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隊長のエンヤコラム 音楽家と私 その4 『植木先生と私』

2007-09-01 10:54:25 | 隊長のエンヤコラム 音楽家と私
私のバンド生活に決定的な影響を与えたバンド、つまりスタッフ、ザ・バンド、ブルース・ブラザースに勝るとも劣らない、いや別格として燦然と輝くのが、ハナ肇とクレージーキャッツであります。
彼等は私を、いともたやすく音楽を使って笑わせ、一方で音で笑わせる楽しさと難しさを、私に提示したのです。
音楽として一流でなくては、それを笑いに転化することは出来ないんですね。
そして笑いはリズムであることも、私は教わりました。
中でも植木等のパワーとテクニックには、脱帽というより瞠目せざるを得ません。
プロの歌手は、日常会話の声とは違う「歌う声」を持っています。
逆に地の喋り声のまま歌うのは素人と、私は考えます。
彼の声はとても美しいクルーナー系で、その上歌いながら声を爆発することが出来る凄い歌手なのです。
喜怒哀楽を完璧に声に反映させられる、特に笑いながら歌うその声は感動に値しま
す。
『これが男の生きる道』などは、まさにキング・オブ・ボイスの教科書と言って過言ではありません。
通は谷啓に走ると申しますが、私はもうあの声から離れられませんでした。
歌うという根元的な目的は「神を呼び、神に祈る」寿ぎのパフォーマンスでしょう。
とすれば、彼のはまさに寿ぎの声の持ち主に違いありません。
数年前、突如彼が大ブレイクしたことがありました。
私はミーハーな親衛隊の如く、彼を追いかけました。
彼があるコンサートでフルアコ・ギターを弾き始めた時、私は目頭が熱くなりました。
普段でも姿勢が良い植木が、ギターを抱えた途端、背筋が更にピーンと伸びたのです。
そして正当派ジャズギタリストのスナップで弦を押さえ、弦を弾きました。
そこには笑いの王者でも歌手でもなく、ミュージシャン植木等がいたのでした。

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