A&Vフェスタ最終日の報告です。(遅くなりました)
最終日は、前回お話したようにサウンドマイスター様のご厚意により、4Fのブースで10cmウッドコーンスピーカーのDCU-F121Wを試作したピアノ塗装仕上げのBOXと共にデモで使用していただきました。写真でタンノイの大きなスピーカーの横で置かれている小さなスピーカーです。
当日はPARC Audioのブースでのアテンドがあり、ほんの少ししか聴く事ができませんでしたが、大きめのブースの中でサイズの割には十分に鳴っており、特に中高域の分解能の高さに驚かれるお客様が多かったようです。
最終日は、娘のPOPが効いたのか売上の方も3日間で一番多くなり、先ず売れないだろうと思っていた17cmウッドコーンDCU-171Wも会場分が完売し、本当に疲れましたが充実した3日間を無事終えることができました。
また意外に好評だったのは高級スピーカーターミナルのDCP-T001で、ちゃんと特徴説明をすると皆さんこれは安いねと言って買ってくださる方が多かったです。やっぱりホームページで掲載するだけでは、その良さが伝わらないのかぁと少し考えてしまいましたね。特に皆さんが感心されていたのは、この端子がオール非磁性材(つまり鉄系の材料を使っていない)で作られているということで、実はこれってかなりレアなことなのです。普通端子本体は非磁性材でも、取り付け用のネジやナットは一般的な鉄製のものを使うことが多いのです。皆さんも一度お使いの端子をスピーカーのマグネットに近づけてみてください。おそらくネジ等はマグネットにくっつくかと思います。
ちょっと長くなりますが、実はこのタイプの端子を最初ソニーで使っていた時もナットは鉄製でした。ところがソニーミュージックのある方(H氏)からある時、「冨宅さん、あの端子のナットは磁性材だから音が良くないはず。あれを非磁性材に変えてほしい」と言われ、いやいや確認サンプルを作ったのが始まりなんです。
もちろん、当時私自身もたかがナットで音がそんなに変わるの?という気持ちが強かったので、確認して差が無ければそのまま変更無しで行こうと思っていたのですが、その結果は私の予想を大きく裏切るものでした!
Hさん恐るべし! 私は実際に確認して得られた結果(事実)に対しては、何事も素直に受け入れるタイプなので、試聴の後直ぐにパーツベンダーさんにTELを入れ、その後の生産を全て仕様変更したことは言うまでもありません。この時も、本当に先入観で物事を決めてはダメだなぁと痛感した次第です。
では今日はここまで。
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こういう考え方を持っておられる冨宅さんの作られた物であれば、ユーザーとしても信用でき、安心できます。音を聞く前にでも買ってみようかという気になりますよ。17センチのアルミコーンにアルミドームのコアキシャルで、Qtsが2.5くらいのを出してくださったら、即買います。
世の中には理屈ばかりが先行した商品が横行してますが、例えば最近どこに行ったのか「マイナスイオン」をうたった家電の数々。踊らされたのは消費者ばかりなり。
我々には、ソニーは革新を信条とする会社だと言う認識がありますが、時として理屈が先行した商品を出すこともありますね。「これでないとあかん!これしかありえない!」と言わんばかりの華々しいデビューをした、ヒートパイプを付けたスピーカーや四角い振動板は、その後何処へ行ったのでしょう?
そこらへんの裏話も、面白おかしく聞かせていただければ嬉しいです。
コメントありがとうございました。
おっしゃるように、事実ほど強いものはありません。同じ意味で私の設計ポリシーの一つに温故知新というものもあります。つまり本当に良いものは例え古い技術でも長くユーザーに評価され市場に残っていくものです。今まで無かった全く新しいから何でも良いというわけではなく、良いものなら古い技術でも積極的に使っていくということは非常に大切なことだと考えています。
ご指摘のようにソニーはsomething different(他社のやってないことをやれ!)という精神が強く、それがまたソニー大躍進の基でもあったわけですが、ことスピーカーという枯れたカテゴリーの中ではこのことが多分に足かせになっていたと私は思っています。
私も研究所時代は、彼のやっていることは開発では無い、と陰口をたたかれたこともありましたが、私は新しいかどうかが目的ではなく、結果として出た音が良いかどうかが全てだと思っていつも仕事を進めていました。
四角い振動板についても、いろいろと語りたいことはあるのですが、それはまた後日ブログで書いていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
コアキシャルについては、第一弾はPP+ソフトドームで発売予定で、アルミについては来週発売する単体ウーファーの販売状況を見ながら検討していきたいと考えています。
やはりソニーでは冨宅さんは特殊な存在だったみたいですね。一安心です(^_^;)
私も零細箱作りとして常に良いユニットを探しています。気に入ったユニットがあれば採算を度外視してとことん箱を試作します。
結果、箱代がユニット代の10倍以上~20数倍ということになりますが、私としては小さい四角い箱にユニットを押し込んで、吸音材で音を殺すなんてのは、ユニット製作者に対してとても無礼な行為だと私は考えています。
と言うわけで、Qts:0.25をお願いしたい理由なのです。
私と方向は違いますが、ドッグランさんの木球には私と同次元の執念を感じます。敬意を表したいです。
コメントありがとうございました。
確かに私はソニーのスタンダードとは違っていたと思いますね。ただそんな私の存在も認めてしまうのもソニーらしさであり、あるソニーの同僚から「冨宅さんみたいな人がいること自体がソニーらしさということなんじゃないの」とよく言われました。
Qts:0.25についてコメントを忘れていましたが、参考出品モデルの中にちょうど0.25というのがありますね。年内には発売できるかと思いますので、楽しみにしていてください。
自分もこのエントリを読んで、DCP-T001が一瞬猛烈に欲しくなりました。しかしながら、うちはカナレの4S6を「手」で「ぐりぐり」ねじって取り付けていることを思い出して、踏みとどまりました。危ない危ない(笑)。
ホームページだとよそ行きの言葉になってしまうので、商品特徴がなかなかダイレクトには伝わりにくいのかもしれません。しかし社長さんが行李を持って全国行脚するわけにも行きませんから、このブログで商品のチャームポイントをぼちぼち書いて頂ければよろしいのではないかと思います。
まぁ、ユニットなんかはユーザーさんそれぞれ、色々な使い方をされているし、企業秘密で書きにくいところなんかもあるでしょうから、難しいところもあるとは思うのですが。
コメントありがとうございました。
ソニー時代は、商品導入でいろいろな事をやりましたので、いつのまにか「設計もできるセールスマン」になっちゃいましたね。
業務用オーディオをやっていた時は、毎週のように特約店の方を招いて、数時間のトークショー(笑)をやったりもしてました。ここで痛感したのは、皆さんが一番興味を示すのが開発の裏話や設計者の商品に対しての熱い想いなどで、このような話はやはり設計者本人でないと難しいでしょうね。
カナレとは懐かしいですね。業務用をやっていた時は定番で使ってました。このケーブルは地味ですが、意外にコストパフォーマンスが高いんですよね。値段の割りに変なクセもなく普通に使えます。何でもそうですが、この普通に使えるということが重要だと思います。でもDCP-T001もカナレで繋げますのでよろしく、なんちゃって・・・。
ホームページは、おっしゃるようになかなか本音で裏話を書くというのは難しいので、やはりブログが便利かも知れません。これからも昔の仲間に刺されない範囲で、ぼちぼちと書いていきたいと思います。
今後ともよろしくお願いいたします。