四国の四季と遊びのお部屋(JAPAN THE LIGHT OF DEY)

何を探しているの??リンクが一杯です。お探しのものありませんか??探しますよ・・・!!!

淡雪・・・Ⅴ

2008-06-17 21:03:50 | Weblog
夫の帰りは午前様12時少し回っていた。由紀子は風呂に入り深夜番組を見ていると「おい、今帰ったぞ」玄関で大きな声で呼ぶ、「貴方聞こえてますわ、そんな大きな声を出さなくても良いでしょ」「何が大きな声か、いつもこれくらいは出てるぞ・・!!おい、水をくれ」氷の入った水を差し出すとイッキに飲み干して「遅いからもう寝るぞ。」「貴方、お風呂はどうします。」「それはもう良い、とにかく眠りたい、今日は疲れた。」と言って二階の自分の部屋に入っていく。(はは~ん彼女の所で入ってきたのね)と勘ぐりながら「じゃ、おやすみなさい。」と声を掛ける。翌朝由紀子が支度をし出かける寸前に起きてきた夫は「おい、カッタシャツの新しいのは何処にある?早くしないと遅れるじゃないか。」と声を掛ける。「ココにあるでしょ、」と言って夫の部屋の押入れを開けて差し出すと「おお有ったのか、」と納得してパジャマを着替え始めるので「私が遅れそうなのでもう行きますね」と由紀子は出かける。(そういえば私自分が遅れても夫を見送ってから出かけてたのにずいぶん変わったわね)と自分に問いかけながら朝の人ごみに中に入っていく。藤和工業の仕事の進み具合を打ち合わせに追い出ると所長より連絡されて由紀子は(どこかで聞いた名前ね、)と思っていると11時過ぎ「すみません森下設計事務所ですか、私は・・アアア」「はい、そう・・・」由紀子も声が出ない。
なんと安田が立っているではないか。
しかしさすが二人とも大人である。「始めまして安田と申しますが、所長はおいでますか、藤和工業の安田が来たとお伝えください。」「ハイ少々おまちください。」と言いながら由紀子の頬は赤らんでいた仕事中の自分を安田に見せた気恥ずかしさと逢えた喜びの複雑な気持ちであった。「所長藤和工業さんがお見えになりました。」「おう、ここに通してくれ。」「ア、それとコーヒー美味しいやつナ」
「は~い」「おい、由紀ちゃんなんか良いことあったのか?こえのテンションが高いぞ」と所長に指摘されいけな~いと思うのでした。
コーヒーを所長の所に持っていくと安田は真剣に所長と打ち合わせをしていた。
安田の違う一面を見たが真剣な安田は凛々しく見え、しがみつきたい衝動に駆られ
立ち尽くしていると、「おい、由紀ちゃんコーヒー置いたらもう自分の仕事して良いよ。」と所長に言われハッと我に返り「すみません」と言ってそこを出る。
一時間ほどで「おい、お客さんのお帰りだぞ」と所長の声がする。「はい」と由紀子は玄関のドアの所まで出て安田の後についていく。車に乗り込んだ安田が小声で
「今日は何時もの時間にかえるね」と声を掛ける。所長達が少し離れていたので
聞こえてはいないと思うが。まさか仕事場で会えるとは思って居なかった。その日の後の仕事は手につかなく早く5時にならないかと時計と睨めっこの一日であった。pm5時「お先に失礼しま~す。」「お~今日の由紀ちゃんどうしたの」伊藤の声が後ろの方で聞こえていた。電車に乗り込んだ由紀子は安田に会えばこれとあれと話してと話の内容を色々考えながら徳島駅に電車が着くのを今か今かと待っていた。・・・・「次は・・徳島、お降りの方はお忘れ物の無いように・・」アナウンスが流れる。電車が何時もより遅く感じていた。


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