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隊長のエンヤコラム 音楽家と私 その15 『ニック・ロウと私』

2007-09-01 12:00:05 | 隊長のエンヤコラム 音楽家と私
私がパブロックという言葉を知ったのは、いつの頃でしょうか。
突如エルヴィス・コステロが黒縁眼鏡で登場した時かも知れないし、怒りに震えたグラハム・パーカーを聞いた時かも知れません。
でもパブロックという言葉をその響きから勝手に妄想した時、銀髪をなびかせたニック・ロウおじさんこそが相応しいと、その頃もそして今も思っています。
こてこてと脂ぎったところがなく、手短で軽く、あっさりさっぱり2分半みたいな感じ。
ポップなんだけど100%ポップではないし、かといって英国名物どんよりロックな風もない。
どこか粋な、斜に構えた、「別に大ヒットしなくてもさ・・・」的な奥床しさ。
分厚く埋め尽くさない、すかすかした音作りも、お茶漬けの味って趣ですよね。
分厚い音楽に慣れちゃうと、ちょっとした隙間がとっても恐くなります。
とにかく埋めたい。音をちりばめたい。音自体もアタッチメントを目一杯かけて太くしたい。
それがダメなら、せめて大音響で誤魔化して・・・そう、音を一杯使って誤魔化そうとしていたんです、たぶん。
ところがニック・ロウは小編成で、しかもオルガンなんかペラペラサウンド。それがくどい音に逃げていた私を直撃したんです。
メロディーラインも美しくて、ローズ・オブ・イングランドとか、あのコパトーンのCMに使われた曲とか、思わず口ずさみたくなる歌ですよ。
あれは渋谷公会堂だったでしょうか? ギターとドラムのみを連れてのライブ。
ベースを弾きながら歌うニック・ロウの格好いいことといったら! 
途中、生ギター一本で歌ったりもしたんですが、ロックなんですよ、これが。
ギター一本で、シャウトすることもなく、それでいてロック。
パブロックの神髄を見たような気がしました。

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