WEB PENGUIN CLUB

♪結成39年 無派閥臍曲がり演芸ロックバンド、ペンギンクラブ公式ブログへようこそ!!♪

人に歴史あり その6 『高野の巻』 (キーボード & ヴォーカル)

2007-09-14 22:22:46 | 人に歴史あり
高野ひろしは集める男である。
今でこそ「ペンギン・コレクター」などといって大きな顔をしているが、一皮剥けばただの収集癖過剰な人間だ。
その姿は一歩間違えれば、外出の度にゴミを拾ってくるボケ老人と同様である。
本人は「価値観の相違」と正当化に努めているけれど、どんなに価値観が相違しても、整理整頓が出来るか出来ないかという点についていえば話は別であろう。
子供というものは、特に男の場合、何かを集めた記憶が少なからずあるものだ。
メンコ・ビー玉に始まり、切手・切符・飲み物の蓋や王冠、アニメのカードやシール等、数を揃える快感に酔う年代を頭ごなしに否定は出来まい。
しかしそれらは年を追う毎に変化し、いつの間にか消えていくのが普通だ。
中にはそのいずれかが特化し、収集し続ける人もいる。
高野の一番いけない性格は、熱しやすく冷めにくい事かも知れない。
好奇心旺盛なのは良いが、興味に世代交代がないのでそれらの殆どが現在進行形となり、関連の資料も物品も等比級数的に増加する。
彼は高校時代から年毎のファイルを作り、その一年間にかき集めたありとあらゆるチラシ、パンフレット、書類、果ては箸袋からキャンディーの包み紙までをスクラップにしている。
旅に出れば「旅の思い出」と称して砂や石、花の種などを拾い、酷い時には建物の壁を削って持ち帰る。
更に問題なのは、それらかき集めた品々を全く整理しないことだ。
お陰でタスマニアの海岸の砂だか、葉山の砂だか、近所の公園の砂だか、本人にも分からないのである。
万事その調子で、床が下がるほどたまったレコード、CD、本、写真等も同様に未整理のまま散らばっているのだ。
以前「避難すべき災害が起きたら、君は何を持って逃げるんだい?」と尋ねたことがある。
彼は真顔で答えた。「僕は収集物に押しつぶされて、きっと逃げられないと思うねぇ・・・」
高野は人生に収拾をつけられないのであった。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿