四国の四季と遊びのお部屋(JAPAN THE LIGHT OF DEY)

何を探しているの??リンクが一杯です。お探しのものありませんか??探しますよ・・・!!!

激流・・・Ⅳ

2008-06-29 18:37:38 | Weblog
安田は遅刻かなと思いながら後わずかで交差点というところで(キキキ・・ドーン)甲高い音と共に鈍い音を聞き前を見ると「あ・・・」なんと由紀子が宙を舞っているではないか、(どすーん)と言う音と共に由紀子の体が地面に叩きつけられた・・・「ゆ、由紀ちゃん」安田が駆け寄ると地面一面に真紅のジュウタンを敷き詰めたように血の海である。「ピーポ、ピーポ」まもなく誰かが呼んだ救急車が駆けつけた。安田は知り合いですからと救急車に乗り込んで徳島赤十字病院へと走る。(そうだ、所長に電話を・・)と森下に電話をかけて由紀子のことを連絡する。「うう~ん」由紀子の意識が戻った。(あれ・・安田さん、和夫さん)由紀子は声にならないような声で安田を呼んだ。そっと手を握ると「和夫さん、私は29年で今が一番幸せなときです、貴方に巡り合ったことですべてを許せます。数ヶ月でしたが日々がとてもときめきました。和夫さんと会ったことは私の人生で至福の時でした。ありがとう・行きたかったです、奈良に・・・」後は聞き取れません。只最後に「和夫さん・・」と呼んだ由紀子の声が最後でした。和夫は病院の屋上に向かっていました。入れ違いに夫の信夫が入ってきました。安田は屋上でスカイガーデンの花を一輪とって「由紀ちゃん」小声で叫び花を投げました。花はクルクルと弧を描きながら舞って行きました。まるで蝶が舞っているかのように落ちていく花に由紀子との決別を誓うようでした。それから数日後の日曜日奈良県明日香村古墳を眺める安田がいました。そして一つの古墳の前で「由紀ちゃん、君が買ってくれた、松江の旅行のガラス細工のイルカですがココに埋めて置きます。
いつか僕達が来世で巡り合うことがあればこれを二人で眺めましょうね。」安田はそう言いながら大粒の涙を流し・・由紀子に決別しました。いえ・・いつか会えることを誓いました。
長い間の物語りでしたが・・・・有難うございました。皆様も心ときめく伴侶を見つけてください。ではさようなら・・・・

激流…Ⅲ

2008-06-24 12:44:41 | Weblog
家に着くと玄関を「ただいま・・!!!」「おい、今まで何してた。」「飯も食べずに起きてたんだぞ」第一声が飛んできた。予測はしていたので「すみません、仕事の打ち上げで梯子をしていて遅くなりました。所長がひつこくてね。」「マア良い、晩飯は適当に食べたが、酒のあてを何か頼むわ。」「はい、すぐ作りますね」由紀子は夫の前で変化に気づかれなかった事で自信を持った。(私って名女優かな、上手くいくものね。)その夜は余韻に浸りながら心地よく眠れた。
翌日「あなた、早くしてくださいね。遅刻しますよ。」「わかった、今行くよ」夫の返事を聞きながら・・「行ってきま~す。」と、外に飛び出した由紀子は駅の方へ歩く、昨夜のことを思い浮かべて一人幸福感に包まれ(これからは安田さんと会ったときは和夫さんて呼ぼうかな~)などと考えながら歩いていると赤信号を見落として横断歩道へ飛び出した。<キキキk・・・~>急ブレーキの甲高い音が朝の駅前に鳴り響いた。一瞬何がおきたのか分からなかった。

激流・・Ⅱ

2008-06-23 13:11:30 | Weblog
二人は見つめあいながら酒の力も入り・・本能を抑制していた理性の力が落ちていき。もう、止めることが出来なくなっていた。「由紀ちゃん」安田は小声で名前を呼び唇をかさねて行った。由紀子は高鳴る鼓動を抑えることもできず。酔っていることも忘れ。只、むさぼるように安田のぎこちないくちづけを快く受け止めて自分から安田にしがみついていった。(主人とは名ばかりで最近は関係を持つことも無かったわ)由紀子は思い出していた。初めて関係を持った時の鼓動をそして受け入れた時の幸福感を、今、また私は幸福感に包まれ生きることの喜びを体全体で感じている。出来るなら酒の力を借りずに味わいたかった。と思っているのであった。
フッと気が付くとpm11時「あれ、もうこんな時間ですか、ベットから起き上がり周りを眺めると脱ぎ捨てられた下着類が二人のこれまでの思いの現れであった。
そっと拾い身に着けながら「和夫さんごめんなさい。」「やっと名前で呼んでくれましたか。」安田は嬉しそうであるが。由紀子は今、後悔と希望が入り混じった複雑な心地であった。(夫にすまないより見つからないようにと安田にいとおしさを感じ、人間って勝手な生き物ね。)そう思っていた。
ホテルを出てタクシーで家路に着く。(こんな時間ジャーたぶん帰っているわね)
玄関を見ると明かりが点いていた。

激流

2008-06-21 19:42:41 | Weblog
徳島駅に着き辺りを見回すと向うから安田がこちらに向かってくる。由紀子はしがみつきたい衝動に駆られるがかろうじて自分の理性が本能を抑えた感じである。
(私はこの人に本気なんだわ)自分に納得させる。
安田は「コーヒーでも行く」と由紀子に聞く、「はい」「食事にする?」と問い直す、「あ、はい」と答えると両国橋のほうへ歩き始めた。少し歩いて赤提灯の<ホルモン>と書いたのれんをくぐる。「へい、らっしゃい」と威勢のいい声がする。奥の座敷に座ると「焼肉ロース、センマイ、ミノ、など二人前ね」と安田は頼み「あ、それと生中、お願いします。」と付け加え「由紀ちゃん、来月8月23日24日で言ってた奈良に行かないかい。」と聞かれる。「はい、少し待ってくださいね、予定を調べてお返事します。」と由紀子は答え続けて「出来るだけ行けるように調整してみますね。」と答える。「由紀ちゃんといった、松江が楽しかったからできるだけ一緒に生きたいね。」と安田は答える。由紀子も同じである。
話しながら食べているとビールの数が進み由紀子はほろ酔いを過ぎていた。
「安田さんごめんなさい。」「どうしたんですか?」「私もうだめ、酔っちゃったみたいです。歩けないかもしれません。」「じゃ出ますか。」「はい」と返事するが歩けない。「ごめんなさい、どこかで休ませてください。」「ハイじゃ、・・」と言って新町商店街から眉山の方に歩くとホテルの看板が見える。「ココで又少し休みますか?」「はい、この前と同じシーンですね。」と由紀子は答える。
中に入るとピンクの掛け布団が嫌に悩ましい。そこに寝転んだ由紀子は安田のほうを見ると安田は心配そうに由紀子を眺めている。「安田さん横に座ってください。」「大丈夫ですか」とたずねながら由紀子の横へ腰をかけると由紀子の顔を覗き込む、その時由紀子と安田の目が合った。

淡雪・・・Ⅴ

2008-06-17 21:03:50 | Weblog
夫の帰りは午前様12時少し回っていた。由紀子は風呂に入り深夜番組を見ていると「おい、今帰ったぞ」玄関で大きな声で呼ぶ、「貴方聞こえてますわ、そんな大きな声を出さなくても良いでしょ」「何が大きな声か、いつもこれくらいは出てるぞ・・!!おい、水をくれ」氷の入った水を差し出すとイッキに飲み干して「遅いからもう寝るぞ。」「貴方、お風呂はどうします。」「それはもう良い、とにかく眠りたい、今日は疲れた。」と言って二階の自分の部屋に入っていく。(はは~ん彼女の所で入ってきたのね)と勘ぐりながら「じゃ、おやすみなさい。」と声を掛ける。翌朝由紀子が支度をし出かける寸前に起きてきた夫は「おい、カッタシャツの新しいのは何処にある?早くしないと遅れるじゃないか。」と声を掛ける。「ココにあるでしょ、」と言って夫の部屋の押入れを開けて差し出すと「おお有ったのか、」と納得してパジャマを着替え始めるので「私が遅れそうなのでもう行きますね」と由紀子は出かける。(そういえば私自分が遅れても夫を見送ってから出かけてたのにずいぶん変わったわね)と自分に問いかけながら朝の人ごみに中に入っていく。藤和工業の仕事の進み具合を打ち合わせに追い出ると所長より連絡されて由紀子は(どこかで聞いた名前ね、)と思っていると11時過ぎ「すみません森下設計事務所ですか、私は・・アアア」「はい、そう・・・」由紀子も声が出ない。
なんと安田が立っているではないか。
しかしさすが二人とも大人である。「始めまして安田と申しますが、所長はおいでますか、藤和工業の安田が来たとお伝えください。」「ハイ少々おまちください。」と言いながら由紀子の頬は赤らんでいた仕事中の自分を安田に見せた気恥ずかしさと逢えた喜びの複雑な気持ちであった。「所長藤和工業さんがお見えになりました。」「おう、ここに通してくれ。」「ア、それとコーヒー美味しいやつナ」
「は~い」「おい、由紀ちゃんなんか良いことあったのか?こえのテンションが高いぞ」と所長に指摘されいけな~いと思うのでした。
コーヒーを所長の所に持っていくと安田は真剣に所長と打ち合わせをしていた。
安田の違う一面を見たが真剣な安田は凛々しく見え、しがみつきたい衝動に駆られ
立ち尽くしていると、「おい、由紀ちゃんコーヒー置いたらもう自分の仕事して良いよ。」と所長に言われハッと我に返り「すみません」と言ってそこを出る。
一時間ほどで「おい、お客さんのお帰りだぞ」と所長の声がする。「はい」と由紀子は玄関のドアの所まで出て安田の後についていく。車に乗り込んだ安田が小声で
「今日は何時もの時間にかえるね」と声を掛ける。所長達が少し離れていたので
聞こえてはいないと思うが。まさか仕事場で会えるとは思って居なかった。その日の後の仕事は手につかなく早く5時にならないかと時計と睨めっこの一日であった。pm5時「お先に失礼しま~す。」「お~今日の由紀ちゃんどうしたの」伊藤の声が後ろの方で聞こえていた。電車に乗り込んだ由紀子は安田に会えばこれとあれと話してと話の内容を色々考えながら徳島駅に電車が着くのを今か今かと待っていた。・・・・「次は・・徳島、お降りの方はお忘れ物の無いように・・」アナウンスが流れる。電車が何時もより遅く感じていた。


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