本の紹介をする前に、遅れましたが展覧会をご覧いただいた方にお礼を申し上げます。
会期中は寒気の到来で残念に思っています。
さて、写真家の私がなぜ宇宙論の本を読むかというと、実は私は理系の人間なのです。
学生時代はフォートランという言語を使ってプログラムとデータをパンチカードに打ち
込み、大型コンピューターを動かしていました。
発行 エクスナレッジ
定価 1800円+税
今は写真しかやっていません。この本も専門家や学生向けに書かれたものではなく、
いわゆる啓蒙書の部類ですが、なるほど全米ベストセラーというだけあって、わかり
やすい内容になっています。宇宙と人間と題されているように、有史以来、人はどの
ように宇宙を理解してきたのかということを、物理学の進歩を追いながら解説してい
ます。人は見える世界を実在としてきました。その後ミクロの世界には顕微鏡が、マ
クロの世界には望遠鏡が導入され、肉眼以上の世界がわかってきます。しかし、それ
でも見える世界です。それを超えた場合、何を実在と言うのでしょうか?そんな世界
を支配している法則とは?ミクロ(素粒子)からマクロ(宇宙)までのすべてを記述する
唯一の理論はあるのだろうか?最終的に(現時点で)M理論というものが提出されます
が、科学理論の進展もさることながら、拡大してゆく宇宙の中のちっぽけな、かつ些
細な時間を生きる人間の意味とは何なのか、私のもっとも気になるところです。
興味のある方は読んでみて下さい。わからない部分にはあまりこだわらず、どんどん
読み進めて、全体の流れを知るようにすると良いでしょう。
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