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人に歴史あり その4 『宮原の巻』 (ギター)

2007-09-09 18:58:39 | 人に歴史あり
宮原勝一はバイク少年だった。
バンドに加入した頃、未だ10代だった彼は、アマチュアレースにも出場するオフロードレーサーであったのだ。
当然メカにも詳しいので、夜な夜な自宅の庭で改造に勤しんでいた。
鉄パイプを切ってハンドルを作ったかと思うと、ガソリンタンクをオモチャみたいなポリタンクに付け替えたりした。
あるロードレーサーはハンドルを極端に絞り、左右に1センチも動かすとタンクにぶつかる程に改造、タンクも交換し、大胆にも「ノートン」と書いたのだ。
その見るからに怪しいバイクを、バンド練習後、スタジオ前でお巡りさんに見られた時は、メンバー一同あせりまくったという。
誰が見ても大改造バイク、しかもエンジンには「ホンダ」の刻印。しかしお巡りさんは、タンクに書かれた宮原流「ノートン」のロゴを信用し、事なきを得た。
その後も彼のバイク熱は冷めることなく、タンデムしているのに平気でウィリーする、単独でウィリーした途端こけてタクシーの下に潜り込む、自動車に接触されて吹っ飛ぶなど、命知らずな日々を送っていた。
そうこうするうち念願の大型自動二輪免許をあっさり奪取、その直後に750ccで奥多摩有料道路を攻めて転倒、血塗れになって重量100キロを超すバイクを押して麓まで歩いた。
事故後に練習に現れた宮原の腕には、巨大なかさぶたが、まるでわらじかハンバーグの如く貼り付いていた。
「世の中に、こんなに大きなかさぶたが存在するのか!」とメンバーを感動させたことは言うまでもない。
そして彼はハーレーにまでこぎつけた。彼のイメージにはモトクロスバイクが相応しいので、ハーレーに乗る姿には正直釈然としないものがあった。
だがそのバイクのクラッチを握った時、その考えは間違っていることに気が付いた。
両手で必死に握ってやっと切れる程、そのクラッチは重かったのだ。
四六時中握力検査の如きパワーを必要とするバイクに彼の剛腕は唸った。

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