音楽家ピアニスト瀬川玄「ひたすら音楽」

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4月16日 コンサート報告

2006年04月18日 | Beethovenピアノソナタ全曲演奏



昨夜、4月16日 日曜日Liszt Salon in der Altenburgにおける
ベートーヴェン ピアノ・ソナタ全曲演奏 第6回を
お陰様で、無事終了することができました。

mixiにて、皆様からたくさんの応援、メッセージをいただき、
とても励みになりました!心から感謝申し上げます!!

全80席ほどのサロンが、ベートーヴェンの力を借りることで!?
おおよそ満員、70名ほどは聴衆の方々がいらしたであろうか・・・・
感謝・感激です。(ドイツ人、やっぱりベートーヴェンが好き!!
それは、第一回の演奏会において、すでに感じたことです)
40分ほどの前半の演奏時間が終わる頃には、
演奏者・聴衆ともにサロンが二酸化炭素で一杯、
室温が上がっているのを感じていたらしく、休憩に入って、
急いで窓を開けて、みんなで「ぷは~~~~~」(笑)

前半の曲目は
●ソナタ 第20番 op.49-2 G-Dur(ト長調)「ソナチネ!?」
●ソナタ 第25番 op.79 G-Dur(ト長調)「かっこうソナタ」
●ソナタ 第11番 op.14-2 G-Dur(ト長調)

すべて「ト長調」!!「#ひとつ」の明るい調性です。
ベートーヴェンの異なる作曲時期における「ト長調」を並べてみて、
どのように異なり、あるいは共通点があるかを愉しめるよう、試みたものです。
同じ調性ばかりが続くのは、ともすると退屈になってしまう危険性が大なのですが、
それぞれの曲は決して長くない時間と大きさであり、
なによりも、「ト長調」の響きの美しさをもって、
聴いていただいた方々に、退屈な思いをしていただかなくてすんだのでは!?
と願っていますが・・・・。
3曲目の《op.14-2》は、中期ベートーヴェンの「冗談」が満載、
静かな「pp」から、全く予期せぬ「ff」で人を驚かせよう!!など、
曲のあらゆる部分に、ベートーヴェンの「お茶目・悪ふざけ」を垣間見ることができるのです。
(ご老人には、ビックリで心臓が止まらないよう注意しないと!?)


後半は一曲。今までのmixi日記で書き綴ってきた
●ソナタ 第30番 op.109 E-Dur(ホ長調)
でした。

自分にとって、初めてこの曲を公開演奏する場となりました。
師匠に徹底的に注意された、
ベートーヴェンにあるまじきテンポの揺れ(ルバート)を極力しないよう注意し、
それでいて豊かな音楽の表情を伴うよう・・・それは
相反する二つの事象を同時に行う難しさといえましょうか。例えて言うなら、
子供を厳しくしつけながらも、愛情が滲み出る!?みたいな・・・

今回の自分の想う限りで、
1楽章の天上的美しさ、それは
天へ向かおうとする強い願望と、その背中合わせの絶望、
ついには天界の門が神々しく光り輝きながら
我々を導き入れてくれる!!・・・それはしかし静かに閉じる・・・
・・・まるで束の間の夢だったかのよう・・・
2楽章の怒り・・・!
そして3楽章、Andante、すなわちそれは歩く速度。変奏曲のテーマは、静かな覚悟のよう・・・
次々と段階を経て、ついには飛翔する・・・!!
果たして、何人の聴衆が、一緒に飛んでくれたかな・・・!?

後期ベートーヴェンの、はるか高い境地に達した音楽を奏でるのは
決して簡単なことではありません。その時に出来る最善を尽くすのみ、
そうあるべきものなのでしょう。今後、たくさんの経験を踏み、
一生をかけて取り組み甲斐のあるこれらの作品と、
一生をかけて向き合っていきたい!・・・と強く感じるのでした。



我々人間は羽を持たない・・・しかし、
音楽を通して、人は大空をも飛ぶことが出来る・・・・
ファンタジーは自由なのです。
ファンタジーの中に、人は生きる喜び、悲しみ、すなわち人生そのものを反映させ、
それを通して人生そのものをも充実させることができるのだと思いたい。
そのための一つの方法として「音楽」があり、そこに音楽の存在意義がある。
それに携わる仕事としての「音楽家」が、ひとつのやりがいある職業と生き方であることを信じ、
その道を突き進めていきたいと強く思うのであります。 Gen




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