、そんな感じがして。

そういえば、「俳優座劇場」も閉館。。一度行ってみたかったな。


最後に上京したのは、いつのことでしょう。。(思い出せない)
そろそろ、すっかり変わってしまったであろう街並みを見に行きたいなぁ。

 

「レミゼ」よりもずっと前から、帝劇の定番公演だった「屋根の上のバイオリン弾き」を地方公演で見る予定にしています!
帝劇の空気感を少しでも味わいつつ、楽しみたいと思います。。。
が、それにしても、チケット代が高すぎるよ~

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鬼が笑う?来年の観劇希望作品!

2024-11-14 08:56:00 | 記録:観劇

来年の話をすると「鬼が笑う」と言いますが、もう11月も半ばだから。
すでに発表されてる公演、地元(近く)に来るじゃないですか!
自分自身が来年どうなってるかわからないし、チケットもゲットできるかどうかわからない。
けど、コロナ乗り切った時のように、「行きたい」意欲を持って日々生活する大切さは大事ですよね?

 

屋根の上のヴァイオリン弾き

来るんですよ、いつも飛ばされる広島に!
少し前の東宝系の大作ミュージカル、生とか映像とかで割と見てる方なんですが、「屋根~」と「ラ・マンチャの男」は残念ながらその機会はなかった。
それが、見られるチャンス!
内容は・・・暗いという印象なのですが(薄くてゴメンナサイ)、市ちゃんをまた生で味わえる機会、そうそうないかもしれない。
そう思ったら、今からワクワクしちゃって。
来年の5月か6月、だそうで、それこそ先過ぎてわからないけど何とかして見に行きたい。


 

東京サンシャインボーイズの復活公演。

『蒙古が襲来』

三谷幸喜が「東京サンシャインボーイズ」復活宣言!馴染み俳優陣と30年ぶりの新作発表(2024年7月12日)

メンバーの梶原善さんご出身地、岡山でも公演があるんですよ!
正直、劇団の活動休止の頃は、まだ演劇のこと知らなくて、サンシャインボーイズの作品もちゃんと見たことがなかった。
劇団メンバーも数人は知ってたけど、今回の発表で、あの人も、この人もここ出身だったんだ!と改めて知りました。
これこそプラチナチケットになりそうだけど、チャンスがあれば、今回こそは生で、遠出してでも見たいですよねぇ。

 

来年まで、まだ先は長いなぁ・・・と思って、近々で何かしら公演ないかな?と検索してみたら・・・

M&Oplaysプロデュース『峠の我が家』

ちょっと興味あったけど、忙しくて見過ごしてたら、12月の公演なのにもう売り切れ。
そりゃあ、演劇興味なくても、出演者だけで行きたくなりますよね。残念。

 

来年のチケット争奪戦、頑張りますか。
それまで、体力・気力を充実させとかなくちゃ

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春風亭一之輔 落語全国ツアー「ドッサリまわるぜ2024」

2024-10-25 08:08:00 | 記録:観劇

落語会、何度か足を運んだことがあります。
覚えているのは、文枝師匠、仁鶴師匠・・・

毎年全国ツアーを開催している、今超売れっ子、春風亭一之輔師匠の落語会。
一度は行ってみたい!と思っていたのが、ようやく実現。
考えてみれば、江戸落語を堪能するの、初めてかも。

あの毒舌家が、まさかの「笑点」レギュラーに。
それだけで驚き!
ということで、恐らく、いつも満席ですけど、今回特にチケット完売が早かった。

ワクワクして劇場へ。

アナウンスで、いつものように注意点を説明された後。
ラフな格好でご本人登場。
雑談のような感じで、注意点の説明。
それがもう、面白い。

内容はもちろんオフレコ。
説明したところで、あの空間の空気感は生まれませんし。
お客さんもノリノリで、なんか楽しかった。

 

演目はコチラ↓

まさかの「芝浜」が聞けるとは!
生でのこの名作を聞けて、嬉しかった。

が、あれだけ注意されたのに、携帯鳴らした人がいて、もうガッカリ。
盛り上がる前だったけど、台無しだよ。
きっと、師匠も怒り心頭だったでしょう。
相変わらず、ビニール袋のクシャクシャした音させたり。。。

なんでなのかなぁ。
先日の亀井さんのピアノリサイタルでは、一切そんな音がなく、緊張感を持って楽しめたのに。
「落語」という娯楽が、そうさせるのか。

 

 

でも、「江戸落語」堪能できました。
やっぱりなんでも「生」はいいよね。
劇場全体の空気感も含めて。

 

また来られた時は、ぜひとも行きます!

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高値だから、敷居が高い 。

2023-11-06 08:18:00 | 記録:観劇
11月・・・ですが、暑いですねぇ。
でも、風は乾いてきて、「芸術の秋」になってきつつあると。
 
 
まだ、劇場へ行く機会はないですが、録画や配信などで、舞台やコンサートを楽しむ機会が増えてきました。

でも、やはり、ライブ感は半減以下かな。
直前の記事でも書きましたが、そこは、その劇場・会場の空気感、お客さんの熱気も含め、「実体験」が感じられないのが、ね。
 
来年あたり、見に行きたいなぁ…と思い、プレイガイドを検索すると、チケット代が値上がり?額が違って、驚き!
そうなのよね、元々ライブって、チケット高いのよねぇ。
 
 
 
昨今、劇場、特に小劇場が閉鎖されているニュースを聞く。
数度しかないですが、数百人規模の劇場で見た時の、熱気、迫力、世界観には圧倒された。
そういう場所が少なくなっているのはとても残念です。
 
 
そういえば、コロナ禍で、結構窮屈な思いをしたひとつが、そういう「エンタメ」でしたね。チケットも高額で、見る人が限られてるから、興味のない人からすれば「敷居が高い」「高尚な世界」だろうから、「不要論」まで沸き起こりそうな雰囲気で。そういう時こそ、必要なのに。

 
演劇、舞台の人達、もっと評価されてもいい、と思っています。
エンタメ、特に舞台系はどうも、一段下に見られてる気がする。
舞台や映画業界で、どんなに魂削って頑張ってても「下積み」と言われる。この言い方が大嫌い。
ベテランの、いい役者さんでも、結局「テレビ」で売れなければ、副業・アルバイトを続けざるを得ないという現状。。どうなんでしょうねぇ。
テレビでも、人当たりが良くて、おしゃべりが上手い人が、売れっ子になる。でも、その全員が「一流」なのかなぁって。もちろん、知名度を上げるには、一番簡単な方法だけど・・・
「その道一筋」の人達が、もっと報われる世の中になるといいなぁ。

欧米では、舞台で活躍している人たち、映像俳優と評価は何ら変わりはない。むしろ、テレビに出る方が下に見られてるのでは?(評価に上下、という表現が適切かどうかはわかりませんが)アジアだって、映画文化の勢いは相変わらず凄いですよね。
外国は、全てにおいてチケットが安いと聞きます。国が文化として評価し、観客も、気軽に楽しんでるからじゃないかなぁ。
日本だって、戦前は「娯楽」として劇場や映画館が活気に満ち溢れてた、と聞きますが。。。「歌舞伎」だって、「クラシック」だって、エンタメ=娯楽なはずなんですよね。もっと敷居を低くしてほしいなぁ。

 
行ったことないけど、アメリカにはブロードウェイ、イギリスにもウエストランドと、「劇場街」があって、一角に数多く劇場が並んでるんですよね。だから、帰りにフラッと立ち寄れそう。休日なら観劇のハシゴもできる。

東京も大阪も、劇場はたくさんありますが、それぞれがとにかく遠かった記憶が。かつて「観劇ツアー」した時に、地下鉄で走り回って大変でした
 
 
海外で高評価の日本のアニメ。
その立役者、今や人気の仕事のひとつ、声優さんたちの状況もなかなか厳しいですね。かつては、改善を求めて、ストライキしたこともあったなぁ。待遇は、今でもあまり変わってないのでは?むしろ人数が増えて、もっと大変なんじゃないかと。
超有名なベテランでも、未だに役を勝ち取るのは、ほとんどオーディションだとか。
まぁ、これが本来の姿だと思うけど。
 
 
いや、ライブだけでなく、映画も、美術館や博物館も、公立でなかったら、結構お財布に痛手。交通費を含めると、地方から行くには、まぁまぁな「旅行」になるんですよね。
 
生きていくうえで、音楽、映画、舞台、美術・・・やはり「娯楽」って必要不可欠だと思う。
こういうところに国が補助出してくれたら、もっと安くなったら。それこそ老若男女問わず、そして、障害のある方も、みんなが行きやすくなれば、気軽に見に行くと思うのです。楽しんで、精神的にも豊かになって、経済も回って。関係者も生活が楽になって・・・・・
ちょっと偏ってます?
少なくとも、いろんな作品、文化に触れることで、好き嫌いはさておき、「視野が広がる」気はします。実体験から。あとは、心地よい刺激が得られる。
 
事情がある人は仕方ないけれど、コンサート、舞台、旅…「実体験」がなくて、ネットの世界だけで生きてる人、いろんな意味で損してる気がする。


話少し変わりますが、最近、観客側も「高いチケット払ってる」優越感からか、上から目線、ちょっと暴走気味な人が増えてる気がする。それもそれで、違うんだよなぁ。「歌舞伎」だって「演劇」だって『娯楽』。内容が悪ければ腹も立つけど、俗世間を忘れるために劇場に来てるんだから、基本は「楽しませてもらってる」、って感謝するべきだと思うのだけど。
 
 
思うまま、つらつら書いて、相変わらず支離滅裂になりましたが気候も良くなったので、五感で楽しむ秋を過ごせるといいなぁ・・・と感じた今日この頃です。
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年を重ねると感じ方も変わる。「コンフィデント・絆」再見。

2023-11-03 08:20:07 | 記録:観劇

新聞ラテ欄に、懐かしい舞台の番組放送があったので、久しぶりに見てみることにしました。

タイトルは「コンフィデント・絆」

作・演出は、三谷幸喜さん。
主演は中井貴一さん、になるのかな?
生瀬勝久さん、寺脇康文さん、相島一之さん、そして、堀内敬子さん。

2007年の舞台。大阪まで観に行ったなぁ。
当日、演出の三谷さんが舞台上に現れ、いろいろイタズラ?して、開演前に笑かすんですよ。客席を温める、というんですか??
今となっては、いい思い出です。

以下、観劇当時の感想を再掲。その後、今の感想に。

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『コンフィデント・絆』

2007-05-13 15:18:36 | 記録:観劇
やっと、行ってきました。大阪へ
しかも三谷作品初の生観劇。内容もほとんど知らずに、チケットだけ確保したという、なんという無謀な性格。でもこれが返って正解だった
心から感動できる作品に、久しぶりに出あった気がする。

舞台は19世紀。万博を控え、エッフェル塔を建設中の活気付いたパリ。
ある場所に、後に有名画家となるゴーギャン、ゴッホ、スーラ、そして彼らに声をかけたシュフネッケルの4人が、共同でアトリエを構え作品作りに打ち込んでいる。
そこへ、カフェで働くルイーズが絵のモデルとしてやってくる。
誰にも素直で率直に接する彼女に、次第に4人は芸術家として、1人の男として本音を話し始める・・・

中井貴一、寺脇康文、生瀬勝久、相島一之。40代の同世代の個性的な役者がこれだけ揃う舞台はなかなか見られないまたそれぞれがいい役割を果たし、とても素晴らしい台本とともにいい相乗効果を上げた・・・そんな気がする。

正確な構図と繊細な点描画のスーラ=中井貴一
豪快さと優しさを併せ持つゴーギャン=寺脇康文
繊細さと狂気を感じさせる天才肌のゴッホ=生瀬勝久
とにかく人がいいリーダー=相島一之
三谷さんも狙ったとおりの配役だと思うなぁ

そこへ一服の清涼剤といった存在のルイーズ=堀内敬子
はぎおの彼女へのイメージは、四季時代の写真だけですが、正統派・清純な女優さんだったんだけど、結構幅広く、豪快で器量のいいルイーズにぴったり。しかも歌が上手いですからね。
「ゴーギャン、ゴッホ、スーラ、パ シュフネッケ~ル」というテーマ曲が耳に今でも残ってます。この曲がある種キーになるんですが・・・これも狙いね。

単に表面的な友情で終わるのではなく、奥底にある嫉妬や不安、恋愛感情、それによって起こる悲しさ・寂しさ・・・とくにゴッホは誰もが悲しい結末を迎えることを知っているので、フィクションであっても何ともいえない気持ちになった

それにしてもこれって、芸術家という特殊な職業だけでなく、普通の世界でも起こりうるテーマだなぁと痛感。我慢していい関係を保つのか、本音をさらけ出して自分の道を突き進むのか。
本音としては、本音をさらけ出したいけれど、小心者のはぎおとしましては、なかなか難しいところで

たまらない気持ちになりつつも、感動で胸がいっぱいになった構成・演出・音楽・・・久しぶりにすべてつぼにはまったきっとこの作品ははぎおの今年のベスト3に入るに違いない。
ただ、2階席の後ろで、オペラグラスも持ち合わせていなかったので、細かい表情が見えなかったのが残念でたまらない
WOWOWさんがやってくれそうなので、絶対録画・保存版

客席は、当然満席。
しかも男性の方が多いのに驚いた結構男女問わず一人でさらっと観劇されてる方も多くて。
地元じゃ考えられません
都会には、舞台好きの、しかも目の肥えてる方が多いんだなぁと感心しっぱなし。みなさんいい趣味です
しかも、会社帰りの方も多かったみたいで、地元でも休暇をとらなければ観にいけないはぎおにとって、その光景に、もううらやましい限りで
 
 
***********************************
さて、ここからは、2023年現在の感想。

同じように感動したんですが。。。
同時に、人の狡猾さ、純粋さゆえの不幸。そういうものをさらに重く感じてしまった。
最初は、仲良く「絵画サロン」的に始まったアトリエ。それが永遠に続くと思っていたのは、1人だけ。

中井さんのスーラは、ゴッホの優れた才能をいち早く見抜き、嫉妬し、出し抜こうとする。結果、一時的に有名になるも、歴史に名を残す程の画家にもなれず、かつ友人を失う。彼の行為を単に「悪」とも呼べず、モヤモヤ。

寺脇さんのゴーギャンも、同じく、ゴッホの才能を見抜き、むしろ支えることで、自己満足を得ようとしている感がある。これも「善」と言えるのか。

生瀬さんのゴッホは、完全に自分の世界。繊細さの中にある激しい情熱と傑出した画力。才能を他人と共感できない。そんな「天才」は、常に危うさの中にあるのでしょうか。

それゆえ、絵画サロンのリーダーを自負して躍起になっていた、相島さんのシュフネッケルの気持ちが一層辛く感じる。才能がないことに気づいていなかった、という事実。そして、それを仲間だと思っていた人たち全員から、まさに仲間はずれのように後で聞かされたことの絶望感。
凡人中の凡人の私、このリーダー役の気持ちの方が痛いほど伝わって、いろんな意味で泣けてきちゃった。

そして、芸術家たちに翻弄され、見守り続けた、堀内さん演じるルイーズの美しい歌声が、時に歓び、時に虚しく感じて心に染みる。。

芸術文化やスポーツ、いや、どの世界でも、どんなに仲良くても、どこかで「競争」、そこから生まれる「嫉妬」は存在するもの。きれいごとだけの世界はない、と思う。それをバネにするか、落ち込むだけか、出し抜くか・・・たとえ凡人でも、人生のうちで一度くらいは必要なのかもしれない。「楽しい」「いいひと」だけでは成長しない。そんな気がしました。

友情か、才能か、自分の欲か。
人によって目的が異なる、永遠のテーマかもしれませんね。
そう、この舞台も、最初から全員の目的が違っていたのかもしれない。そこからの食い違い。。

一生「純真無垢」で楽しくいられることは、皆無なのかもしれない、と思うと、悲しいなぁ。

三谷さんの群像劇。コメディタッチの印象が強いですが、作品によっては、切なく、残酷な終焉を迎えることも多い。その絶妙な加減が好きなんですよね。

 
ただ一点、違和感を感じたのが、この映像が「無観客」だったこと。放送用に別撮りされたものだったのでしょうか。
和気あいあいだった頃の会話のやり取りで、涙が出るほど笑った記憶があったのですが、それがまるでない。
やはり、舞台は観客の歓声や拍手まで含めて成り立つ「総合芸術」なんだなぁと、改めて実感しました。
いい舞台だっただけに、面白さ、良さが半減した感があって、この放送はちょっと残念。。。
 
そうだ、思い出した。
終演後、三谷さんを含め、キャスト全員でトークがあったような。
悲しいラストでしたが、楽しいやり取りで、明るい気分で帰宅したと思います。
やっぱり、舞台は生がいいねぇ。
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身体と心で感じる体験 。

2023-08-08 07:59:00 | 記録:観劇

遠征費の節約、そして、コロナ禍。
観劇から遠ざかっていた中、活用してきた「配信」。

これまでもBSやCSなどで、生中継や録画中継を見る機会もありましたが、チケットを購入しての「配信」は、また独特な雰囲気。
配信専用のカメラとか、カメラワークがちょっと違う気がします。
そう、リアルタイムで映画を見ているような。

 

2021年から、これまで何度か利用してきました。

2021.5 宝塚星組「ロミオとジュリエット」
2021.5 「エリザベート TAKARAZUKA25周年 ガラコンサート」
2021.5 宝塚宙組「夢千鳥」
2021.8 宝塚月組「桜嵐記」「Dream Chaser」
2022.4 宝塚月組「今夜、ロマンス劇場で」「Full Swing」
2023.5 宝塚月組「応天の門」「Deep sea」
2023.7 宝塚星組「1789」


・・・これくらい?
7本。ほぼ宝塚
CSに加入してるので、後で見ようと思えば見られるのですが、ライブ感、一体感を味わうには、チケットを購入して、その時間に席について・・・というこの感覚は、特に、遠方に住んでるものには、ありがたいもの。

 

カーテン閉めて、その空間に浸る。
特に2021年、コロナで先が見えず、配信が盛んになってきた頃には、本当に助かりました。


それから3年。
慣れてくると、どうしても物足りなさも感じる。

内容が、ではなく、目の前でのパフォーマンスはもちろん、なんというか、劇場の「空気間」「息遣い」休憩時間の「観客の声」、そして、チケット争奪戦から当日までの「期待感」、劇場に向かうまでの「高揚感」・・・

舞台だけでなく、コンサートも、映画館も、そういう「生体験」が記憶に残るのかなって。

実は私も活用している「倍速視聴」
便利だし、効率的にたくさん見られるけど、あまり心にはとどまらない。
「無駄かもしれない」時間も、お金を使って、足を運んで、という「体で感じる」感覚。大事にしたい。

 

年々、感性が衰えてくるのを実感する昨今
早くライブで「五感」に刺激を受けたいのですけど・・・・

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振り付けの大切さ 。

2023-07-20 08:06:00 | 記録:観劇

少し前ですが、羽山紀代美先生の訃報を聞く。

今上演中の花組公演の振付も手掛けられていたとか。
あまりに突然の訃報に驚きました。
 
 
「いかにも宝塚らしい」振付、群舞。
何を持って「らしい」か、説明が上手くできませんが、羽山先生の振りが「らしい」と、子どもの頃から見ているファンとしては、そういう感じです。
 
真似なんてできないけど、覚えてる振り、いろいろあります、思い出します。
93期初舞台生の「シークレットハンター」のラインダンスは、今でも忘れられません。
あとは、「燕尾服」ですね。
20年近く前ですか。振付家30年記念公演
「ゴールデン・ステップス」
ダンスに疎くても、どの場面も美しく、カッコよく、素晴らしいショーでした。
ビシッとした、キメ!みたいな「様式美」。
それだけ、宝塚の良さを引き出す、素敵な振付家でした。
 
「EXILE」や「坂道グループ」みたいな、最近のフワッとした群舞って、私は宝塚ではちょっと違うなぁ、と。
そういえば、20年前でしたか、TRFのSAMさんが振付に加わったことがありましたね。ちょっと時代が早すぎた感じで、個人的には違和感があったのですが、今やそれが主流みたいで・・・
 
ダンスの技術は昔に比べたら格段に高いのですが、最近、燕尾服を美しく見せるダンサー、いるのかな。
 
 
 
同じ時期に、夏まゆみさんの訃報も。
こちらも驚きました。とてもお若いのに。
近年の「アイドルの振り」といえば、夏先生。
 
モーニング娘、初期のAKB・・・辛うじて曲と振りが思い浮かびます。
かつてのアイドルのような「フリフリ」ではなく、言わば「群舞」的なカッコよさ。
そこに絶妙に可愛さがあって。
 
宝塚も手掛けていたようで。(どの公演だったんだろう)
 
 
多くの方に影響を与えられていたようで、改めて残念でなりません。
 
 
なんといいますか、「振付」でそのグループ、個性の印象が変わるものだな、と、振付家お二人の相次ぐ訃報で実感します。
 
 
 
最近ご無沙汰していた
「ローザンヌバレエコンクール」
を久しぶりに見ました。 
 
後半のコンテンポラリー部門だったので、素人にはなかなか難しかったですが、音楽と振付。踊る人の身体能力、体つきに合ってるかどうか。同じ振りでも際立って個性の違いが出ました。
いつ見ても、見ごたえのあるコンクールです。
 
 
音楽も大事だけど、振付も欠かせない。
振付家の存在の大きさを、改めて感じる時期でした。
 
 
 
心よりおふたりのご冥福をお祈りします。
 
スカステさん、「ゴールデンステップス」やトーク番組の放送をありがとうございます!
良き時代の思い出に浸りながら、追悼したいと思います。
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「不測の事態」に遭遇する 。

2023-06-25 08:08:00 | 記録:観劇

なんのことかとお思いかもしれませんけど。。

 

実は、先週の18日、宝塚星組の

「1789」

を見る予定でした。
コロナ禍以来、初めてのエンタメ。久々の宝塚。
 
調べてみると、最後の観劇は2019年宙組。
105期初舞台公演の「オーシャンズ11」
主演の真風くんも、退団してしまったねぇ。。。
 
 
演目も、2016年月組の初演見てるし、比較しながら…などなどウキウキ💕
 
ただでさえ期待度の高かった演目。しかも、このメンバーで見られる最後の公演ということもあり、プラチナチケット状態。
バスツアーでしたが、よく取れたなぁと。
ハナから諦めてたので、誘ってくれたヅカ友さん、ありがとう!
 
と思ってたのですが・・・ご存知の通り、2日目から数日間公演中止
しかも、公演当日発表という、ね。
コロナも忘れかけてた頃だったので、「またか・・・」と、心の中に暗雲垂れこめた感じ。
 
 
しかも、2日目は台風直撃で、交通網が大混乱だった中、ようやく劇場にたどりついたら「中止」って。
そりゃあんまりですよね。
 
 
いや、でも我々の観劇は18日。まだ時間がある!
そんな期待を込めて、待っていたのですが、観劇日が近づいても連絡が来ない。
嫌な予感がする。
 
 
そして、予感的中!
来ました、お知らせが。15日に。
公演中止の延長だって
我々の観劇日も含まれてるじゃないか 
そして15日観劇予定の人は、また当日の連絡。
 
しかも・・・
 
「18日午前中まで中止、午後から再開」
 
え~っ
そんなことある
観劇日の開演予定時間までが中止って
同じ日で、「運命の分かれ目」状態・・・
 
今まで、皆さんこんな思いだったのか、と、ちょっとわかった気がします。
 
バスツアーだったので、電話連絡だけで終わりましたが、個人での予約だったら、チケットの払い戻しや宿泊・交通費のキャンセルなどなど、手間がかかったことだったと。直前だったので、もしかしたらキャンセル料も発生していたかも。
 
 
何度も書いてますが、集団生活だし、タイトなスケジュールをこなして、きっと免疫が落ちているであろう生徒さん達。仕方のないことです。
再開できてよかった、と思ってます。
生徒さんたちは、悪くないです。謝る必要もないです。
 
 
ただ。
ここからは、噂の域を出ないので、あまり書きたくないのですが。
初日を強引に開けたのも、再開日もスポンサーのため。
なんて。
信じたくないですが、確かに、再開した回は「貸し切り公演」だったので、ちょっと穿った気持ちにもなります。
 
 
それはさておき。
「当日中止」の憂き目にあった方たちのブログをチラッと見ても、劇場に張り出しがあっただけで完全シャットアウト。社員さんから説明もなかったとのこと。

 
今回もそうでしたが、「当日にLINEでお知らせ」では、ちょっと不親切ですよね。
出発したあとで連絡に気づいた人、そしてスマホを持ってない人には、全く連絡が行かないということになります。

 
そういえば、

 
観劇時、主要キャストの休演、代役公演を経験しました。
この時も、開演が遅れ、代役で上演・・というのを、当日の張り紙で知りました。
観客もものすごい緊張感と集中力で、あの劇場全体の空気感は、忘れられません。あの公演を経験して、役の幅が広がった方もいたはず。貴重な体験で、素晴らしい公演でした。

が、今考えると、あれも当日、劇場に着いてからのお知らせでした。
あの時もバスツアーでしたが、バス会社にも連絡が行ってなかったようです。
もちろん、あの当時は劇団もLINEなどのSNSは積極的に使っていなかったので、連絡する術がなかったのでしょうけど。
オリジナルキャストでの観劇を楽しみにしてた方は、とても複雑だったのではないかと。
1日で代役公演に対応できたキャスト、スタッフは今考えても素晴らしい。そこはさすが宝塚。けど。
やはり、当日変更のお知らせは、親切でない、と思う。
 
後日、CSでオリジナルキャストの公演を見ました。
これももちろん素晴らしかったです。
ただ、「代役公演」がなかったことになっているのも、今となってはちょっとどうなのかと。箝口令でもひかれてたのかしら。
 
 
あるブログで知ったのですが、他劇団などでは電話連絡の対応をしているところもあるのだとか。
チケット転売を厳しく取り締まるのであれば、購入者の連絡先も劇団は把握してるはず。
繋がらなかったとしても、何かしら連絡する方法はあるのでは??
それに、中止を知らずに劇場に来た方へ、交通費とは言わないまでも、何かしらのサービスはできないのかしら。
 
 
先日行われた「株主総会」でも相当厳しいことを言われたそうですが、株主でなくてもそう思います。
コロナ禍から3年。
あれだけ大きな劇団で、これまで何度も苦境を切り抜けてきた組織なのに、この3年間の対応は、ちょっと。
「殿様商売」的な印象が強くなりました。
まぁ、もともとそういう劇団なので、「らしい」といえばそうですが、これだけの「公演中止」は今までとはケースが違い過ぎる。何もできなかったとしても、せめて「早めの情報提供」はしてほしかったな。
 
 
コロナ禍前から何度も書いていますが、「商業ベース」に重きを置きすぎて、スポンサー重視、私設ファンクラブ重視になりすぎていないか。公演過多の過密スケジュールも、一体だれが喜んでるのか。
 
単なる「一般客」は後回し、置いてけぼり状態。
チケットもますます取れなくなり、これでは一般のファンは増えなくなるよねぇ。
 
 
 
私はただ、キャストに当て書きされた「宝塚」らしい、オーソドックスなお芝居とショーを楽しみたいだけ。
健康的な笑顔とパフォーマンスを見せてくれる生徒さんたちを見たいだけ。
「アリーナコンサート」とか、どんどん増える外部の劇場での公演とか、本拠地では見られない公演が増えていくことに全く興味がない。一方で、先日発表された歴史ある「舞踊会」は、数年ぶりの開催にもかかわらず、規模を縮小し、主演クラスを出さない方向となったことは、少し残念でならない。こちらの「勉強」の方が大事だと思うんだけど。
 
また、規模を広げた分、配信など普及しましたが、やはり「生観劇」にはかなわない。
 
他の劇場・劇団はほとんど支障なく通常に開催されている。
ここまで中止期間が長くなっているのは、宝塚だけではないでしょうか?
もちろん皆さん一生懸命対応されてるとは思うのですが、劇団の対応にはいろいろ不信感を抱かざるを得ないですよね。
 
 
ちょっと長くなってしまいましたが、今回の公演中止について感じたことを書いてみました。
この先、どの組、どの公演も無事に上演されることを願っています。
 
公演再開を祝して、初日の様子を。
星組公演『1789 -バスティーユの恋人たち-』初日舞台映像(ロング)
 
 
またしばらく、バスツアーもおちおち申し込めそうもないですねぇ。
「1789」は、千秋楽配信を見てみようかな。
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観劇文化?

2023-04-13 08:08:00 | 記録:観劇

数年前から、エンタメからだいぶ遠ざかっています。
事情はいろいろありますが・・・

そして、追い打ちをかけるようなコロナ禍。

劇場、ホールという場所に、全く足を向けることはなくなりました。

 

当然、CM見ても、イベントのお知らせは激減。
今は、だいぶ以前のようにライブなどが開催されるようになってますね。

 

ただ、ふと気がつくと、案外「広島」という場所には、「お芝居」が来なくなった気がする。

ライブは中国地方の中では多い方だと思うけど、「5大都市」からは外れてるし、同じ規模の都市と比べて、アリーナもないので、大規模なライブの数は少ないのかもしれない。それに、昔から、「ノリが悪い」と有名な地のようで、もしかしたら敬遠されてるのかなぁ?

ライブはともかく、お芝居、特に「小劇場演劇」の上演情報をあまり見ない。
それでも、私が30~40代前半くらいの頃までは結構来ていて、チケット確保に奔走してました。



それが、いつの頃からか、お芝居の公演自体が来なくなった。
首都圏、関西圏は分かる。仙台、福岡も分かる
 
そのあと、最近長野、新潟、金沢など、北陸方面へ行くことが多くなった気がする。
そして、広島だけでなく、中国地方での上演が少なくなった。。気がする。
 
気のせいかしら?
最近、あまりアンテナを張ってないだけで、実は来てる?
いや、地元のCMでも、情報誌でも、公演情報を見る機会が減った。

「観劇」という文化が、根付かない地域なのかしら。
 

「仕事帰りに観劇」
エンタメという沼にはまってからの夢。
一時は、仕事終わりに新幹線に飛び乗って・・・なんて生活も全然平気でしたが、そんな状況もあり、都市圏への遠征をしない限りは、今は難しいですね。
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「夢の世界」であってほしい。

2023-01-11 20:30:00 | 記録:観劇
なんだか最近、宝塚界隈が騒々しいようですが・・・文春も、ネタに困ると宝塚ネタを書くようで。
 
演出家の件。正直、昔の方が蜷川さんや唐さんみたいな超厳しい先生がいたし、今現役の先生でも厳しい方はいると思う。
あの記事もどこまで本当かわからない。(といって、別に擁護もしませんけど)
 
「公の場で釈明を」という方もいたようですが、それで傷つくのは生徒だと思うんです。
もしかしたら、慕っていた方もいるかもしれないし。
内部のことを公にすることで、みんなが困惑したのは、10数年前に経験済みではないですか。

と、ここまで書いて。真風さんの件。今知りました。
あんな記事、訴えるべきだと思います。

掲載写真も、劇団に許可を取ったとは思えない。許可したとしたら、それは劇団に問題がある。

真風さんがご本人がご説明されたとの事。内容を聞けば、やはり「男前」な彼女の毅然としたお話だったようで。

劇団も、こういうことを生徒任せにするのではなく、無視もせず、きちんとした態度で抗議すべきだと思う。

 

多くの人がいる社会。
学校、会社、町内会…決してきれいごとばかりでは済まない。
もちろん、エンタメ界だって。
宝塚もいろいろあると思います。
常に美しさと品を求められ、しかも体力勝負の競争社会。
命を削るような思いで過ごす日々は、想像しかできませんが、生半可な覚悟ではやって行けないから、時に厳しい言葉が出るでしょう。


ただ、以前から書いていますが、宝塚っていわゆる「芸能界」とは一線を画す、「架空の、夢の世界」であってほしいんですよね。
なんというか、「俗世間」にまみれてない、というか。

ああいう記事が世の中に出るということは、関係者が面白おかしく暴露してる人がいるということで。
「鉄の結束」で「夢の世界」を維持していくのも、今後は難しいのかな。
 
 
というか、エンタメ界がコロナで大打撃を受け、命懸けで乗り越えようとしているのに、売上を伸ばしたいためだけに、事実とはかけ離れた記事で、多くの人を傷つけ、エンタメ界の足を引っ張ることしかしない文春という雑誌がこのまま発刊されることが許されていいのか。ファン、OG、関係者、多くの人を敵に回したと思います。
文春は宝塚に恨みでもあるのか?と勘ぐりたくなる。

私も、今まであまり気にしてなかったのですが、あの書き方、これまでのとりあげ方。。流石にちょっと腹が立ちました。



ここからは、毎度おなじみ。古いファンが古いことを、何度も取り上げてることですが・・・
 
宝塚ってかつては、オリジナルミュージカルと、煌びやかなショーで、コアなファンを楽しませる、ちょっとのんびりした、本当に「夢の世界」に浸れる劇団でした。
キラキラ輝くスターと、日舞やダンス、歌に優れた生徒に見せ場を作り、間を大切にする劇団かと。
それが今では、とにかく「トップスター」第一主義になってしまい、作品も、海外物を中心とした「ミュージカル劇団」になってしまった。
もちろん、キラキラした、オーラに溢れたスターさんたち、まばゆいばかりの舞台を見ることは、眼福以外の何ものでもないのですが。
 
 


最近の生徒さんは、SNSのおかげで「夢の世界」に浸っていられない、大変さもあると思う。
とにかく「評価」が如実に表れるから。
でも、それを気にしすぎるきらいもあるようで、気の毒というかなんというか。
 
特に、宝塚の千秋楽ではトップさんが退団者一人一人を紹介する時間も増えてきて。それは前もって組長が紹介しているから、そこまでやらなくても・・とにかく時間が長すぎる。あれ、いつから始まったんだろう。
退団する時は「歌劇」や「グラフ」で特集が組まれたり、挨拶文が掲載される。それにスカステでも同じように番組が組まれたり。
もちろん終演後に肉声であいさつしたい気持ちもわかるのですが…夢の、架空の世界を楽しんでいたのに、何度も続くと、あっという間に現実に引き戻される感じがするのです。なので、配信見ていても、最後はフェイドアウト・・
 
 
ファンもサービスを求めすぎな気がします。
何度も書いてますが、全力でパフォーマンスした人たちに、感動・興奮しているとはいえ、何度も何度もカーテンコールを求めること。会いたい気持ちはわかるけど、特に今、劇団関係者はコロナで神経質になっているのに、疲れている人たちに対して、何度も求めることはむしろ不要なのではないかと思います。ファンも、ある程度の距離感を保つことも応援のひとつかと。



繰り返しになりますが、宝塚は、もう少し「幻想的」であってほしい。在団中は素顔の部分とか、プライベートとか、あまり語ってほしくないな。
最初はそういう番組も楽しく見てたけど、劇団も最近舞台よりそちら側に力を入れ過ぎてる気がして。
 
「夢の世界」の人は「良い人」でなくていいんです。素晴らしいパフォーマンスを見せてくれれば。
やはり「適度な距離感」って、必要ですよね。
 
 
先日、昔の関西テレビの「花の指定席」という番組を見ました。
今から40年近く前。出演者が自分達の公演を紹介する番組だったようで。
出演者も演出の先生もあまりテレビ慣れしてなくて、で、緊張感もあり、トークも止まりがち。
メイクもシンプルで、逆にそれがとても新鮮。
それでも「私たちの舞台を見て!」という、力強い自信が感じられる。そう、「力強さ」。
千秋楽の挨拶も、退団の挨拶も、もっと短かったよね・・
インタビューでも「宝塚の世界」を保っていて、やはりこれぐらいの「距離感」がいいなぁと。
天海祐希さんとか、安寿ミラ&真矢ミキさん時代、近年では轟悠さん・・・ファンに対しても自分らしさを貫いていました。
 
 
 
歌劇団も、ネットの反響を気にしすぎる風潮になって来ましたよね。商業演劇だから仕方ないかもしれないけど。
昔みたいに、観客が若干置いてけぼりになるくらい強気でもいんじゃないですか?それでついてこない人は、ファンじゃないってことで。
本来は「認められてない」はずのファンクラブの影響力も大きいみたいだし。
チケットはもちろん、グッズの売り上げでスタークラスを決めているのであれば、もう本末転倒ではないかと。
もっとキラキラスターだけでなく、ちゃんと実力のある人も活用しないと、本当に退団が続いてしまうよねぇ。

コロナ禍もあり、生徒さんにも「人生を考える時間」が増えたのか、人生の選択肢が増えてきたこともあり、実力者の退団が相次いでいる。大きな組織に留まることは無いのか、それとも、職場である劇団に魅力がないのか。そんなことも感じてしまう。



ささやかにテレビで応援してる「観客」もファンなんですけどね。。。そういう思いは伝わらないのかな。


話は変わって。
休演・休止になった演目を、次の公演でも続演、という形にはできないのでしょうか。
先までのスケジュールをきっちり決めすぎですよ。
かつて、30数年前の「ミー&マイガール」の初演は、好評で、続演が決まったとか。本来そうあるべきですよねぇ。
公演期間を短くして無理やり上演しても、情熱を傾けて稽古してきた生徒・関係者、なにより楽しみにしていたファンも、もう、ちょっとウンザリです。
バウホールは、ようやく対応されてきましたが(その分変更が多くて大変かもしれないけど💦)大劇場も、スケジュールはもっと柔軟にしてほしいですねぇ。

 
 
長文になりましたが。
根拠の無いマスコミに踊らされず、SNSに流されず、見守るのがファンではないかと。
もう4年も劇場に足を運んでいない、遠くの観客の独り言です。
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いい意味での「泥臭さ」 。

2022-04-25 07:42:00 | 記録:観劇

先日、今年のミス・サイゴン出演者による歌の披露映像を見ました。

「ミス・サイゴン」
舞台は、ベトナム戦争末期のサイゴン。エンジニアの経営するキャバレーで知り合った、ベトナム人の少女キムと米兵クリスの二人の愛、別離、運命的な再会。そして、キムの子タムへの究極の愛・・・『ミス・サイゴン』はすべてを歌で表現します。(東宝HPより)

 

初演当時の熱演の一部を、テレビで見たときの鳥肌。本田美奈子さんのキム。見たかったな。。。
初観劇は、’04年帝劇。キムが松たか子さんだった。
’12年、地方公演に来てくれた時は、嬉しかった!キムは知念里奈さん、そしてクリスは・・・映像ブレイク前の山崎育三郎さん!貴重だったなぁ・・・


初演から30周年とのこと。早いものですね。

 
さて、歌唱。
全員がオーディション勝ち抜きとはいえ、映像でも知名度のある方が主演されていた30数年前とは変わりました。
ミュージカル界では著名な方たち、そして、若手の方たち、皆さん上手い!
過去が悪かったということではなく、技術的に進歩し、とても充実してて、素晴らしいことだと思います。
 
 
でも…
市村正親さんのエンジニア。歌い始めた一瞬で場の空気を変えてしまった
エンジニアといえば、ベトナムで売春宿を営みながら、アメリカンドリームを夢見る男。
不遇の人生を乗り越え、夢のためになんでもやる欲の塊・・・
実は、映像・観劇含め、いっちゃんのエンジニアしか見たことがないのです。
 
 
正直、本場?のエンジニアがどんなもどんなものか知らない。
なので、エンジニア=市村正親となってしまいました。
 
初演は30年前ということは、いっちゃんも初演時は40代。
その頃から、すっごいオーバーで、泥臭くて、ギラギラしてて。
映像で見る限り、今回もそのようです(笑)ますますオーバーな感じ。
でも、エンジニアは「そういう人」なんだと。
 
で、今回いっちゃんの他、3名のエンジニアが登場しますが・・・ちょっと物足りない(ゴメンナサイ)
絶対的存在と同じ役をやる、というだけでプレッシャーだと思うし、自分なりのエンジニア像を出しても、それが受け入れられるかもわからないし。難しいと思います。

いっちゃんも、一度、エンジニア役引退するって言ったのに、ね😁
でも、「若い者にはまだまだ負けない」という気迫って、大事かもしれない。

あくまで個人的な意見ですけど。
他のミュージカルと違って、このエンジニア役、推しの強さ、ギラギラ感が滲み出てたら歌は…でもいい気がして😝
今思いつくのは、内野聖陽さんとか、吉田鋼太郎さんとか、歌は全く未知数の香川照之さんとか…どうですかね?!


やはり、初めて見た時の、「衝撃度」って大きいかもしれませんね。キム役もそう。(映像で見た)本田美奈子.さんの演じた、魂からの叫びが忘れられない。
 
 

いやいや、本公演も見ていないのに決めつけてはいけないですね。アプローチの仕方も人それぞれ。見ることはできませんが、皆さんの「エンジニア像」、新しい「ミス・サイゴン」楽しみです。

 
最近、ミュージカル界、愛すべき宝塚いや、芸能界全体的に、カッコ良さ&人柄の良さを良しとする傾向なのかな?
古い人間だからそう思うのかな?
若い人からすれば「年配者は早く引退を」と願ってるかもしれないけど、強烈な個性派それだけ需要があるということで。
 
エンタメの世界は、キラキラ✨若々しいのも楽しいけど、やはり、下積み、人生経験豊かなものから生まれるものも強いと思う。
それに、役を得るための闘争心、情熱というのか。
 

もちろん、カッコ良い人は好きですよ。でも、そのカッコ良さの価値観も自分のものとは違ってきました。
あと、古い人間なので刷り込みが強すぎるのかもしれないけど、「出てきただけで笑える」「何か企んでる雰囲気」なバイプレイヤーって少なくなりましたね。いや、個人的にアクの強い人が好きなだけなのかも(笑)
 
エンタメ、特に舞台は、視聴側からすると、完全に「架空の世界」。
表面的な表現ではなく、役柄によってはやりすぎじゃない?ってくらい内側からもっとギラギラ、オーバーで良いのかな?
 
 
最後に。
「ミス・サイゴン」も戦争が背景の作品。
今回は見ることは叶いませんが、きっと、ご覧になる方は、いろんなことを考えるきっかけになるのだろうと思います。

コロナ禍の公演、無事完走できますように。
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『久世星佳ライブプレイショー「Nonstop Dream」』

2022-03-17 08:03:50 | 記録:観劇

去年7月、宝塚ホテルで開催された

久世星佳ライブプレイショー 「Nonstop Dream」

先日テレビで拝見しました。

(タカラヅカスカイステージHPより)

 

一番夢中で宝塚を観劇していた頃のトップさんのお一人、久世星佳さん
その当時の話題も何度か書き記していました。

2005.2 宝塚月組「グランドホテル」
2005.2 宝塚月組「ME AND MY GIRL」
などなど・・・

現役時代は、大人の芝居ができる、クールだけど色っぽい魅力にあふれた方で、フェアリーな涼風さん、若くしてスターになった天海さんたちとは少し対照的な個性。当時のキャラの濃い月組全て、そして、のんちゃんが大好きだった。
退団後、キラキラした世界とは一線を画し、舞台やテレビ、映画などで地道に活躍されてきた印象が強かった。
(サスペンスでもよく拝見したし、舞台「OUT」も観に行ったなぁ~)

その彼女が、ディナーショーを開催する、というので、ちょっと驚きとともに、嬉しく思いました。
歌と踊りの人ではなかったので(失礼)どんなショーを見せてくれるのか。
出演者も、長年一緒にやってきた未沙のえるさんと、全く世代の違う月組の後輩、憧花ゆりのさん。
キャストを見ただけでワクワクします

 

ここからはネタバレです。

舞台はホテル。
従業員二人と、客?の女性が繰り広げる、ドラマ仕立て。
会話のやり取りの合間に、月組の名作の曲が流れ・・・

月組ファンとしては、垂涎のショー。
音楽も吉田優子先生のピアノ1台の演奏のみですが、さすが、「芝居の月組」
世代は違っても、芝居巧者と呼ばれた三人が繰り広げるドラマは、まるで小劇場のような、でも、宝塚の気風を感じる、不思議なものでした。

構成も、台本も、久世さんご本人とのこと。

着飾ることもなく、普通のメイク・ちょっとおしゃれな普段着で、のんちゃんらしい、肩の凝らないショーでした。
とはいえ、彼女の代表作ともいえる「グランドホテル」の男爵や、「ミーアンドマイガール」のジョン卿、そして退団公演「バロンの末裔」の名場面などを、ストーリーの流れで自然に、しかもドラマティックに演じてくれたのは、鳥肌ものでした。
さすが、芝居巧者。女優としての経験がさらに厚みが増して、本公演でも見たいくらいです。

 

また、久世さんのショーと銘打ってますが、未沙さん、憧花さん、それぞれの見せ場と、三人でのシーンも多く、それも彼女らしい構成だなって。

未沙さんは、やっぱり「ミーマイ」のパーチェスターでしょう
また見られるなんて、夢のよう~
そして、今すぐ舞台で演じてもらっても、何の違和感もないさすがです。
まだまだ専科で活躍してほしかったですよねぇ・・・

憧花さんは、組長時代の話題作「BADDY」から主題歌。これを選んでくれた、のんちゃんにも感謝です。
また、「グランドホテル」では、久世さん演じる男爵の相手役、グルーシンスカヤを、美しい歌声で。
退団後、大学生や社会人として過ごされた人生経験が、更に歌声に厚みが増したかのようで。
久世さんとのデュエットは、短時間でしたが、感動でした。

 

三人の共通点は、やはり「ミーアンドマイガール」。
同時の共演はなかったけど、この作品・曲を聞くだけで楽しくなれる。
「同じ作品」という共通項って、強みですね。

 

トークでは、当初の予定が延期になったこと、公演場所も変わったこと。そして、構成も全く変わったことを語られていました。(ショーの途中、元々の公演場所だった「新阪急ホテル」の方をキャストとして登場させるなんて、洒落てるというかなんというか)
すべて、コロナの影響。
そんな状況の中で、公演できたことが奇跡のようだったと。
距離を取ったり、消毒したり。コロナ禍ならではの演出もあり、そういうことを乗り越えての公演かと思うと、苦心されたんだなと、後で気づかされます。

 

退団後、あまり宝塚に関連した公演に出演されることのなかった久世さんの「宝塚愛」を感じられました。
OGになっても、「宝塚」といえば、キラキラで豪華な演出でバッチリカッコ良い姿を見せてくれるのが定番。ファンもそれを求めているのでしょう。

在団時の裏話や楽屋ネタで盛り上がることもなく、今回のようにお芝居仕立てのシンプルな演出でも、古くからのファンの心はワクワクとくすぐられました。

コメディとドラマティック。エンターテインメントにあふれた、とても楽しい、あっという間の1時間15分。

現役時代と変わらない、クールでスマートな久世星佳さん。
懐かしくて、嬉しくて。
やっぱり、月組、のんちゃん、好きです

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