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人に歴史あり その2 『深山の巻』 (ベース & ヴォーカル)

2007-08-25 11:08:45 | 人に歴史あり
深山正樹は寝る男である。
彼は寝ている時にこそ、人生最大の幸福を感じているに違いない。
その上、一度寝るとなかなか起きないのである。
学生時代、彼はバンドのメンバー2人と、ミーハー若者憧れのアメリカ西海岸に旅立った。
当時オシャレさん若い衆のバイブルとも言うべき雑誌『ポパイ』『ホットドッグ』が、「やっぱウエストコーストじゃん」と宣言したのを真に受けての所行であろう。
まだ1ドルが250円という無礼な為替レートがまかり通っていた時代だ。
彼は流行に無頓着な振りを装って、実は誰よりも先に飛びつく男なのであった。
滅多に行けないキリシタンバテレンの国ということで、短い滞在期間を有効に使うべく各地を巡ると思いきや、暢気でものぐさな彼等は、約3週間、殆ど加州を離れることはなかった。
その旅に於いて、彼の爆睡王振りが遺憾なく発揮されたのである。
彼がひとたびベッドに倒れ込むと、体内の全てのエネルギーを一瞬にして放出、一切の生物学的行動を遮断する。
その直前に必ず口ずさむのが、「正樹の子守歌」である。それはこんな歌詞であった。
《今日も一日 儀式も終わって 顔が粉を吹きゃ わたしゃ寝るのみ ただ漠然と 雨が降ろうが ヤリが降ろうが わたしゃ寝るよ ゴーゴー・・・》
歌詞の中の「儀式」というのは、彼が日々欠かさなかった行為、即ちニキビに薬を塗布する作業のことだ。彼には運転中ニキビを潰すという癖があった。
ニキビが潰れた瞬間のことを彼は「噴火」と称した。その薬剤塗布が完了すると、その日の彼の意識下の行動は全て終わりなのであった。
以後彼は爆睡王として君臨し、それに勝るものは早朝サッカーと子供の運動会のみなのだ。
そんな彼の寝姿に触発され、高野隊長は『グーグー』という曲を作ったのだった。

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