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人に歴史あり その5 『竹中の巻』 (ギター)

2007-09-14 20:52:38 | 人に歴史あり
竹中徹の髪の毛は硬い。
櫛をもへし折りハサミの刃先をなまくらにする鋼鉄ジーグの如き毛髪は、無口で頑固な彼の性格をシンボライズしているのである。
結成20年を迎えんとするバンドにあって何が変わらないといって、彼の髪型程変わらないものはない。
時代によって多少の長短はあるものの、その全体像に変化は皆無だ。いや彼の髪質上、変えることは不可能なのである。
何しろ手櫛をした自分の指に刺さる程の剛毛だ。そのパワフルな材質に変化を付けるのは至難の業であり、うっかり髪の生え方に逆らったセットをしようものなら、カリスマ美容師といえどもハサミの2~3丁、櫛の5~6本の犠牲は覚悟しなければなるまい。
万が一仕上がったあかつきには、両手が血塗れになること必至であろう。
しかしかつて勇敢にも、あの比類無き恐怖の有機物にチャレンジした、命知らずの若者がいたのである。
彼は昔、城北地区の疑似下町、十条に住んでいた。十条といえば十条銀座に篠原演芸場、帝京大学と笑いの取れるポイントに事欠かない町だ。
彼の家の近くに資生堂の美容専門学校があった。そこには理容科の生徒が実習を兼ね、格安で散髪をしてくれる場所もあったのだ。
彼は大胆にもそこへ何度か通ったのである。ある日バンドの練習に現れた彼の髪型を見た時、メンバーは各自同じことを思った。
「こいつの髪の毛にパーマをかけるなんて、命知らずの野郎がいたもんだ」
竹中を担当した学生は、現在オーストラリアに移住し、5年連続で、全豪羊毛刈りチャンピオンに輝いたそうである。
従って彼の寝癖を直すなどという作業は、殆ど不可能に近い。となると寝癖がつかないように就寝しなければならない。
そこで彼が編み出したシステムは、「髪の毛が乾くまで、絶対寝ない」宣言だ。
洗髪後4時間以上起きていられる自信が無い時には洗髪しないのである。
神のみぞ知る竹中の髪である。

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