大橋俊彦はラーメンに祟られている。
先祖がよっぽどラーメンに惨い仕打ちをしたに違いない。
そうとしか説明のしようがないラーメン中毒男なのである。
学生時代、彼は端で見ていて可哀想な位痩せていた。
スレンダーな女の子でも穿けないようなジーンズが、彼にはブカブカだった。
ドラマーとして彼がやってきた時、彼の体型を見たメンバーは一様に「こんなか細い男に一番重労働なポジションを任せて、大丈夫なのだろうか?」と首を傾げたものだ。
その身体は、夏の海において更に悲哀度を増した。
イーグルス流れる葉山の砂浜も、海パン一丁の彼を見ていると、コーラン流れるガンジス川の辺で沐浴をするインド人を思いだし、無意識のうちに手を合わせてしまうのだった。
ところが月日は巡り、突如として彼はラーメンに目覚めた。
「突発性小池さん症候群」又は「ブースカ病」ともいわれる悪質な病気だ。
永福町、恵比寿、渋谷、荻窪と、用があろうとなかろうと、仕事中でもプライベートでも、思い立ったらその日がラーメン記念日、ズルズルズルと麺をすすり汁を飲んでいった。
元来彼は「痩せの大食い」を地でいく男であったらしい。
同級生の小野木は「あいつは3時のおやつに、牛丼を食べていた」と証言する。
その彼が、猛然とラーメンに向けた情熱は、常人の理解を超えている。
おそらくスープも残さず飲み、うっかりすると大盛りを注文している可能性さえある。
子供時代から肥っていた人間は、もう肥満体型を形成しているので、体中がまんべんなく太い。
しかし彼は、元々ガリガリのガンジータイプであったため、手足は細く、肥満体型とはならない。
ところが彼の腹だけは、ラーメンの栄養が淀んでいるため、激しい膨張運動を持続している。
その体型は、殆どスイカ泥棒である。
ジーンズのウエストだけが広がって、アンバランスこの上ない。
恐るべし、ラーメンの怨念!
先祖がよっぽどラーメンに惨い仕打ちをしたに違いない。
そうとしか説明のしようがないラーメン中毒男なのである。
学生時代、彼は端で見ていて可哀想な位痩せていた。
スレンダーな女の子でも穿けないようなジーンズが、彼にはブカブカだった。
ドラマーとして彼がやってきた時、彼の体型を見たメンバーは一様に「こんなか細い男に一番重労働なポジションを任せて、大丈夫なのだろうか?」と首を傾げたものだ。
その身体は、夏の海において更に悲哀度を増した。
イーグルス流れる葉山の砂浜も、海パン一丁の彼を見ていると、コーラン流れるガンジス川の辺で沐浴をするインド人を思いだし、無意識のうちに手を合わせてしまうのだった。
ところが月日は巡り、突如として彼はラーメンに目覚めた。
「突発性小池さん症候群」又は「ブースカ病」ともいわれる悪質な病気だ。
永福町、恵比寿、渋谷、荻窪と、用があろうとなかろうと、仕事中でもプライベートでも、思い立ったらその日がラーメン記念日、ズルズルズルと麺をすすり汁を飲んでいった。
元来彼は「痩せの大食い」を地でいく男であったらしい。
同級生の小野木は「あいつは3時のおやつに、牛丼を食べていた」と証言する。
その彼が、猛然とラーメンに向けた情熱は、常人の理解を超えている。
おそらくスープも残さず飲み、うっかりすると大盛りを注文している可能性さえある。
子供時代から肥っていた人間は、もう肥満体型を形成しているので、体中がまんべんなく太い。
しかし彼は、元々ガリガリのガンジータイプであったため、手足は細く、肥満体型とはならない。
ところが彼の腹だけは、ラーメンの栄養が淀んでいるため、激しい膨張運動を持続している。
その体型は、殆どスイカ泥棒である。
ジーンズのウエストだけが広がって、アンバランスこの上ない。
恐るべし、ラーメンの怨念!
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