車校での小型AT限定二輪免許教習の話は,まだ第一段階のみきわめです.それも3回目に突入です.どうして,こうモタモタと進んでいくのでしょう.
それはまさに,私の教習の進み方と歩調をあわせて書いているからです,ゆっくりです.決してのんびりではありません.アドレナリン最大分泌です.しかしわきを走り抜けていく大型二輪教習車のように早く,力強くは進みません.千里の道も足下から.指導員に従って,あとをふらつきながら,時に急発進しながら,コースを外れない努力をしてついていくだけです.
まさに親鳥の後を行く「ヒヨコ」です. 還暦のヒヨコ.
第一段階のみきわめ,最後の10分ほどは,再び松の木のほうです.松の木にむかって,指導員の通りに,発進,数メートル走って停止.これを繰り返して松の木に向かって行きます.
指導員「左足を出すとバランスがとれてしっかり停まれますよ」.それが私にはできないのはなぜ? 卒業までの実車教習の期間中にいつも自問自答しています.「なぜできないのだろう?」
卒業後に改めて思うと,「年のせい」で「なれるのに時間がかかる」,さらには「自分の体が,いまどういう状態(体勢,位置)であるかがわかっていない」のです.リード125にまたがるだけで精一杯なのです.急発進と急制動の繰り返しです.前々回にも書きましたように,松の木は「急制動」試験の発進位置の近くです.松の木までの直線で急制動のまねごとをしても仕方がありません.
指導員のあとについて松の木を回ります.そのあとパイロンを曲がって,逆向きに松の木を回ります.いわば半径の大きな「8の字」です.スラローム,波状路同様に小型ATでも訓練するのです.この繰り返しですが,3回目くらいにはなんとか指導員のコース通りに走れるようになってきます.一時間目に本コースのS字をなんとか走れた私です.先ほどの「慣れ」がここででてきます.
指導員のあとを走り続けます.通るときに初めて気が付いたのですが,砂利をコンクリートで固めた一角があります.指導員はその上を走っていきます.私もそのあとをついていきます.
「@@@@@@」 本日2回目,15分の間に2度目の衝撃です.波状路でよく転ばなかった,と思っていたのですが,この「丸い」「すべる」石の上というのは尋常なものではありません.前頭筆頭たるリード125に小手投げで倒される恐怖を感じます. しかしなんとか通り抜けます.しかし指導員はパイロンを曲がって,再び砂利の上を走ります.再び砂利の上.前回よりはまだなんとか対応が出きました.
二輪車でオフロードを走る,というのは大昔からあることで,その目的で作られているバイクは数多く見られます.私が取得を目指しているAT125でもハンターカブという車種があり,ここで引用を繰り返している小説「スーパーカブ」にも登場しています.しかし実際の世界では雨の日,非舗装の道路など悪条件の道を時速60km走ることができる(無理しないように),その技術が必要なのです.それを実感します.マンホール,波状路,砂利道.よくできている順番です.
ここで50分が終了です. 待機場所へ帰ります.
指導員「おつかれさまでした」 紅潮した循環器系と,思うように動かない手足と,うまく操作できないでへこんでいる神経でできた59歳がここにいます.
指導員「@@@さん.次の教習の2段階は本当の道路を想定して走る訓練なんですが,まだ発進と停止に問題があります.もう一時間乗ってもらえますか?」 文法上は疑問形でですが,実際は命令です.
本音ではガッカリです.しかし校内で事故を起こさない,人に迷惑をかけないということを自分に誓って入校した自分です.「ありがとうごさいます.もう一時間乗ります」声が上ずっているのは疲労からくるものだけではありません.
指導員「では,受付で予約の手続きをしてください」 教習原簿をもらって,二輪コースから二輪の建物へ戻り,ゼッケンとプロテクターをはずし,ヘルメットをいれた布袋をもって受付に戻ります.
予約は自動式です.初めて自分で操作するので,受付の方が教えてくれます.ちなみに後日の2回目以降(予想していました)の予約は自分で行いました.
二輪車の教習は「教習の順番」があり,学科教習のように「すきなところから」「飛ばして」というわけにはいきまん. 私は卒業までの予約が全部入っているので・次の「2段階1時間目」の前に「1段階みきわめ」を予約する必要があります.混んでいて空きがなく.仕事を半日休むことにして予約を取ります.
今日は時間を待って駅までのバスに乗ります.歩く気力がありません.